コーヒー片手に植物を楽しむフラワーショップ「ns komonokaen(エヌエス コモノカエン)」が三重県菰野町に2023年3月にオープン。「お花を魅せる・お花を見る・お茶をいただく」をコンセプトにしたこちらの店舗を手がけたのは、世界的に有名な花匠の佐々木直喜さんです。さっそくHIROBAくんと出かけてきました!
コーヒーを味わいながら植物を楽しむ
近鉄菰野駅から車で5分ほどの距離にあるエヌエス コモノカエン。広々とした敷地に2棟の平屋の建物がL字に開かれ、つい覗いてみたくなるような造りになっています。
公道を挟んで右手の建物は観葉植物とコーヒータイムを楽しめる空間。
陽の光や、柱や屋根などの木の温もり、植物の緑あふれる空間に、心地よさを感じ長居する人も多いそう。オープン以来、若い女性やファミリー層が訪れているようです。
カフェスペースではシンボルツリーのサルスベリに目を奪われます。ホワイトの壁がキャンバスの役割を果たし、照明によって作られる影までもアートのようです。
エヌエス コモノカエンで味わうなら、人気の「NS オリジナル ローズコーヒー」(680円・税込)。ハンドドリップで淹れてもらえます。バラのエキスを凝縮したコクのあるコーヒーに、生花をトッピング。バラの芳醇な香りがふんわりと広がります。
そのほか、オリジナルブレンドのハーブティーも人気です。
感性を揺さぶる鮮やかな生花
もう一方の建物に足を踏み入れると、色彩豊かな空間に目を奪われます。ここでは四季に合わせたお花から、他の店舗では目にしないような珍しい植物まで取り揃えています。
多様なラインナップとそのセンスに、目利きのよさを感じるはず。一輪だけでもラッピングをしてもらえるため、自分用に買って帰る人も多いそう。
こちらの建物ではワークショップやお花の教室も開催。佐々木さん指導によるお花教室だけでなく、アレンジメントやお花とアロマの教室などもあります。初心者から経験者まで、参加できます。気になる人は、お店のインスタグラムをチェックしてみて。
2010年から約5年にわたって家庭画報の表紙の花を担当し、伊勢志摩サミットの空間装花を手がけたことで有名な佐々木さんは、33年前から向かいの店舗で2代目としてフラワーショップ「こもの花苑」を経営。
多くのお客さんが佐々木さんのお花のレッスンを受けに来るなか、もう少し広いスペースで対応したいと思っていたそう。そこで、以前からイメージしていたお店をつくりたいと一念発起。佐々木さんは「やらない人生より、やった人生の方が楽しいはず」と語ります。
「お花はなくても生活できますが、生まれてから死ぬまで欠かせない存在。お祝いやプロポーズなど、大切な時期に、人の心の助けや支えになります。だからこそ、そんなお花を愛でる空間や時間を作りたいと思った」と佐々木さん。
表現者としてどのようにお花を魅せるか、どうやって光を当てるか、風を通すかと考えて試行錯誤した店舗は、まさにお店全体が花や植物を生かしたアートのようです。
自然の中で不自然を楽しむ
人の手が加えられた街や建物という“不自然”の中で自然の美しさを楽しめる場所がエヌエス コモノカエンであるなら、佐々木さんにとって“自然”の中で不自然を楽しむ場所が店舗から車で約10分ほど離れた森の中に佇むアトリエ。
佐々木さんにとって原点回帰できる場所であり、手入れされていない自然な美しさが作品のアイデアにつながることがあるそう。
お花を「生けることは生かすこと」。佐々木さんは「エヌエス コモノカエンも生きる器。人が来てくれることで、植物が生きる空間だと思います。より多くのお客さんに来てもらえたらうれしいです」と語ります。
「肉体は退化するが、精神は進化する」そう語り、これまでも花の世界で数々の革命を起こしてきた佐々木さんの挑戦、これからも楽しみですね。
(文:武富由夏)
住所 | 三重県三重郡菰野町宝永台31 |
営業時間 | 月曜~土曜 9:30~19:30 日曜 9:30~18:00 |
定休日 | なし |
駐車場 | あり |
アクセス | 近鉄「菰野」駅より車で約5分(徒歩で約15分) 新名神高速道路「菰野」ICより車で約5分 |
TEL | 059-393-1351 |