書店員の愛書バトン。Vol.24『ジャケ買いおすすめ!装丁も中身もすてきな本』5冊

装丁 ジャケ買い 本

書店で思わず「ステキ!」「何これ!?」とその装丁デザインに驚き、本を手に取った経験はありませんか。ただ、一目ぼれして買った本が、中身を見てみたら何だかしっくりこなかった…という苦い経験もあるかもしれません。

今回は“ジャケ買い”しても安心な、装丁も中身もすてきな本を5冊紹介。選んでいただいたのは、岐阜県多治見市にある「ひらく本屋 東文堂本店」の店長・木野村直美さんです。

もくじ

『小さな幸せがみつかる世界のおまじない』

著:亀井英里(パイインターナショナル)

世界のおまじない

小学生ぐらいの頃、友だちから「このおまじない効くんだよ」と聞いてコッソリやってみたという思い出はありませんか。大人になっても「おまじない」という言葉にはどこか不思議な魅力を感じます。『小さな幸せがみつかる世界のおまじない』で紹介されているのは、世界に言い伝えられているおまじないの数々。そこから紐解かれるのは、「人々が何を求め、どう考えていたか」ということです。

民俗学というと身構えてしまいますが、世界の文化と遊び心に触れられ、楽しく読める一冊。気になるおまじないがあれば、子ども心を思い出して試してみるのもおもしろそうです。

『倚りかからず』

著:茨木のり子(ちくま文庫)

倚りかからず

詩人でありエッセイストであり、童話作家であり脚本家。さまざまな言葉の世界で活躍してきた茨木のりこさんの詩集のなかでも、戦時下の青春を描いた代表作『私が一番きれいだったとき』を知っている人も多いのでは?

シンプルな言葉のなかに力強さを感じる荻原さんの詩。詩集『倚りかからず』でも余計な言葉がなく歯切れのいい言葉が気持ちのいい余韻を与えてくれます。また思わずクスっと笑ってしまう詩もあり、詩集入門編としてもおすすめ。

表紙のどこか哀愁漂う蝶々の絵は日本画家・高瀬省三さんによるもの。茨木さんの詩同様、高瀬さんの挿絵も魅力的な一冊です。

『二番目の悪者』

著:林 木林 絵:庄野ナホコ(小さい書房)

二番目の悪者

まずタイトルが「一番の悪者」ではないところに興味をひかれます。そして、真っ赤な背景にライオンが佇むインパクトのある装丁。さらに、表紙の「考えない、行動しない、という罪」という言葉が、ページを開く前からなにやら重みを感じさせる絵本です。

ある国の王様になりたい金のライオンが、ライバルとなる銀のライオンを陥れようとデマを吹聴して…。私たち人間も、自分が直接見たり聞いたりしていないことを「~らしいよ」「~って聞いた」と話してしまうことがあります。必ずしも悪いことだとは言えませんが、この絵本を読むと伝言ゲームのように広がっていく噂話やデマについて、深く考えさせられます。

『はじめまして、ルート・ブリュック』

著:kukkameri、今村玲子(ブルーシープ)

はじめまして ルート・ブリュック

知られざるフィンランドの陶芸家、ルート・ブリュック。表紙には代表作である「蝶」がプリントされています。

その長女マーリア・ヴィルカラと夫ティモ・フーリッカの案内で、生前のルートと夫が愛したフィンランドとノルウェーの国境を旅しながらルート作品のルーツをたどる『はじめまして、ルート・ブリュック』。北欧の風を感じられるとともに、日本を代表するクリエイターによる寄稿も読みごたえがあります。

パラパラと図録のように眺めて楽しむもよし、クリエイターそれぞれのルート観をじっくり読むもよし。「ルートを良く知らない」という人にもおすすめの一冊です。

『ロマンスの辞典』

著:望月 竜馬 イラスト:Juliet Smyth(遊泳舎)

ロマンスの辞典

手のひらサイズ、洋書を思わせるカバー、控えめ金の箔押し、ロマンティックなイラスト。辞典のイメージを覆すキュートな装丁は、思わず手に取りたくなる魅力があります。

辞典という名の通り、ロマンスに関するキーワードとその意味について解説されていくのですが、例えば「朝日」は「目覚めた後に誰もが羽織る白いロングコート」、「嫌い」は「この感情からはじまる恋もある」など、作者独自の解釈が秀逸。なかには「こんな解釈もできるのか」とハッとさせられ、ともすればネガティブなワードも希望の言葉に変わる。ページをめくるたび、驚きとときめきが胸を駆け巡ります。

ひらく本屋 東文堂本店
住所岐阜県多治見市本町3-25 ヒラクビル1・2F
営業時間10:00~21:00
定休日水曜
駐車場あり※斜め向かいの「MAYパークたじみながせ」2時間無料
アクセスJR「多治見駅」より徒歩8分
TEL052-201-1026

ひらく本屋公式サイト

hiraku-bldg.com/hirakubooks/

時計店だったビルをリノベーションしてつくられたヒラクビル。他には、シェアオフィス、喫茶店、レンタルルームが入居しています。「ひらく本屋 東文堂本店」は、多治見の文化を創業から120年に渡って支えてきた東文堂による新形態の地域密着型の本屋さん。地元では「東文堂」といえばお馴染みです。作家のサイン会やワークショップなどさまざまなイベントも定期的に開催されます。

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