食物アレルギーの子どもの割合が増加し、保育園や学校給食の現場においてもアレルギー対応食を離れた席で食べるケースもあります。
そんな中、食物アレルギー対応のフルコースを学生たちが調理・サービスし、食物アレルギーがあってもなくても“みんなで一緒の料理が楽しめる”ランチパーティーを企画しているのが、愛知文教女子短期大学。
2003年から毎年開催する「みんないっしょのクリスマス」を原点に、保育士と給食担当者(栄養士など)の職種間の連携について教育・研究を進め、「食物アレルギーの子どもを守る」大学として文部科学省の「私立大学研究ブランディング事業」にも選定されています。
今年15周年となる「みんないっしょのクリスマス」は12月9日に開催。子どもやその家族たちの、キラキラとした笑顔があふれていました!
朝からパーティーメニューの仕込みをする学生たち。
生活文化学科食物栄養専攻・生活文化専攻の2年生を中心に、幼児教育学科の手遊びサークルもこのイベントに携わっています。
クリスマス気分を盛り上げる華やかなエプロンに、とびきりの笑顔でお出迎え。
かわいいお客さんが次から次へとやってきました。
学生による読み聞かせや、折り紙を楽しんだら、パーティー会場へ。いよいよ「みんないっしょのクリスマス」の始まりです。
本日のパーティーメニュー
*TOFUサラダ
*マッシュルームのファルシ
*ほうれん草ポタージュ
*白身魚のフリッター
*豚肉のロール煮込み
*キャロットライス
*クリスマスレモンケーキ
*さつまいもプリン
*ミネラルウォーター・ルイボスティー・コーヒー
見た目にも華やかな料理の数々に、歓声があがります。
とくに子どもたちが喜んでいたのが食べ放題の「サラダバー」。どれでも好きなものを選んで食べられる――、当たり前のようでいて、食物アレルギーのある子どもにとっては貴重な機会。料理だけでなく、“喜びの経験”も考慮されたプログラムです。
参加した家族(ママ)に話を聞くと、
「今日は私と夫、息子(8歳)、娘(4歳)の4人で参加。息子が6ヶ月の頃にヨーグルトを食べさせたらアレルギー反応がでました。当時は食物アレルギーについて世の中であまり認知されていなく、『そんなに大変なの?』と、まわりの人の理解がなかなか得られず辛い思いをしたことも。息子も大きくなり、自分で食べたいものを買うことがあり、自分でパッケージの裏面を見て原材料表示をチェックしています。『みんないっしょのクリスマス』は以前にも参加しましたが、初回は感動しました! 材料を気にせず食べられる。子どもたちもとても喜んで、ほぼ完食。今日のメニューで1番のお気に入りは、兄弟ともにレモンケーキでした!」
参加した家族から、“みんなで一緒の料理が楽しめる”ことへの喜びの声が毎年あがるクリスマスパーティー。このような場が広がり、食物アレルギーへの理解が深まる世の中になっていくといいですね!
なお、愛知文教女子短期大学では、食に限らず、子どもに関わる幅広い取り組みを地域と連携して行っています。2018年1月13日(土)には、親子でさまざまな体験ができるイベントも開催予定です。
(文 広瀬良子)