日本初公開の作品がなんと約半数! 名古屋市美術館で開催中の『至上の印象派展 ビュールレ・コレクション』へ

名古屋市美術館

 

7月28日より、名古屋市美術館にて「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」がスタートしました。
印象派って何?どんな作品なの?とあまり美術に興味のない人でも、雑誌や本で見たことがあるような作品が多く出展されています。今回は絵画を楽しみに、HIROBAくんと名古屋市美術館へ。
 

HIROBAくん:「ところで印象派って??」
印象派というのは、19世紀後半のフランスに発した絵画を中心とした芸術運動のこと。有名な画家でいうと、モネやマネ、ルノワール、ドガなど。特徴といえば、小さくても薄くても目に見える筆のストロークや、構成としては空間、時間による光の変化、人々の日常が描かれている作品が多くあります。
 

そんな印象派の作品を心の拠り所として収集していた、実業家のエミール・ゲオルク・ビュールレ。生涯の中で集めた作品はなんと約600点。彼の死後、コレクションは邸宅の隣の別棟に開いた個人美術館で一般に公開されていましたが、2008年、強盗窃盗団に今回の展覧会のメイン作品のひとつでもあるセザンヌ「赤いチョッキの少年」など4点が強奪されてしまったのです。その事件後に美術館は閉館となり、エミール・ゲオルク・ビュールレが収集した“ビュールレ・コレクション”は日の目を見ることはなくなってしまいました。
 

実は“ビュールレ・コレクション”は、2020年頃にチューリッヒ美術館に移管されることが決まっていて、移管された後は海外へ貸し出すということが難しくなる可能性も。ということはつまり、“ビュールレ・コレクション”が日本でまとまった形で見られるのは、今回が最後かもしれないのです。
 
HIROBAくん:「最後!!!」
「さっそく絵を見ていこう、HIROBAくん♪」
 

ピエール=オーギュスト・ルノワール「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)」
1880年 油彩、カンヴァス 65×54cm
©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland) Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)

 

裕福な銀行家ルイ・カーン・ダンヴェール伯爵の長女、イレーヌを描いた作品です。
この少女、何歳に見えますか?
大人びているけれど、実はまだ8歳なんです。
栗色の豊かな髪と背景の茂みが彼女を大人っぽく見せるのでしょうか。
 

ポール・セザンヌ「赤いチョッキの少年」
1888-90年 油彩、カンヴァス 79.5×64cm
©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland) Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)

 

この作品、何か変だと思いませんか?
HIROBAくん:「あれ?右手が少し長い?」
 

そう、右腕が妙に長く描かれているんです。セザンヌの絵画はこのように実物を少し崩した作品が多く、生前は批評を浴びることもあったと言います。ところが彼の死後、実物どおりではなく絵画全体のバランスを考えた作品が評価されるようになり、今日に至ります。
 

クロード・モネ「睡蓮の池、緑の反映」
1920-26年 油彩、カンヴァス 200×425cm
©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland) Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)

 

今回の展覧会のメイン作品のひとつ。絵の具を幾層にも重ねて、さまざまな緑や青の色で睡蓮の池の奥深さが表現されています。モネの睡蓮は世界中の多くの芸術家に影響を与えたと言われています。
 
裏話ではありますが、クロード・モネ「睡蓮の池、緑の反映」を中心に、今回の「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」名古屋展の展示構成が決まったといっても過言ではありません。名古屋市美術館では、大規模な展覧会は通常1階に入口があり、1階から2階へと導線がつくられていますが、この「睡蓮の池、緑の反映」は高さ2m×幅4mの大作であるため2階に運び込むことができない。しかし展覧会の最後のトリとして展示したい…。ということで、2階から1階に向けて導線がつくられ、1階が出口となっています。

HIROBAくん:「クイズ形式になっているジュニアガイドは、親子で絵画を楽しむきっかけになるね♪」
 

「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」は9月24日(月・振休)まで。有名作品が多く揃うこの機会に、のんびりと絵画鑑賞はいかがですか?
(文:安井潮香)

 
 
 

New Report

2026-05-05

東海ムーブメント仕掛け人

「農と食と人をつなぐ」をビジョンに里山体験やクラフトビールを展開!岐阜県白川町【農LAND BEER・児嶋健さん】

左より農LANDBEERオーナーの児嶋健さん、スタッフで醸造・広報担当のKEITAさん 面積の9割が森林に覆われた岐阜県白川町。なかでも有機農業に力を入れて取り組んでいる黒川地区で、「遊ぼう、...

2026-05-03

TOPICS

郡上おどりデビューや親子におすすめ!「郡上ODORI 2026」5/16(土)、31(日)

7月中旬から9月上旬にかけて約30夜開催される日本三大盆踊りの1つ、岐阜県郡上市の「郡上おどり」がこのエリアでは有名です。そこで、郡上おどりデビューしたい人や、名古屋近郊や岐阜市近郊で手軽に...

2026-05-01

FEATURE

新緑の豊田市・足助散策!森林浴と古い街並み、地元グルメ巡りで心と体を癒す旅

豊田市足助町は、かつて信州(長野県)への中継地として栄えていた宿場町。そして、全国的に知られるもみじの観光名所・香嵐渓がある町です。初夏の香嵐渓は約3,000本のもみじに青々とした葉が芽吹き...
ピーナッツ,チャーリーブラウン,スヌーピー,トムエバハート,イベント,名古屋

2026-04-29

TOPICS

悩める人の心に寄り添うアート「トム・エバハート展」5/8(金)~10日(日)

スヌーピーの生みの親であるチャールズ・M・シュルツが、スヌーピーをはじめとする『PEANUTS™︎』キャラクターを使ってアートを表現することを世界で唯一認めた画家、トム・エバハ...
珈琲回遊,半田,珈琲,イベント,半田赤レンガ建物

2026-04-24

TOPICS

20店以上の珈琲を飲み比べ「珈琲回遊」4/29(水・祝)

東海エリアのコーヒーショップやバリスタが20店舗以上集まり、コーヒーの飲み比べやペアリングスイーツ・フードを楽しめるイベント「珈琲回遊」が、2026年4月29日(水・祝)に半田市の半田赤レン...
ムーミン,トーベとムーミン展,名古屋,松坂屋美術館

2026-04-18

TOPICS

トーベ・ヤンソンの創作世界「トーベとムーミン展~とっておきのものを探しに~」4/25(土)~6/14(日)

『ムーミン』小説の出版80周年を記念した展覧会「トーベとムーミン展~とっておきのものを探しに~」が、2026年4月25日(土)~6月14日(日)に名古屋・栄の松坂屋美術館で開催されます。 ...
カレー,イベント,スパイスカレー,名古屋,食べ比べ,人気店

2026-04-16

TOPICS

バリエ豊かなカレーを堪能「TOKAI カレーなるフェス」4/29(水・祝)~5/4(月・祝)

近年人気のスパイスカレーをはじめ、愛知・岐阜・三重の有名カレー店、他エリアのカレーイベントの人気上位店など、30店舗以上が出店する中部地区最大級のカレーの祭典「TOKAIカレーなるフェス」が...

2026-04-14

TOPICS

日本三大山城夜景「岐阜城パノラマ夜景」4/18(土)・19(日)、4/25(土)~5/6(水・祝)

2025年12月に仙台城跡、松山城とともに「日本三大山城夜景」として新たなブランドを立ち上げた「岐阜城」。戦国武将「斎藤道三公」、「織田信長公」が築いたまちの夜景を見渡せる場所として、今後注...
浮世絵,歌川国芳,展,名古屋,愛知県美術館

2026-04-11

TOPICS

奇怪で粋な浮世絵ワールド「歌川国芳展ー奇才絵師の魔力」4/24(金)~6/21(日)

江戸時代後期に活躍した浮世絵師・歌川国芳の全貌に迫る「歌川国芳展―奇才絵師の魔力」が、2026年4月24日(金)~6月21日(日)に名古屋・栄の愛知県美術館で開催されます。 斬新な発想...

2026-04-09

書店員の本棚

親子で読みたい!新生活を応援してくれる絵本3冊:名古屋市南区「ブタコヤブックス」

愛知県名古屋市、名鉄「本笠寺」駅から徒歩2分の場所にある書店「ブタコヤブックス」。2025年7月にオープンした新刊書店です。小学校教員として16年勤めたのち書店を開業した店長の船張真太郎さん...

2026-04-07

TOPICS

巡回展が名古屋からスタート!「NHK大河ドラマ特別展 豊臣兄弟!」4/18(土)~6/14(日)

「彼が長生きしていれば豊臣家の天下は安泰だった」とまで言わしめた豊臣秀長の目線で、戦国時代をダイナミックに描く2026年NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」。ドラマと連動し、これまであまり光の当た...
pagetop
もくじ