美しい景色や模様、きらめき。心動かされたものを多彩に表現!【9歳の抽象画 山本太陽くん】


 
7歳の終わりから抽象画を描き始めて、2年で650を超える作品を生み出してきたという、愛知県美浜町在住の小学生、山本太陽くん。2021年3月20日~4月30日には5回目となる個展を「名古屋みなと 蔦屋書店」で開催。宇宙が好きで、鉱石が好きで、歴史が好き。好奇心旺盛で子どもらしい反面、豊かな感性で大人顔負けの抽象画を生み出す太陽くんの活動に迫ります。
 
― 両親が美大卒で、小さい頃から絵や造形が身近だったと聞いていますが、抽象画を始めたきっかけは?
 
太陽:NHKの連続テレビ小説「まんぷく」で、主人公のお姉さんの旦那さんが画家で、その人が描いた抽象画を見たのがきっかけです。色がすごくきれいだなと思い、自分も描いてみたくなりました。
 

↑太陽くんと一緒にインタビューを受けてくれた母・三加さん。
 
三加:「キャンバスあるよ!」って出したら、その日のうちに10枚描いたんです。次の日も、その次の日も描きたいと言い、あっという間にキャンバスが30~40枚に。興味を持ったらすぐにやりたいという思いが強いタイプ。おもしろい絵だなと思ったので太陽画伯としてインスタグラムを開設したら、その絵を買いたいという人が現れたのがきっかけで、画家として活動するようになりました。
 

↑自宅で抽象画を描いているときの太陽くん。好きな色を組み合わせたり、キレイだと思うものをイメージしたりして描くそう。
 
― 始めたのは7歳、小学1年生の終わりだったそうですね。この2年間で作品は650点以上だそうですが、どんなペースで描いているの?
太陽:以前は毎日描いていたけど、最近は習い事に行く日が増えたので、週に1~2回くらい。平日、学校から帰ってきて描くことが多いです。1度に5~6枚くらい描きます。
 
― 展示してある作品にはすべて名前がついていますね!どんなテーマで絵を描くことが多い?
太陽:宇宙、鉱石、歴史、鳥、海や山、桜などの自然とか。本が好きで、宇宙の写真集や歴史の本で合戦の場面を見たり、鉱石の模様を見たりすると、描いてみたくなります。
 

↑太陽くんが好きでよく読んでいるという宇宙の写真集「138億光年 宇宙の旅」。キラキラとした光がとくに好きで、抽象画にも金色をよく使うそう。
 
三加:美浜町は自然が豊か。海が近くて、夕日で海がいろんな色に変わるのをよく見ているし、星もすごくきれい。流星群が見られるときは、軽トラックの荷台に寝袋を敷いて星空をずっと眺めていることも。自然をテーマにした抽象画は、太陽が目にして感動した風景をイメージして描いているようです。
 

↑好きな色を組み合わせて描いてみたら地球の表面のようになったことから、「地球のかけら」というタイトルに。タイトルはすべて太陽くんが考えています。
 
― 小さい頃は絵本もたくさん読んでもらっていたとか。
三加:
「ベイビー・ジャジーのかくれんぼジャングル」「くまさんくまさんなにみてるの?」などカラフルな絵本をよく読んでいました。抽象画を描き始めた頃は、ジャクソン・ポロックの作品集を見て、参考にしていました。最初は筆で自由に描いたり、ドリッピングが多かったのですが、ポーリング、フルイドアート、スワイプアートなど、最近は技法動画を見て勉強して、いろんな技法を使っています。
 

 
― 個展でも展示している筆で描いたような抽象画、勢いがあって目を引きますね!
太陽:
ジャクソン・ポロックの作品集の中に、黒だけを使った書道みたいな絵があって、自分も描いてみたいと思いました。描いているうちに「けむりの書」というタイトルのシリーズができて、何枚も描いていたら顔のような模様ができたので「書の顔」というタイトルに。また何枚か描いているうちに顔がどんどん変形していって、歌舞伎の隅取(くまどり)みたいになって、いのししみたいな顔になって、最終的に「謎の神様」ができあがりました。
 

↑右上に展示されているのが「けむりの書」。
 

↑中央の右上が「書の顔」、その左下が「謎の神様」。
 
三加:なにか1つ興味を引くものを見つけると、どんどん思いついて太陽らしいアレンジを加えていくのが、見ていておもしろいです。
 

↑「けむりの書」シリーズを描く太陽くん。
 
― 2019年には家族3人でニューヨークにも行ったそうですね。
 
三加:結婚10周年だったこともあって、私も夫も思い出のあるニューヨークに太陽も連れていきたいなと思って。3週間くらい滞在していたので、現地で絵画教室に行ってみたり、ダンスのワークショップに行ってみたり、美術館にもたくさん足を運びました。太陽はいろんなところでスケッチを描いていました。「ニューヨークの夜景」というタイトルの抽象画は、そのときにエンパイアステートビルから見たきらきらした夜景に、自由の女神をイメージしたエメラルドグリーンの色が足されています。
 

↑将来の夢は画家?と思いきや、遺跡発掘をする人だったり、料理人やダンサーなど、夢はたくさんあるのだそう!
 

― 抽象画には太陽くんの経験がいきいきと描かれているんですね!最近はどんなことに興味を持っているの?
太陽:古銭です。お父さんのおじいちゃんが古銭を集めていたのが残っていて。今日も持っています。模様がかっこいい。金鯱にも興味があるから、金鯱の展示を見に行きたいです。
 


↑ポケットから古銭を出して見せてくれました!
 

↑名古屋みなと 蔦屋書店1階の個展会場には、太陽くんが影響を受けた本の選書コーナーも。「138億光年 宇宙の旅」や家紋の本、絵本など手に取れるようになっています。
 

↑名古屋みなと 蔦屋書店で個展を行うにあたって手がけたという新作。書店コラボらしい作品となるよう、洋書にドリッピングを。洋書に描かれた人物に関する本を読んで、イメージする色を組み合わせています。
 
― 今後はどんな絵を描いてみたい?
太陽:書道家が使うような大きな筆で、ものすごく大きな絵を描いてみたい。
 

― 三加さんは、太陽くんと一緒に挑戦したいことはありますか?
三加:ニューヨークで個展を開いてみたいです。また、今まで描いて手元にある600くらいの作品を、すべて展示してみたいですね!
 
抽象画を描くのは楽しい!と話す太陽くん。好奇心旺盛な太陽くんのいろんなものへの興味は尽きることなく、今後も多彩な抽象画を見せてくれそうです!

 
(文:広瀬良子)
 

New Report

2026-03-13

TOPICS

大量絶滅の謎に迫る!「大絶滅展―生命史のビッグファイブ」3/20(金・祝)~6/14(日)

世界中の研究者が解明に取り組んでいる生命史のビッグファイブの謎に迫る特別展「大絶滅展―生命史のビッグファイブ」が、2026年3月20日(金祝)~6月14日(日)に名古屋伏見の名古屋市科学館で...

2026-03-05

東海ムーブメント仕掛け人

名古屋の路地裏からZINE文化を発信!【Manila Books & Gift・桂井智彦さん】

近年、各地でフェスが開催されるなど、じわじわと注目を集めているのが、個人や少人数で制作される出版物「ZINE(ジン)」です。名古屋市の路地裏に店を構える「Manila Books &...

2026-03-04

HIROBAくんと行く

舞台裏から見る歌舞伎の魅力!岐阜・中津川の芝居小屋「かしも明治座」

2025年に大ヒットした映画『国宝』をきっかけに、生の歌舞伎を見たいと考えている人も多いのではないでしょうか。岐阜県中津川市にある芝居小屋「かしも明治座」の舞台裏ツアーが、舞台の仕組みを間近...

2026-03-03

TOPICS

親子で楽しめるマルシェ「らいおんの庭」3/14(土)

半田市の西部丘陵地にある緑豊かな公園・半田ぴよログスポーツパークで2026年3月14日(土)にマルシェ「らいおんの庭」が開催。珈琲やお弁当、花、刺繍、子ども服など多彩なジャンルの約50店舗が...

2026-02-28

TOPICS

240の窯元や産地が出展「やきものワールド in ポートメッセなごや」3/5(木)~9(月)

全国各地の職人技が集結!伝統工芸の粋を極めたやきもの職人たちが、こだわりの逸品を展示・販売する「やきものワールド in ポートメッセなごや」が2026年3月5日(木)~9日(月)まで開催され...
ハンドメイド,タフティング,体験,小川染色,一宮

2026-02-20

しょく育

繊維の街・一宮で色彩豊かなタフティング体験!伝統技術で染めた糸で描く世界にひとつのアートを

空前のハンドメイドブームの中、最近注目を集めている「タフティング」。 タフティングとは、タフティングガンと呼ばれる器具を使い、布に手芸糸を打ち込んで、オリジナルのラグやカーペット、タペ...

2026-02-12

HIROBAくんと行く

大河ドラマで注目!名古屋市中村区で豊臣秀吉・秀長ゆかりのスポット巡り

2026年1月にスタートした大河ドラマ『豊臣兄弟!』で注目の高まる名古屋市中村区。中村公園には「豊臣兄弟! 名古屋中村 大河ドラマ館」を中心とした複合施設「豊臣ミュージアム」が1月24日にオ...
ぎょうざ祭り,餃子,モリコロパーク,愛知,イベント

2026-02-07

TOPICS

餃子尽くしの1日を堪能!「全日本ぎょうざ祭り 春 in モリコロパーク」2/21(土)~23(月・祝)

東海エリアをはじめ、全国の人気餃子を一堂に集めた「全日本ぎょうざ祭り 春 in モリコロパーク」が、2026年2月21日(土)~23日(月・祝)の3日間、愛・地球博記念公園(モリコロパーク)...

2026-02-05

TOPICS

江戸時代から伝わる雛飾り「尾張徳川家の雛まつり」2/7(土)~4/5(日)

有職雛(束帯雛)江戸時代 貞徳院矩姫(尾張家14代慶勝正室)所用 徳川美術館蔵 春の訪れを告げる雛祭りの時期に合わせて、江戸時代から近代に至る尾張徳川家伝来の雛飾りが名古屋市東区の徳川美術館で...
やなせたかし,展覧会,アンパンマン,松坂屋美術館,イベント

2026-02-03

TOPICS

「やなせたかし展 人生はよろこばせごっこ」2/6(金)~4/5(日)

国民的テレビアニメ『アンパンマン』の⽣みの親・やなせたかしさんの初の⼤規模巡回展が2026年2月6日(金)~4月5日(日)に松坂屋美術館で開催されます。 「やなせたかし⼤解剖」「漫画」...

2026-01-28

TOPICS

古生物を身近に楽しむ「ポケモン化石博物館」1/17(土)~4/5(日)

人気ゲーム『ポケットモンスター』シリーズに登場するカセキから復元されるポケモン(以下「カセキポケモン」と呼ぶ)と、私たちの世界で見つかる化石や古生物を並べて紹介する展示会「ポケモン化石博物館...
pagetop
もくじ