多治見生まれのタイルとアートに触れられる、【モザイクタイルミュージアム】へ

岐阜県多治見市笠原町に突如として現れる、すり鉢状の地面に高くカーブを描く土の壁。建築史家・建築家の藤森照信氏が設計したこの建物は、「タイル」をテーマにした「モザイクタイルミュージアム」です。

「モザイクタイル」は、最近では DIY にも使われる、彩色された小型のタイル。笠原町は、施釉磁器(せゆうじき)モザイクタイル発祥の地でもあり、生産量全国一。
ミュージアムの中にはどんなものがあるのでしょうか?学芸員の方に話を聞きながらモザイクタイルの魅力に触れてきました!

タイルの素材となる粘土の山をイメージさせるような、独創的な外観。建物に近づくと…

なんともかわいい入り口!壁にはカラフルなタイルや食器のかけらが埋め込まれています。さっそく館内へ入ってみましょう。

階段で4階へ上がり、上の階から見学します。階段の照明はあえて暗めになっており、さらに上に行くほど狭くなっています。光の差すほうへ導かれているようです。この階段を通り抜けるのも、ミュージアムの演出なんですね。

4 階の展示室に入ると、まるで蜘蛛の巣のようにタイルが床から天井まで連なります。丸くくり抜かれたような青空。実はここ、吹き抜けになっており、窓ガラスも何もさえぎるものがないんです!雲の位置によって切り取られる景色が変わったり、雨の日にはタイルにしずくがついてキラキラと輝いたり、季節や天候によって違った見え方をします。「タイルは壁や床についているもの」という先入観をとっぱらう展示です。

多治見市をはじめ、各地から集められたタイル製品が並びます。かつて、一般家庭で使われていた洗面台やかまど、お風呂、銭湯の壁にあったタイルの壁画など…身の回りの様々なところでタイルが使われていたことが分かります。タイルは防水で火にも強い。だから水回りや調理場に多く使われていたのだそう。職人さんごとに、色の組み合わせやデザインなど、こだわりや個性があるのがおもしろい!

色の違うタイルを並べることで人物や風景が描かれたものもあれば、大きなタイル自体に絵が描かれているものもあります。

3階に下りると、タイルの製造工程と歴史の展示室があります。釉薬を使った「施釉磁器モザイクタイル」を日本で初めて開発したのが、ここ笠原町出身の山内逸三氏。それまでは、タイル自体に色がついたザラザラしたタイルが主流でした。釉薬をコーティングして焼くことで、表面にのみ色がついた水を通さないタイルにすることができたのです。写真のようなさまざまなデザインの木枠にタイルをはめていくことで、モザイクタイルの柄ができあがります。

2階には、多治見市の商社を中心に、約 30 もの会社の最新タイルが展示されています。この場で好きなデザインを選んで注文することができます。

最後は、1階の体験工房へ!モザイクタイルを使ってオリジナルの小物が作れます。色も形もさまざまなタイルがずらっと並び…どれにしようか迷ってしまいます。

ハッキリとした鮮やかな色からやさしく淡い色まで、タイルには多彩な色合いがあります。どんな組み合わせにしようか、デザインを考えるのも楽しい!
好きなタイルを選んで、いざ挑戦!

タイルを並べて、1つ1つボンドでくっつけていきます。ぺたぺた。
展示室では職人さんのデザインをたくさん見ることができましたが、小さなタイルで柄をつくるって思っていたより難しい作業。時代に合わせてデザインを考えてきた職人さんたちは、メーカーごとに工夫をしてきたのでしょう。

乾いたら、完成!

1階にはミュージアムショップも。ここではタイルのつめ放題(税込み550円)を発見!「つめ放題」って響き、ついワクワクしてしまいます。
多治見の地で歴史と文化を育んできた「モザイクタイル」。その魅力を伝える「モザイクタイルミュージアム」は、展示はもちろんミュージアムまるごと、アートとして満喫できる場所でした!取材時には、若い女性やカップル客も多数。皆さんもデートや家族でのお出かけに、気軽に訪れてみてはいかがでしょうか。

(文 齊藤美幸)

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