
名古屋・大須に2025年10月23日に誕生したミステリー専門書店「謎解き生活」は、全国でも類を見ない個性派書店として注目を集めています。東海エリア最大級の専門書店として、話題の新刊から貴重な古書まで国内外のあらゆるミステリー作品が充実。今回は、書店員おすすめのミステリー小説3冊を紹介します。
「謎解き生活」のコンセプトは、本を読むだけでなく“謎を体験する”こと。店内を周遊しながら謎解きに挑戦するオリジナルイベントなど、ここでしか体験できない見どころも満載です。
謎解き好き必見、おすすめの本3冊
『殺しの双曲線』(講談社文庫)著:西村京太郎

差出人不詳の招待状によって、東北の山荘に集められた6人の男女。彼らの到着後、深い雪に囲まれ陸の孤島と化した山荘で、連続殺人事件が起こります。一方で、全く別の場所で起こった連続強盗事件が並行して描かれ、関連性の見えない2つの事件が物語を進めます。
本の表紙で「この推理小説のメイントリックは、双生児であることを利用したものです。」とメイントリックが大胆に明かされているにも関わらず、巧妙な構成とストーリー展開に終始ワクワクすること間違いなし。
アガサ・クリスティの名作『そして誰もいなくなった』のオマージュとなっており、合わせて読むとさらに一段深く物語を楽しめます。
『クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い』(講談社文庫)著:西尾維新

絶海の孤島に集められた5人の「天才」たちと、主人公の「ぼく(いーちゃん)」。突如発生した首切り殺人事件を巡って、読者を翻弄する予測不能なストーリーがハイスピードで繰り広げられます。
最初から最後まで独特な言葉遊びや台詞回しが炸裂する西尾維新ワールド全開なデビュー作。一方で、逃げ場のない孤島で主人公一味が殺人事件に巻き込まれ、立て続けに起きる不可解な現象によって不穏な空気が高まっていく様子はまさに王道ミステリーな展開。登場人物たちのユニークな会話劇や奇抜な人間模様を楽しみつつ、終盤では怒涛の勢いで謎が解き明かされていく様子に目が離せません。
『イノセント・デイズ』(新潮社文庫)著:早見和真

放火事件により死刑判決を受けた主人公・田中幸乃。物語が進むにつれて、事件の真相が関係者たちの回想によって少しずつ明らかになります。そこには報道や世論によって作られた凶悪犯とは全く別の姿があり、彼女の人生に潜む孤独と真実が浮き彫りになっていきます。
メディアが生み出す差別や偏見を痛烈に描き、「イノセント(無垢)」とは何かを問う社会派ミステリーの本作。読者自身の考え方や人生観が強く深く揺さぶられること間違いなしです。
あらゆる角度から“謎を体験できる”個性派書店
地下鉄鶴舞線「大須観音」駅から歩くこと約6分。大須観音通りの入口から商店街を少し進むと、遠くからでも目を引く店舗の入口が見えてきます。
レトロな洋館を思わせる入口の周囲には、事件現場を思わせるマネキン人形があちこちに置かれ、壁には無機質な鉄骨風の装飾と意味ありげな時計。映画のセットのような外観は、現実の街並みに突如現れたミステリー世界への入口を思わせます。

店内に入ってまず目を引くのは、入口正面に設置された店内の立体模型。「謎解き生活」を初めて訪れる人でも、レイアウトや全体の構成がひと目で把握できるようになっています。

店舗はビルの2階分を使った広々とした造りで、所蔵されているミステリー関連書籍は約1万5千種類という専門書店としては異例の規模。国内の名作から海外作品まで幅広く揃い、長く読み継がれてきた古典作品と近年話題の新刊に同時に出会える空間となっています。
これらの膨大な蔵書がテーマごとに13のACTに分かれて配置され、1階から2階へと順路が設定。ホラー、恋愛、青春などのジャンルごとに巡り、ミステリーの世界にどっぷりと浸れます。

セクションごとにそのジャンル愛の強い書店員が割り当てられており、選書からポップの作成までを一貫して手掛けています。棚全体に個性がにじみ出ている点も見どころ。声をかければそのジャンルの話がいろいろ聞けそうです。


手書きのキャッチ―なポップから中身のミステリーを想像する「ブラインドブック」のコーナーを発見!

本棚の途中にはところどころ休憩スペースがあり、物語の余韻に浸りながら一息つける空間となっています。

コミュニケーションで本と人と街をつなぐ体験型書店
「謎解き生活」を運営するのは、京都に本社を構える健康食品メーカー「わかさ生活」。これまで商品開発を通じて人々の生活に寄り添ってきましたが、2025年からは“本”を通じた新たな文化発信にも力を注いでいます。名古屋市内では、絵本をテーマにした「えほん生活」や恋愛をテーマにした「初恋生活」と、専門書店を相次いで立ち上げ、それぞれ異なる読書体験を提案。
「謎解き生活」では“謎を体験する”というコンセプトのもと、さまざまなオリジナルイベントが開催されています。特に注目なのは、周遊型の謎解きゲーム「WAKASA Mystery Letter」。店内を歩きながら謎解きに挑むことで、物語の主人公になったかのような体験ができます。
ゲーム難易度は、初級者編「キンダンの青」と中級者編「ユウワクの赤」の2種類があり、謎解き初心者からコアな謎解きファンまで楽しむことができます。

姉妹書店「えほん生活」「初恋生活」と連携し、3店舗を巡る謎解きイベントも。街を移動しながら、それぞれの書店で異なるテーマの世界観に触れることができます。
本と人と街を結ぶ新しい形を体現した書店「謎解き生活」。ミステリーファンをはじめ、謎解きに興味がある人は、ユニークな世界観を味わってみては。
| 住所 | 愛知県名古屋市中区大須2-18-8 |
| 営業時間 | 10:00〜19:00 |
| 定休日 | 不定休 |
| 駐車場 | なし |
| アクセス | 地下鉄鶴舞線「大須観音」駅より徒歩約6分 |
| 問い合わせ | TEL 052-265-8699 |




















