話題の本がドラマや映画化され、ヒット作が続々と生まれています。しかし「実は原作を読んだことがない」という人や「えっ、このドラマって原作があったの!?」という人もいるのではないでしょうか。
そんな「原作も絶対読んで!」という5冊を選んでいただいたのは、名古屋駅から徒歩圏内のイオンモールNagoya Noritake Gardenにある「TSUTAYA BOOKSTORE 則武新町」の書店員・眞邉繫慶さん、二階堂篤さん、店長の川口京子さんです。
「映画やドラマを見ているから結末を知っているのに、今からわざわざ原作を?」と思った人にこそ!おすすめしたい5冊を3人のコメントとともに紹介します。
『ロボット・イン・ザ・ガーデン』
著:デボラ・インストール(小学館)
二宮和也主演の映画『TANGタング』の原作。舞台は近未来のイギリス。ロボットが人間の日常のパートナーとしてなじんだ世界で、ロボットは次々と新型が開発され、モデルチェンジが進んでいきます。そんななか崩壊寸前のとある夫婦、その夫ベンは、ある日壊れかけた旧型ロボットのタングと出会います。
タングを直すためにアメリカに向かったベンですが…相手が“ロボットだから”「通じない」「わからない」と決めつけて、諦めてしまいそうになります。でもそれは“ロボットだから”ではなく、人間同士でも同じ。わかり合えないと思って諦めてしまった経験はベンに限らず、誰しもあるのではないでしょうか。
物語の時間の流れとともに、表面的な言葉だけではなく、相手を理解しようと登場人物が変化していく過程を楽しむには、やはり本で読みたい!と思う作品です。(眞邉さん)
『明け方の若者たち』
著:カツセマサヒコ(幻冬舎)
北村匠海主演の映画『明け方の若者たち』の原作。20代を通り過ぎた大人に読んでいただきたい一冊です。
飲み会で出会った大学院生と大学生の男女の物語。昔聞いたバンドのアルバムで年の差を図り、距離を縮め、ドライブで流れる曲で未来の生活を想像し関係を深めていきます。二人の楽しい回想が音楽とともに流れていく。場面ごとに流れる曲が物語に彩りを加え、感情を際立たせます。
しかし、そんな二人の関係は、突然終わりを告げます。まだ大人になりきれない主人公が、夢見た未来から現実の世界にぶつかり打ちのめされていく。誰もが通り過ぎた20代のきらめきと苦悩が思い起こされます。
映像で楽しむのも素敵ですが、本では無音と有音のコントラストがより感じられます。ご自身の思い出の曲と一緒に懐かしんでみてはいかがでしょうか。(二階堂さん)
『マスカレードホテル』
著:東野圭吾(集英社)
私は木村拓哉さん主演の映画も、宝塚花組の舞台も観ました。映画も舞台もとても面白かったのですが、私自身は原作を先に読んでから映画や舞台を観たため、登場人物の描写や伏線がより鮮明に印象に残りました。
この物語の魅力の一つである主人公の刑事とホテルスタッフの掛け合いは、実写も小説も変わらず秀逸です。分厚い本なので「読めるかな……」と戸惑うかもしれませんが、厚さを感じさせない展開はさすが東野圭吾さんといったところでしょうか。秋の夜長に読むのに、ちょうど良い作品です。(川口さん)
『魔女の宅急便』
著:角野栄子 (福音館書店)
小説は1巻から5巻の長編小説で、魔女のキキが成長していく過程が描かれています。
私とこの物語の出会いは、子どもの頃に母が寝る前の読み聞かせとして毎日数ページ読んでくれたのが始まりでした。そのときは子ども心に魔女のキキの気持ちにドキドキしたり、パン屋のパンにワクワクしたりしたのを今でもよく覚えています。実写映画を見た後に原作を読み直したくなり、一気に全巻読んだのも懐かしい思い出です。
ちなみに魔女の宅急便といえば有名なジブリのアニメ映画を思い浮かべる人が多いと思いますが、実写映画もあることはご存じですか?(川口さん)
『元彼の遺言状』
著:新川帆立 (宝島社)
私としては珍しく、先にドラマを見てから読んだ小説です。原作を読んでみると、登場人物が違ったり主人公の弁護士の現在の彼が出てきたりと、ドラマにはないストーリーがあったことに気づき、実写化されるだけのおもしろさを実感しました。
また、本人の心情を言葉にしている部分がとても分かりやすい物語だったので、法律用語が飛び交う展開でも比較的短時間でスラスラ読めました。まだドラマを見ていない人もすでに見た人も、ぜひ読んでいただきたい一冊です。(川口さん)
住所 | 愛知県名古屋市西区則武新町3-1-17 イオンモール Nagoya Noritake Garden1・2階 |
営業時間 | 10:00~21:00 |
定休日 | イオンモール Nagoya Noritake Gardenに準ずる |
駐車場 | あり |
アクセス | 地下鉄「亀島駅」2番出口より徒歩6分 |
TEL | 052-446-5505 |
TSUTAYA BOOKSTORE 則武新町 公式ツイッター
膨大な蔵書はベストセラーから知る人ぞ知る本までが揃い、「ない本がないのでは?」と思うほど!広大な店内に一歩足を踏み入れると、にぎやかなショッピングモール内の書店というより、外国の図書館のような落ち着いた本好きのための別世界が広がっています。