インタビュー・モノ

今、新たな鼓動をもって展開している「東海のものづくり」にスポットを当てて、作り手の想いやこだわりに迫ります。ものづくりの宝庫ともいえる、東海エリア。有名どころから知られざる逸品まで、掘り起こします。


 
前編はこちら
 
水道水に含まれる残留塩素をできるだけ取り除く入浴料「おぷろ」。 手がけるのは、“水栓バルブ発祥の地”と言われる岐阜県山県市美山地区で1954年に創業した「水生活製作所」です。後編では、入浴料という形に辿り着くまで試行錯誤の連続だったという開発工程に迫ります。
 

↑「おぷろ」を手がけた開発部がある「水生活製作所」本社。
 

↑ 現在も製造工場を構える美山地区。清流と山々の緑に囲まれた自然豊かな地で「水生活製作所」はスタートしました。(画像提供:水生活製作所)
 

試作を繰り返しながら、方向性を探っていく

 
「塩素が入っていないお風呂に入りたい」という消費者の声をきっかけに、開発をスタート。「当初は浴槽用の浄水器をつくる予定でしたが、お風呂は1回で約200リットルもの水を使用するため、その量に対応できる塩素除去のための活性炭フィルターを作ろうとするとサイズが大きくなってしまい…。1年ほどいろいろ試してみましたが、一般の家庭に置くには場所をとるし、コストも高くなってしまうので浄水器という形は諦めました」と語るのは、開発を担当した太田美穂さん。
 

↑ 入社して以来、柔軟な発想で多くの商品を生み出してきた太田さん。
 

↑ 太田さんは、蛇口や浄水器に使う細かな部品も開発しています。
 

思い切った発想の転換で新しい製品を生み出す

 
塩素を除去するには活性炭フィルターのほかに、亜硫酸カルシウム、ビタミンCを配合するなどと大きく分けて3つの方法があり、次に太田さんが注目したのはビタミンC。「ビタミンCはわずかな量でお風呂1回分の塩素を除去する効果が期待できる一方、水に溶けやすいという性質のため効果が持続しない面も。浄水器という案からスタートしていたこともあり、1ヶ月程度は効果を持続できるものにしたいと思いました」。
そこで粉末状のビタミンCを固めて持続性を維持する方法はないか模索。「飴でコーティングしても、ベタついてしまい…。1年程試作作業を繰り返した結果、ビタミンCを使うなら溶けるのは仕方ないと、思い切って“使いきり”という方向に舵を切りました」。
 

↑ 「水生活製作所」の開発部は、開発案件を各自で進めていくスタイル。豊かな発想力と的確な判断力が求められます。
 

社内の意見を参考にブラッシュアップ

 
“1回の使い切りでお風呂に入れるもの”というコンセプトを新たに掲げ、「入浴料ならば普段から使っている人も多いし、気軽に手にとってもらえるのでは」と考えた太田さん。塩素を除去するためのビタミンCを中心に、保水力の高いコラーゲンやヒアルロン酸、リラックスできる香りなど数種類の成分を微調整しながら混ぜ合わせ、太田さんが実際に浴槽に入れて使用感を確認。他の社員にも使ってもらい、その意見を参考に改良を重ね、ようやく「おぷろ」が完成したのです!
 

↑ 「おぷろ」は全部で10種類。メンソールやミントが入ったCOOLタイプや有効成分が血行促進を高める薬用タイプもあります。
 

洗いながら肌を守るボディソープも開発

 
「私は炭酸タイプの『あわ』が好き。無色透明なので毎日入れても飽きがこないところも気に入っています。男性にはクールタイプが人気です。小さな子どもの肌にもやさしいので、家族なら『今日は何色に入る?』と一緒に選んで楽しくバスタイムを過ごしてもらえたら嬉しいです」。太田さんは「おぷろ」のボディソープも開発。「『おぷろ』のボディソープは残留塩素から肌を守りながらきちんと汚れを落とせるから、敏感肌の人でも心地よく体を洗うことができますよ」。
 

↑ おすすめ2種類が入ったギフトセットはプレゼントにぴったり。
 

↑ ボディソープには詰め替え用の「おかわり」も用意。ネーミングもかわいいですね!
 
私たちの暮らしに欠かせない「水」に目を向けると、心地よさや健康状態にも変化が。「敏感肌で悩んでいるという人から、『ストレスなくお風呂に入れて助かっています』という手紙をいただいた時はすごく嬉しかった」と笑顔で話す太田さん。開発部は男性社員が多いため、女性ならではの感覚も大切。「『水生活製作所』が扱うのは家庭で使う製品なので、女性目線ならではの色やデザインをどんどん開発していきたいです」。今後も「水生活製作所」は次々と新しい商品を生み出しながら、私たちの暮らしを潤してくれることでしょう。
 
(写真:西澤智子 文:松本翔子)
 
 

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