版の穴からインクを押し出して布などに柄や文字などを施す、シルクスクリーン印刷。水と空気以外はなんでも印刷できるとのことで、布ものの印刷の7~8割がこの手法なのだとか。なんと発祥は岐阜県の郡上八幡。1950年頃に工業印刷機が郡上八幡で開発されたことから、シルクスクリーンが世界中に広まったのだそう。
郡上八幡の城下町でシルクスクリーンのワークショップをおこなっているのが「Takara Gallery workroom (タカラギャラリーワークルーム )」。ここでは郡上の夏の風物詩・郡上おどりの必須アイテムである「手ぬぐい」のシルクスクリーン印刷が体験できます。
古い町家を改装したという店舗。中に入ると、中央がワークショップスペースとなり、壁沿いには商品販売スペースがあります。
今回は親子でチャレンジ。さっそく手ぬぐいのサンプルを見せてもらいながら、どんなモチーフを入れようか、どんな色にしようか…考えます。こどもは即答。親は…悩みます。
スタッフさんいわく、「皆さん大体そうですよ。お子さんは直感で好きなモチーフを選ぶので決めるのがとっても早いです」とのこと。
モチーフを決めたら、さっそく作業台へ。布は6色から白をセレクト。真っ白な手ぬぐいの上に版を置き、選んだ色のインクをのせたら、スキージで上から下へとひと刷り。端から端まで色がしっかりとつくよう、程よく力を入れます。最初は緊張…!
2回繰り返したら、この範囲は完成。版を外してみると…
水玉模様がきれいに印刷されていて…感動! 隣の余白にも同じ作業を繰り返していきます。
もう1枚は郡上ならではの踊り下駄モチーフに。1ヶ所刷り上がるごとに、ドライヤーで乾かしていきます。踊り下駄の間に水玉模様をはさみ、最後に名前の頭文字をワンポイント入れて完成。
青も黄色も、鮮やかなトーンから落ち着いたトーンまでバリエーション豊富。柄も色合いも自分好みの、満足のいく1枚ができあがりました!
途中でモチーフを追加するのもOK。こどもを見ていると、組み合わせるならこの柄の方がよくない!? こっちの色のほうが良いのに…なんて大人目線で思ってしまうこともありますが、口出しせず、こどもが思いつくままやらせてあげるほうが、オリジナリティのある素敵な1枚に仕上がります。
刷りながらアクセントとなる柄や色を足していき、こども作の1 枚はポップで独創的な仕上がりに。
完成した2枚はこちら。
手ぬぐいのほか、トートバッグにもシルクスクリーン印刷ができます。
春から夏にかけては郡上の手ぬぐいシーズンも真っ盛り。風情ある城下町の散策を楽しみながら、感性を自由に広げられるマイ手ぬぐいづくりにチャレンジしてみてはいかがでしょう。