インタビュー・モノ

今、新たな鼓動をもって展開している「東海のものづくり」にスポットを当てて、作り手の想いやこだわりに迫ります。ものづくりの宝庫ともいえる、東海エリア。有名どころから知られざる逸品まで、掘り起こします。

前編はこちら
 

 

手間を惜しまず丁寧に取り出す木々の香り

 
木の香りを詰め込んだアロマオイルブランド「yuica(ユイカ)」。その心和ませる豊かな香りはどのようにしてつくられているのでしょうか?後編では、国産の樹木を原料とするエッセンシャルオイルの製造工程について紹介します。
 

↑ エッセンシャルオイルのほか、トリートメントクリームやボディソープ、香り付きおしぼりなど、「yuica」の幅広い製品には、木の恵みがたっぷりと詰まっています。
 
「yuica」のエッセンシャルオイルの原料として使われている木や枝葉は、林業に従事している方、またはかつて林業の仕事をしていた方が山で採取してきたもの。木の中には、見た目が似ており見分けるのが難しい品種もあるため、木に精通したプロの目が必要不可欠なんです。「『yuica』のエッセンシャルオイルの原料には、香りを抽出するのに適した樹齢や木枝の太さに配慮して採取したものを使用。また、他の品種が混ざってしまうとピュアな香りにならないため、特に神経を注いで選別しています」と稲本さんは話します。
 

↑ 木の状態を見極めるうえでの細かなポイントについて語る稲本さん。
 
集められた木や枝葉は、製造スタッフの手でさらに選別され工場に運び込まれます。そして、下準備として粉砕し、水蒸気蒸留抽出機に入れてじっくりと香りを抽出。水蒸気蒸留法は、原料に水蒸気を当てることにより水蒸気に精油成分を溶け込ませる手法。水蒸気は冷却すると水と精油成分に分かれるため、混じり気のない木の香りを引き出すことができるのです。
 

↑ 「yuica」設立当初に開発した水蒸気蒸留抽出機の第1号。ここから国産木を原料とするエッセンシャルオイルづくりはスタートしました。
 

こだわりの香りは、国内、そして世界へと広がっていく

 
木そのものがもつ香りを引き出す「yuica」の抽出工程。ピュアな香りに仕上げるためのこだわりが随所に息づいていますが、木や枝葉がもつ「自然の力」を引き出すお手伝いというスタンスが根底にあります。
「『yuica』で扱っているエッセンシャルオイルは、木の種類ごとに効果が異なります。その偉大な力をどうしたら最大限引き出せるか。抽出機の研究を重ね、現在使っている5代目の抽出機に行き着きました」と稲本さんは振り返ります。
 

↑ 「yuica」には木々の香りとともに、作り手が抱く自然への感謝の気持ちも込められています。
 
「yuica」はいまや国内外から注目を集める存在に。ハイクラス自動車ブランドのノベルティギフトや世界的リゾートホテルの専用エッセンシャルオイルなど、メイドインジャパンの癒しの香りで他社の取り組みに花を添えています。
やるからには世界的なアロマブランドを目指していきたい。現在の取り組みでしっかりと信頼を高めつつ、海外進出を見据えて活動していきます」と稲本さん。
 

↑ 将来構想について語り合う稲本さんと三津家さん。香りに対する熱い思いが交錯することで、「yuica」は一層発展していきます。
 
「ストレスが多いと言われる現代社会だからこそ、香りが果たす役割は大きいと感じています。これからも安心安全なエッセンシャルオイルを提供し、安らぎの暮らしづくりに貢献していきたいです」と稲本さんは笑顔で話してくれました。「yuica」はこれから先、日本、そして世界の香りを愛する人々に寄り添い、癒しを届けていくことでしょう。
 

↑ 高山から世界へ。高山生まれの真摯な取り組みは確実に歩みを続けていきます。
 
(写真:西澤智子 文:西村友行)
 
 

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