編集部あさのです。心地よい気候の初夏は、ポタリングにぴったりです。自転車のおでかけは、気になるモノや店を見かけた時に気楽に立ち寄れることが魅力。今回は三重県桑名市へ行き、歴史を感じる風景や食べ歩きを楽しんできました!
桑名駅前の「桑名市物産観光案内所」レンタサイクルへ
JR・近鉄「桑名駅」前にある「桑栄メイト」1階の桑名市物産観光案内所にレンタサイクルがあります。ビルはレトロ感がたっぷり。
レンタサイクルは、普通自転車と電動アシスト付き自転車の2種類。今回は鮮やかなイエローがかわいい電動アシスト付き自転車にしました。サドルの高さを調節して、早速出発です!
桑名銘菓、安永餅で腹ごしらえ
駅前から少し南へ走ると、趣のある佇まいの店を発見。「安永餅本舗 柏屋」では桑名の銘菓「安永餅」が食べられます。袋なしは10円ほどお得です。
午前中は焼きたてが食べられるため、注文する人が途切れません。私も焼きたてをゲット! お餅の外側はパリっと香ばしく、やわらかい餅と餡のハーモニーに感動。店内ならお茶と一緒に食べられますよ。
三八市でにぎわう寺町商店街
東へしばらく走ると、立派なアーケードの「寺町通り商店街」がありました。
中はイベントの「三八市」でにぎわっています。毎月3か8のつく日(3・8・13・18・23・28日)に行われる、桑名市を代表する朝市です。
近隣で収穫された新鮮な野菜や果物、魚介類や乾物、お惣菜など、「桑名の台所」の名にふさわしく、多くの食材が並びます。
生産者の方から、おいしい調理法なども聞けます。
つやつやと瑞々しい新たまねぎを購入すると、おまけでみかんももらえました。このような温かい交流は、朝市ならではの魅力ですね!
寺町商店街で桑名の名物を食べ歩き
おいしそうな香りに惹かれて、佃煮の店「貝新フーズ」で「串蛤」を注文。生きた蛤を網の上で焼いてくれます。火であぶられた蛤はパクッ!と口を開き、中にはふっくらとした身が。身を串で刺して、甘辛いタレを絡めて焼き上げられます。
生きた蛤を香ばしく焼いた串蛤は、噛むほどに心地よい弾力と磯の旨味を楽しめます。
続いて屋台で大倉スーパーの「はまぐりカレーコロッケ」を購入。桑名の代名詞であるハマグリをカレー味で仕上げたコロッケは、カレーの香りと蛤の食感が不思議にマッチしておいしい!
桑名市のグルメと名産品を一堂に集めて販売する、「くわな まちの駅」。ここでしか買えない桑名市のキャラクター「ゆめ はまちゃん」のオリジナルグッズも販売しています。
アーケードの横に佇む「ゆめ はまちゃん」に見送られ、商店街を後にしました。
住吉入江の煉瓦塀と煉瓦蔵
川沿いを北へ進むと、住吉湾へと続く住吉入江があります。
古い屋敷やレンガの蔵など、ノスタルジックな風景の中、ポタリング。
「六華苑」の看板を見つけたので、中に入って観光してみましょう!
鹿鳴館の設計者が手がけた、国の重要文化財「六華苑」
六華苑は、山林王と呼ばれた桑名の実業家である二代目清六、諸戸清六の邸宅として、大正2年に竣工されました。当時の貴重な姿を留めた洋館と和館、蔵や日本庭園を見て楽しむことができます。
水色の外装が美しい優美な洋館は、4階建ての塔屋が特徴的。日本では見られない建築様式に異国情緒を感じます。新婚夫婦用に建てられたものなので、苑内の様々な場所にハートが隠されています。ぜひ探してみて!
当時の技術では珍しい、貴重な曲面ガラスです。
白く塗装された木造のサンルーム。日差しが明るい室内からは、庭が一望できます。
昔の旅行鞄の中には服が収納できる引き出しがあったんですね!持ち歩けるクローゼットのよう。
玄関の扉にはステンドグラス。シンプルながら洗練されたデザインです。
貴重な木材をふんだんに使った和館へ
洋館の端にある扉をくぐると、平屋造りの和館につながっています。主人や客人が使う畳廊下と、使用人が歩く板敷の廊下が並列する渡り廊下は、お屋敷ならではの造りです。
縁台からは、見事な庭を眺められます。
庭に出ると、洋館と和館が並ぶ不思議な造りが一望できます。六華苑は歴史を感じる優美な造りであることから、さまざまな映画の撮影に利用されているのです。
主庭園は池泉回遊式で、築造当時のまま。和館北側の内庭は茶匠、松尾宗吾の好みが加えられ、趣の違う景観になっています。
堤防からは木曽三川長良川河口場が一望
六華苑の隣には「住吉浦休憩施設」があります。ここでも自転車が借りられるようです。
堤防は見晴らしがよく、ポタリングにぴったり。
伊勢国一の鳥居「七里の渡跡」
しばらく走ると、檜でできた大きな鳥居が見えました。鳥居は20年に一度の式年遷宮ごとに伊勢神宮宇治橋外側の大鳥居を貰い受けて建て替えられる、由緒ある鳥居です。ここは「七里の渡跡」と呼ばれ、交通の要所だった江戸時代は多くの人でにぎわった船着き場。船で海を七里(約27.5km)渡ると、名古屋市熱田区の「宮の渡し」に着きます。
東海道を行き交う人々にとって、かつては桑名のシンボルだった蟠龍櫓(ばんりゅうやぐら)です。
食品メーカー「柿安」の本店がありました。店内にはおいしそうなお惣菜やパン、生鮮食品などが並びます。
木曽三川長良川河口場を望む、堤防の道
堤防沿いの道は、広大な木曽三川を眺めながら走ることができ、爽快です!
堤防沿いには漁業複合施設「はまぐりプラザ」が。「食堂はまかぜ」では、桑名の蛤をリーズナブルに味わうことができます。
展望デッキからは、木曽三川やたくさんの漁船など、漁港ならではの景色が見えます。
「クイーンズスープカフェ」でランチタイム
ブラックの外装が目を引く、スタイリッシュなスープカフェ「クイーンズスープカフェ」。伊勢湾産のあおさ海苔の風味が豊かな「じゃが芋と明太子のポタージュ」をチョイス。
2種のパンと本日のデリカが付くスープセット。豚しゃぶのサラダには黒オリーブやバルサミコソースが使用されていて、とってもおいしい!
続いてデザートもオーダー。「キャラメルクリームフレンチトースト」は、カリッと香ばしく焼かれた温かいデニッシュに、キャラメルクリームとバニラアイスが見事に調和! テラス席で風に当たりながら、ニューヨークスタイルのひとときです。
「寿恵広(すえひろ)」のアイスまんじゅう
大正12年創業の和菓子店「寿恵広」へ。昔ながらの氷菓「アイスまんじゅう」を今も作り続ける老舗店です。
一本購入。よく冷えているため、食べごろは5~10分後とのこと。待ち遠しいです。
線路沿いを桑名駅に向かって走ります。近鉄名古屋線とJR関西線、三岐鉄道北勢線の3線が並行して走っているため、日本で唯一「3種類の幅」の線路が見られるのだとか。
「桑名市物産観光案内所」に自転車を返却
物産観光案内所に返却します。
電車に乗るまでに、ほどよく柔らかくなったアイスまんじゅうをいただきます!棒付きのアイスミルクには十勝産の小豆がぎっしり。やさしい味わいに、疲れた体が安らぎました。
桑名駅からスタートした、三重県桑名市のポタリングはいかがでしたでしょう。歴史的な建造物や名所の数々、老舗店のスイーツやグルメの食べ歩き、また人の温かさにもふれられた充実した時間となりました。走行距離は約9km。気軽に走れる距離なので、天気の良い休日にぜひ出かけてみて。