
面積の9割が森林に覆われた岐阜県白川町。なかでも有機農業に力を入れて取り組んでいる黒川地区で、「遊ぼう、飲もう、里山で。」をコンセプトに、クラフトビールの醸造をはじめ、農業体験や里山のアクティビティなどを展開している「農LANDBEER(ランドビール)」。2012年に白川町黒川に移住して事業を始め、2023年よりクラフトビールの醸造をスタートした農LANDBEERオーナーの児嶋健さんに、想いや将来の展望などお話を伺いました。
児島 健さん
妻と子ども3人と2012年に白川町黒川に移住。「農と食と人をつなぐ」というビジョンを掲げて活動し、2023年よりクラフトビールの醸造を開始。ビールを楽しむイベントをはじめ、沢登りや農業体験、キャンプなどのアクティビティ事業にも尽力。

白川町黒川に移住しようと思ったのはなぜですか?
児嶋さん(以下、敬称略):もともと自然遊びが好きで、地域の人と関わるなかで、都会と田舎では働き方も考え方も全然違うと感じたんです。自分自身、暮らしにもっと力強さというか、主体性を持って、たとえば食べるものを自分でつくってみるとか、そんな生き方をしたいと考えていました。今は、都市と農村がわかれすぎていて、食における生産と消費も対比していて。もっと、ごちゃ混ぜになって、グラデーションが緩やかになれば、いろんな社会問題が解決できるのかな、とも。それらを実現できるようなコミュニティをつくりたいと思ったのがきっかけです。

児嶋:いろいろ調べていたら黒川地区が地域ぐるみで有機農業に取り組んでいることを知り、飛び込みで教えてもらいながら、この場所でスタートしました。

初めはどんな軸でスタートしたんですか?
児嶋:「農と食と人」をつなぐという思いは初めから持っていて。でもそれ以外は、成り行きというか、その時々で肉付けしてきました。都市と農村をつなぐコミュニティがまだまだつくれていないな、とも感じていて。もっとつながりを強くしていけるような仕組みをつくっていきたいです。
お客さんはどんなことを求めてここを訪れるんですか?
児嶋:名古屋から来る人が圧倒的に多いのですが、シャワークライミングやバーベキュー、キッズキャンプや親子キャンプが人気です。シャワークライミングは6月下旬から9月半ば頃まで。バーべキューは5月から始まります。キャンプでは畑で収穫したものでごはんをつくったりするような体験なのですが、リピーターが多いですね。

普段なかなかできない田舎の自然体験が、子どもたちの心に残っていくといいですよね
児嶋:そうなんです。また、農業おもしろいし、かっこいいじゃん!って興味を持ってもらえるとうれしいですね。
今はどんなメンバーで運営されているんですか?
児嶋:最初は家族でやっていたのですが、2022年にクラフトビールの醸造をはじめるタイミングで1人が入り、法人化しました。ほかに農業時期だけ手伝ってくれるメンバーや、ニューヨークとの2拠点で夏だけ手伝ってくれるメンバーもいて、スタッフ6人で農園・醸造所を運営しています。

クラフトビールはどんな種類があるんですか?
児嶋:白川町は有機農業の里。まち全体で水質が保たれているなかで、源流に近い水を使っています。現在は、定番で6種類ほど。ほかに季節のフレーバーを使ったビールなども醸造しています。
ロゴは頭文字の「N」が逆さまに!?
児嶋:「N」を逆さまにしたのには、「農業のイメージをひっくり返す」という思いを込めています。とにかく「辛い、厳しい仕事」と思われがちな農作業から発想を一転させ、「楽しくて明るい農業」をイメージしてもらいたいという想いからデザインしました。農(NO)をYES(ポジティブに!)という挑戦を宣言するロゴになっています。ちなみにロゴは畑の土で描いているんです。

タップルームもあるんですね!
児嶋:タップルームでイベントも開催しています。ここで、有機栽培で育てたものを食べて、ビールを飲んだり。農業体験をして、食事をつくって、ビール片手にみんなで食べたり。みんなでワイワイビールを楽しむ時間が好きですね。

今後についてはどんな思いですか?
児嶋:「農と食と人」という軸はぶれずに、やっぱり自分たちがおもしろがってやっていけるのが1番大事だなと思っています。農村地域はどこも抱えている課題は一緒だけど、いくら考えても解決方法はわかんないんですよ。だから、住んでいる人が楽しんでいるっていうのが、1番人が集まってくれるんじゃないかな。























