ガラス容器の中に苔などの植物、砂や小石などを入れて作るテラリウム。小さな容器に自然が詰まった癒しの世界は、眺めているだけで穏やかな気持ちにさせてくれます。
苔に魅せられたテラリウムアーティストの古原由香さんによる苔テラリウム専門店「THE GREEN moss design」が2023年6月に名古屋・千種区にオープン。見入ってしまうほど美しい作品の数々が展示販売されているほか、テラリウムを制作するワークショップにも参加できるんです。
古原さんに教えてもらいながら、テラリウムのワークショップに挑戦しました!
扉を開けると、心癒される苔の世界が!
店内にはテラリウム作品がずらり。小さなガラスの中に、苔や砂、石などを使った豊かな自然が表現されています。
筒状のガラスの中に険しい自然が表現された作品。人間や動物のフィギュアを配置したり照明を当てたりすることで、より世界観に引き込まれます。
小さな苗木がガラス容器から飛び出しているようなダイナミックな作品も!苔の上には女性やヤギのフィギュアが置かれ、その牧歌的な雰囲気とのギャップもおもしろいですね。
苔で人生が変わった!苔テラリウムアーティスト古原さん
古原さんに苔の魅力を聞いてみました。 苔に興味を持ったきっかけは、気持ちが落ち込んでいた古原さんが山道を散策していたときのこと。
茶色く乾燥した苔がふと目に入り、その苔に自分の心の状態を重ね合わせた古原さん。ペットボトルの水をかけてみたところ、瞬く間に緑に変わり、元気を取り戻したそうです。そんな苔のたくましさや太陽の光を受けて輝く美しさを目の当たりにして、「私も苔のように頑張ろう」と思い、苔に興味を持つようになったといいます。
苔とひと口にいってもその種類はさまざまで、日本だけでも約1,700種類、世界にはなんと約20,000種類あるといわれています。丈の長い苔や、花のような形をしているものなど、それぞれ個性があふれているのも苔の魅力だそうです。
苔テラリウム制作に挑戦!
苔の魅力にすっかりハマったところで、いよいよ苔テラリウム制作に挑戦。主な材料は苔、石、砂。ピンセットや細長いスプーンなどを使って制作していきます。
苔をよく見てみると…小さいながらに生命力があるのを感じさせます。
苔テラリウムを作るのは初めてで「自分に作れるのかな…」と不安も。そこで古原さんがアドバイスしてくれたのは「まずテーマを決める」ということ。今回は「困難を乗り越える」をテーマに、傾斜の強い山道を作ってみようと思います。
まずはガラスの容器に砂を入れ、山道をイメージして傾斜を作っていきます。砂が崩れないように霧吹きで水をかけて湿らせたら、土台は完成です。
続いて風山石という角張った石を3つ選び、砂の上に配置します。石選びにも悩みましたが、大きめの石を1つと小さめの石を2つ選択。大きめの石で丘を表現し、小さめの石は土が崩れないように山道に沿って置き、ブラシで道を作っていきます。
色鮮やかな5色のカラー砂はポイントに使います。今回は、茶色の砂で山道を表現してみました。鮮やかな水色は川や海を表現するのに使われるそうです。
カラー砂で道を作ったら、いよいよ苔を入れていきます。3~4種類の苔から好きなものを選び、少しずつ植え込んでいきます。
どこにどの苔を植え込むか悩みましたが、古原さんにアドバイスしてもらいながら、自然の山をイメージして苔を増やしていきます。
少しずつイメージしていた世界観が形になってきました。ここまでくるとすっかり没頭していまい、時間を忘れて微調整を繰り返していきます。
最後に登山家のミニフィギュアを配置したら完成!
苔テラリウム制作については、自分と同様に「作るのが難しそう」だと思う人が多いそうですが、実際に作ってみると多くの人が達成感を覚えるとのこと。古原さんは「短時間で成功体験を味わえることがテラリウム制作の醍醐味です」と語ります。
苔は少しずつ成長し、時間が経つと制作時とは違った様相を見せてくれるのも苔テラリウムの醍醐味。
家に持ち帰ったらLEDライトが当たる場所に置き、毎日1回霧吹きなどで水をあげると苔を元気に保つことができるそうです。食品用ラップフィルムをかけておけば水やりは週に1~2回でもOK。
店舗では定期的にイベントや限定ワークショップなどを開催しており、春には小さな桜の苗木を使ったテラリウムのワークショップを予定しているとのこと。自宅でお花見が楽しめると人気のワークショップだそうです。世界に1つだけの苔テラリウム制作を体験してみては。
【テラリウム制作ワークショップ】
ベーシックコース
料金:6,600円(8月末まで新規オープン価格)※通常7,700円
所要時間:90分
開催時間:11:00~12:30、14:00~15:30、16:30~18:00
住所 | 愛知県名古屋市千種区池下町2-28-3 |
営業時間 | 11:00~18:00 |
定休日 | 月曜・木曜 |
駐車場 | なし※近隣にコインパーキングあり |
アクセス | 地下鉄「池下」駅より徒歩3分 |
TEL | 052-364-9788 |