伊勢の神様に見守られて。「伊勢パールピアホテル」女性のための滞在型リトリートプログラム

伊勢神宮からも近い「伊勢パールピアホテル」で、女性の専門家チームが企画した女性のための滞在型リトリートプランが2024年6月に登場。伊勢神宮に参拝して帰るだけでなく、神の宿る地で自分の心に向き合う滞在とは、一体どのようなものなのでしょうか。

立ち上げの中心となった伊勢パールピアホテル総支配人の覚田満里さんと、中医学に基づいた独自のウェルネスリトリート健康法を持つ小池美枝さんにインタビュー。どのような思いで立ち上げたのか？どんなプランなのか？気になる話を聞きました。

女性のための滞在型リトリートプログラムとは、どのようなことをするのですか？

覚田さん（以下、敬称略）：中医師の小池さんをはじめ、セラピスト、産婦人科医、ヨガインストラクターなど女性専門家チームで作ったプログラムで、呼吸法やリフレクソロジー、ウィスキング、トリートメント、ヨガ、食事、伊勢神宮参拝などを通して、心身のバランスを整えていきます。小池さんが3年かけて開発した中医学に基づくオリジナルウェルネスプログラムがベースになっています。

小池さん（以下、敬称略）：妊娠を望まれている方のための「ウェルネスリトリート ムスビ®」と、年齢問わず本当の自分をみつけ、ありのままの自分らしさで生きていきたい女性のための中医フェムケア「ウェルネスリトリート アマテラス®」がありますね。5日間で胃腸の細胞が生まれ変わると言われているので、できれば６泊７日でリボーンして帰っていただきたいのですが、そんなに休みがとれない方もいらっしゃると思うので、３泊４日のショートコースも作りました。

（取材時はちょうど始まったタイミング）さっそく参加者さんもいらっしゃってますね！

小池：今日で3日目なのですが、すでに顔色が変わったなと感じる方も。あと、本人も無自覚だと思いますが、声にハリが出て、トーンが上がっていますね！気の状態が良いということなんです。毎回食事の後に体が温かくなるという声も聞き、ちゃんと体が反応しているんだなとうれしくなります。

覚田：食事は朝晩、小池さんが献立を考えて、調理してくださっているんです。またCooking Classでは、自宅に帰ってからも、日々の食事に取り入れていただきやすいメニューで小池先生のYakuzen retreat®の考え方をお伝えしています。

小池：薬膳では食べちゃいけないものはないし、塩も本物の海塩は使っていい。制限はないのですが、素材は良いものを使っています。良いものとは高級ということではなくて、そこに命があるかどうか。命あるものから命をいただいて、自分の命に移しかえるというのが私の考え。また、電子レンジは使わず、添加物が入っている食材は避け、ごはんは土鍋で炊いています。先程もお伝えしたように、５日間で胃腸の細胞が生まれ変わることも含めて、脾胃＝消化力がとても大切です。せっかく効能のあるもの、命のあるものをいただいても、消化ができなければ「気」や「血」になりません。すなわち、元気の「気」がつくられないということです。５日間の食事はきちんと消化ができ、「気」になり・「血」になるところをサポートするプログラムにしています。

小池：今からちょうど、セルフライティングが始まるところです。自分の内なる感情がどういうものか書き出してもらいます。呼吸においても吸ったら吐かないといけないのと同じで、気持ちも抱えているばかりでなく、吐き出さなければいけないんです。

たしかに、そうお聞きすると腑に落ちます。

先ほどは、サウナでウィスキングプログラムを見せていただきました。サウナ室で女性がウィスク（白樺やオークの枝葉を束ねたもの）に覆われていて…！初めて見たので衝撃的でしたが、幸福感に包まれた顔をされているのが印象的でした。

覚田：「ゆるめて、温めて、巡らせる」というのが根底にあります。サウナ室では尾鷲産のヒノキを使用しているので、ヒノキの香りがリラックスとリフレッシュを助けますが、ウィスクで身体を叩いたり、なでたりしながら血行を促して温めるので、ウィスクの香りに包まれて、相乗効果で疲労感やストレスを緩和します。サウナ室は75度程度で暑過ぎず、心地いい温度に調整しています。

覚田：そして、水風呂と屋外チェアでのリラックスの温冷浴を繰り返します。私も体験しましたが、本当に滞った気がスーっと流れていくようで、心身ともにスッキリ！した状態に。植物のいい香りで、森の中にいるかのように癒されます。

サウナ室には窓があって、電車が走っていくのが見えるのもいいですね！

ちなみに、なぜ滞在型リトリートプログラムを立ち上げようと考えたのですか？

覚田：伊勢神宮には遠方からもたくさんの人が訪れますが、参拝だけで帰ってしまう人がほとんど。伊勢神宮には外宮、内宮を含めて125社もありますし、滞在してもっとゆっくり楽しんでいただきたいという思いはずっとありました。伊勢神宮に訪れる方は、お礼だったり祈りだったり、なにか心に“想い”をお持ちになっていらっしゃる方が多い。だから、日帰りや１泊ではなくて、もう少し長く滞在していただいて、自分にゆっくり向き合う時間を持てるような提案ができたらいいなと考えていたんです。そんなときに小池さんと運命的な出会いをしました。

小池：私は、今はウェルネスツーリズムプロデューサーという肩書きで仕事をしていて、50歳近くになってから国際中医師の資格をとりました。それまでは外資系の企業でPRの仕事をしていて、メディアの方向けに、ヨーロッパを中心にいろんな滞在プログラムを企画していたんです。ヨーロッパの人は自分と向き合う時間を大事にしていて、年に１回は１～２週間お休みをとって、自分のために過ごします。いつか日本で、そういう自分のために過ごす旅の提案ができたらいいなと思っていて、国際中医師の資格をとったときに、自分なりのウェルネスメソッドを立ち上げました。ただ私には場所がないので、共感してくださる方がいないと実現できないと思い、EXPOに出展し、覚田さんと意気投合したんです。

覚田：なんか共鳴するものがあってね。

小池：ホテルの支配人は、やっぱり経営のこと、数字を追っていかなければいけない立場ですが、覚田さんはそれだけでなく気持ちの部分が温かい。そこが今回のプログラムの実現につながった部分でもあるし、最大の魅力だと感じています。

小池：中医学の観点でいうと、体や心の不調は何かがアンバランスになっているのが理由。ここで過ごすうちにいろんなことが少しずつ調整されていって、帰るときにはバランスが整っている……そんなプログラムに仕上がっています。産婦人科医にも企画に入ってもらっているので、西洋医学の観点からもアプローチできるのも魅力です。原因療法、対処療法、どちらも大事ですから。

とくに、どんな方に来ていただきたいですか？

覚田：自分のなかに、何か見つめ直したい、自分と向き合いたいという気持ちが少しでもある方にぜひ体験していただきたいです。スタッフは女性ばかりで、みなさん温かい心の方ばかり。そして、伊勢は何と言っても太陽の神様のいらっしゃる地域。第二の実家だと思って、ゆっくり心身を整えに来ていただけたら全力でサポートしたいと思っています。

小池：悩んでいる方の中には、本当はすごく恵まれた環境にいるのにそれが見えていなくて、「どうして私ばっかり」という思考に引っ張られてしまっている人もいるかもしれません。少し肩の力を抜いて深く呼吸してみると、いろんな気づきがあると思います。ここで１週間過ごすことで、ご自身の持っているいいところや自分らしいところが引き出されることを願っています。誰かに幸せにしてもらうのではなく、「自分が幸せになる」と決めて来ていただけたら、わたしたちチームが全力でサポートさせていただきたいと思っています。