2021年に本イベントへの出店を皮切りに、2023年11月には自らがテーマ性をもたせた本イベント主催を果たした“架空の本屋”こと「美鶴堂(びづるどう)」。どんな人たちが、どんな思いで活動しているのか、美鶴堂メンバーの1人である二村有香さんにインタビューしました。
美鶴堂
「できれば家でずっと読書だけしていたいけれど、好きな本を好きなだけ買えるように社会に出ています」そんな1993年生まれの3人が営む架空の本屋。お話を聞いた二村さんは本棚に囲まれた部屋に住んでいるそうで、好きな作家はくどうれいんさんと俵万智さんだそうです。
始まりは、円頓寺のイベント「本のさんぽみち」の出店だったそうですね。
二村さん(以下、敬称略):普段よく本の話をしているような1993年生まれの友達3人なのですが、「本のさんぽみち」がコロナ明けで復活するタイミングで出店してみようかって話になったんです。
なぜ“架空の本屋”なのですか?
二村:3人とも普段はフルタイムで働いているんです。
フルタイムで仕事しながら、イベント出店だけでなく主催まで果たしたのですね!「本が好き」という気持ちが原動力になっているんですか?
二村:本が好きで、本好きの輪を広げていきたいっていう気持ちもあるんですが、本って「静かな人が読む」みたいなイメージがあるじゃないですか。読むことや書くことが、おしゃれですてきなイメージになるといいなと思いながらやってるんです。
なるほど!イベントでは本を手にフィルムスナップ撮影をして、インスタグラムにも投稿されていますよね。おしゃれだし、明るいイメージです!
二村:バッグや小物のような感じで、本と服の掛け合わせもおもしろいんじゃないかと。ハッシュタグ「#beezelpeople」で投稿しています。
主催した2023年11月25日のイベント「OMNIBUS」(場所:一宮駅前銀座通り)でも、本とさまざまなジャンルの掛け合わせが楽しめる内容だったそうですね。
二村:「ものがたり」をテーマにして、本だけじゃなく、コーヒー、服、おやつ、ビール、音楽、そして来場者の皆さん自身の「ものがたり」が集まり、掛け合わさることでより魅力が増すようなイベントを企画しました。
二村:出店した書店さんに「本を読みながら聴きたい曲」を選曲してもらって音楽ブースで流したり、飲食ブースでは本にビールやワインをペアリングしてもらったり。お子さん向けの絵本読み聞かせコーナーや似顔絵も人気でした!また、ブックカバーや栞のような、読書アイテムに思い入れがあるとより読書が楽しくなるんだなぁと思ったのも発見です。
本や読書という枠を超えて、いろんな楽しみが散りばめられていますね。普段、出店者としてイベントに参加するときも、本や読書への興味喚起のフックはいろいろ考えているんですか?
二村:本を手にとってもらうきっかけになればと、「抜粋文庫」というのを作っています。本の中でいいなと思ったフレーズを抜粋して、ブックカバーにしているんです。毎回50冊ぐらい用意するんですが、よく売れますね。
二村:ほかに「セリフガチャガチャ」というのもあって、カプセルの中に本やマンガでいいなと思ったセリフを入れているんです。並んでいる本や雑誌からカバーで選んでいく人もいるし、この前は自分の生まれた年・月に出版された本を買っていった人もいました。
お客さんとのおしゃべりも楽しんでいらっしゃるそうですね。
二村:本の話をただおしゃべりして帰ってもらうでも全然いいと思ってるんです。本はどこでも買えるし、美鶴堂で買ってもらわなくてもOK。本を売るというより、「読書」を楽しむきっかけ作りをして、本好きの輪を広げていきたいんです。
12月23日(土)~25日(月)には名古屋パルコでPOP UP出店されるとか。
二村:西館の正面入口横で開催される「Utopian Holiday Market」に出店します。クリスマスにちなんだあれこれを企画しているので、ぜひ遊びに来てください!
場所 | 名古屋パルコ西館・正面入口横 (愛知県名古屋市中区栄3-29-1) |
日程 | 12月23日(土)~25日(月) |
時間 | 11:00~18:00 |
内容 | ふわふわ、きらきら、ゆらゆら… ユートピアのようなホリデーシーズンにぴったりの、自分や誰かに贈りたくなるプレゼントが見つかるマーケット。 |