ものづくりの出発点!工作機械を身近に楽しめる美濃加茂市の「ヤマザキマザック工作機械博物館」

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自動車や飛行機などを支えている、細かな部品の数々。それらの部品や金型を作るための“工作機械”メーカーで国内大手の1つが、愛知県大口町に本社のあるヤマザキマザックです。

とはいっても

工作機械って?

と、ピンとこない人もいるかもしれません。

今回は、機械マニアもそうでない人も“工作機械”を身近に楽しむことのできる岐阜県美濃加茂市の「ヤマザキマザック工作機械博物館」にHIROBAくんと潜入。

工作機械とは?から、職人さんに教えてもらう“モノづくり体験”まで楽しんできました。

もくじ

入口からは想像できない地下空間

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到着するとピラミッド型の建物が…

博物館は一体どこに?

と思いきや、ここが入り口なんだそう。そう、ヤマザキマザック工作機械博物館は、地下にある博物館なんです。

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エレベーターで地下2階に降りるとそこには広大な空間が。もともと工場として使われていた敷地の半分が博物館になっています。

また、地下1階からは階下にある工場を見学できるスペースも。さっそく地下2階の博物館から見学スタート!

部品が大切なパーツなんだと実感!

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そもそも工作機械とは、工業製品の部品を作るための機械のこと。金属や樹脂などさまざまな材料を切ったり削ったりと加工します。工業製品であるがゆえに正確性が求められ、その精度は1㎛(マイクロメートル)、なんと1/1000㎜。想像すらつかない単位です!

地下2階には、工作機械だけでなく、工作機械で作った部品を組み合わせて完成された工業製品(乗り物など)が一堂に展示されています。

一見地味に思ってしまいがちな工作機械や部品ですが、工業製品の重要なパーツを担っているのを目の当たりにするとなんだか感動してしまいますね!

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展示物の中でもひと際目立つのが「蒸気機関車(D51409号)」。北陸本線・山陽本線・山陰本線を実際に走っていた国民的機関車“デゴイチ”で、これを見に訪れる人も多いのだとか。

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運転室には、たくさんの計器やハンドル、石炭の投入口などがあって複雑ですが、その細かさとレトロな風合いにワクワクします。

ちなみに、機関車を走らせるには、操縦する機関士と、速度や状況を判断して石炭を入れる機関助手の2人が息を合わせることが大切。計器を見ながらたくさんのハンドルを操作するため操縦は複雑なうえ、助手も投炭をハイペースで続けなければならない大変な仕事だったそうです。

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1969年まで航空自衛隊岐阜基地で実際に使われていた「練習機(T6G)」も大迫力!

100年以上前の工作機械も

館内に展示されている工作機械はすべて実際に使われていたもの。なかには100年以上前の工作機械もあり、何十年も放置されていたのを、この博物館で展示するため、ヤマザキマザックの職人さんが長い年月をかけて一つ一つ磨き上げたそうです。

館内にあるすべての機械は、現在も実際に動くように手入れされているため、運が良ければスタッフさんに機械を動かしてもらうことができます。

100年以上前の機械が動くのを見られるのは貴重な機会ですね。

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現在の工作機械はプログラムによって動作の指示を出し、自動で素材の加工を行います。しかし数値情報を入力して動かす数値制御の工作機械が開発される前は、職人さんがハンドルやレバーで操作し、素材の加工を行っていました。

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こちらは約40年前に使われていた工作機械。テープの穴は動作の方向や速度がコード化されたもので、工作機械に読み込ませながら動かしていました。

コードは複雑で、何度見ても暗号のよう…

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現在はボタンを押すだけで細かい作業がスピーディーにこなせるように。工作機械の進化の過程にも感動です!

工場ではロボットが活躍

続いて、工場見学ができる地下1階へ。

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デジタル化が進んだ現代では、工場内で働くのは平均2~3人。プログラムを入力すれば、部品の製造から出来上がった工作物を運ぶまでロボットが行います。

熟練の職人技を体験

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工作機械には、加工される部品の精度が、その部品を加工する工作機械の精度によって決まる“母性原理”という特性があります。そのため、より精度の高い工作機械をつくるために、熟練した職人さんが「きさげ」という作業を施しています。

きさげ作業はわずか数㎛(1/1000mm)ずつ金属の表面を削り「平面」を生み出す、まさに職人技。こうした職人さんの精密な技が工作機械の精度向上を支えているのです。

ヤマザキマザック工作機械博物館では、きさげ作業を文鎮磨きを通して体験できるのだとか!

教えてくれたのは、現代の名工・加藤洋一さんです。

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ノミのような道具で、少しずつ文鎮の表面を削っていきます。平らに磨くだけなんて簡単かと思いきや、やってみると意外と難しい!

微妙な力加減や削るときの腕の動かし方など、だんだんコツが掴めてきたものの、なかなか完璧な平面とまではいきません。

きさげが終わった面は、ほかの面と比べると、模様がついているのに手触りがツルツルとしています。

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文鎮には、イニシャルや名前などを刻印することもできるので思い出づくりになりますね。

時代ごとに工夫された工作機械や工業製品を一堂に見ることで、工作機械はものづくりには欠かせないんだなぁと実感。

子どもから大人まで夢中になれるヤマザキマザック工作機械博物館にぜひ足を運んでみては。

(文:小寺雅)

ヤマザキマザック工作機械博物館
住所岐阜県美濃加茂市前平町3-1-2
営業時間10:00~16:30 ※最終入館は16:00まで
休館日毎週月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始
入館料大人500円、高校生・大学生300円、中学生以下200円、未就学児は無料
駐車場あり
アクセス東海環状自動車道「美濃加茂」ICより車で10分
TEL0574-28-2727

ヤマザキマザック工作機械博物館 公式サイト

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