
近年の日本食ブームで、日本のみならず海外からの注目も集めている日本茶文化。いつも何気なく飲んでいるお茶だけど、正しい淹れ方を知っている人は少ないのでは?
愛知県岡崎市にある老舗の茶産地問屋「宮ザキ園」では、もともと茶藏だった場所を改築したカフェで煎茶のお点前を体験できる「三州三河煎茶教室」を開講。
お湯の温度や茶葉の量、蒸らし時間など、お茶が格段においしくなる知識や茶道の所作を身に付けることができ、日本茶の魅力をより深く知ることができるとのこと。趣ある空間で非日常のひとときを味わえる煎茶教室を体験してきました。

岡崎市旧額田町宮崎地区で江戸時代から続く、愛知最古の茶産地問屋「宮ザキ園」。200年以上積み重ねてきたお茶づくりの知恵と経験を生かし、自社の茶畑で農薬や化学肥料を使わずにお茶の栽培をおこない、日本茶や「わ紅茶」などの茶製品に加工・製造して販売しています。

もともと茶蔵として使っていた場所をリノベーションしたカフェでは、お茶や手作りスイーツを提供。そのほか、スパークリングティーやお茶スイーツの開発、国内外のイベントでのお点前パフォーマンスの披露などさまざま取り組みを通して日本茶の新しい楽しみ方を提案。お茶のある暮らしを次世代へと継承しています。
自園で栽培した茶葉を使用し、正しいお茶の淹れ方や日本茶文化を伝授する「三州三河煎茶教室」もその取り組みのひとつです。
“お茶のある暮らし”が楽しくなる煎茶教室
「三州三河煎茶教室」は、日本茶をより深く理解し、日常でおいしく楽しむための知識と技術を習得できる実践的な講座。単発で受けられる1レッスンと、3回セットで受けられるレッスンがあり、今回は1レッスンを体験しました。

講座は約90分間で、茶葉の量やお湯の温度、蒸らす時間などお茶の淹れ方に加え、茶器の使い方、美しくお茶を淹れる所作を身に付けます。これまで「何となく淹れていた」という人でも、お茶の持つ繊細な香りや深い味わいを最大限に引き出せるように!

茶葉の量も大切なポイント! しっかり量って、茶壷に移します。

茶器は扱う時はもう一方の手を添えて。茶器を手元に取り寄せる際は、他の茶器の上を通さず外回りで……など、所作の美しさも学びます。

煎茶を淹れる適温は60度。鉄瓶で沸かしたお湯を湯冷ましに注ぎ、適温になるまで冷まします。

急須に入れる際は、お湯を先に注いでから、茶合(さごう)で茶葉をゆっくり回し入れると、お茶の風味が格段に上がるそうです。

3分程度を目安に茶葉をゆっくりと蒸らしたら、茶碗にお茶を注ぎます。最後の一滴まで絞りきることがポイント。

自分で淹れたお茶をいただきます!
冷ましたお湯でじっくりと蒸らした煎茶はほんのり甘みが感じられます。口の中一杯に広がる、茶葉の芳しい風味と甘みに感動!

二煎目のお茶を抽出する前に、お茶菓子をいただきました。
中に入っているあんこも「茶房一匙」手づくり。煎茶の味を引き立てる、甘さ控えめの味わいです。

二煎目は、一煎目よりも苦味や渋味が程よく感じられ、すっきりとした味わい。一煎目と味わいが全然違うことに驚き!
今この瞬間に集中する大切な時間。お点前に集中して、じっくりとお茶を味わうひとときは心が無になれるような非日常の時間でした。

教えてくれたのは「宮ザキ園」の6代目女将・梅村紘子さん。梅村さんにとってお茶を点てることは「心を整える」こと。「心身ともにフラットにすることができます」と語ります。
「三州三河煎茶教室」の1レッスンは6,600円(2人~要予約)、3回レッスンは19,800円、常滑焼のオリジナルの茶器がついた3回レッスンは47,000円。3回レッスンでは、「宮ザキ園」のお茶製造の工程見学を行うこともあるのだそうです。
古民家茶寮で日常をリセットする時間を

カフェ「茶房一匙」の通常営業日には、お好きなお茶とその日のお茶菓子が一緒に楽しめる「お点前セット」1,200円などのメニューが楽しめます。※「おかざきかき氷街道」開催期間中の9月28日までは抹茶やほうじ茶、紅茶のかき氷のみ提供

1階のカウンターには取り扱い茶葉が並び、自宅用に茶葉を買って帰ることもできます。


すぐ近くには「宮ザキ園」の茶畑が広がり、テラス席でテイクアウトをしたお茶を楽しむことも。豊かな自然に育まれたお茶と日本古来のお茶文化に触れて、日常をリセットするひとときを過ごしてみては。
住所 | 愛知県岡崎市石原町相野8 |
営業時間 | 10:00~17:00(LO16:00)、火・水曜休み |
三州三河煎茶教室 | 1レッスン6,600円(2人~) 公式サイトより要予約 |
駐車場 | あり |
アクセス | 新東名高速道路「岡崎東」ICより車で15分 |
問い合わせ | 0564-83-2710 |