岐阜の茶畑、パノラマ景観をポタリング
「揖斐駅~茶畑~池田温泉」

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編集部あさのです。秋らしい気候が心地よい10月は、ポタリングに最適な季節。自然あふれるロケーションで、秋の行楽シーズンを満喫しましょう。今回は茶畑風景とお茶スイーツと温泉を求めて、岐阜県揖斐郡揖斐川町~池田町へ行きました。
 
 
養老鉄道に揺られ、まずは揖斐駅へ
 
ポタリングを楽しむのは、揖斐郡揖斐川町~池田町。JR大垣駅から養老鉄道に乗り換え、レンタサイクルのある揖斐駅へ向かいます。
 
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広々とした駅前には、野菜直売場も!駅舎にレンタサイクル「養鉄トレクル」の案内を見つけました。
 
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レンタルサイクルは全て、電動アシスト自転車!
 
里山のすそ野を走る養老鉄道付近は、サイクリングロードが豊富。自転車を楽しむにはぴったりの場所です。山合いのロケーションだけに、「養鉄トレクル」では、電動アシスト自転車が揃っています。さて、早速自転車を借りましょう。
 
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気楽に乗れるシティタイプ(身長145cm以上)と、本格的なスポーツサイクル(身長155cm以上)があり、揖斐駅に設置。他にも北池野駅近くの池田町中央公民館や、道の駅「池田温泉」にもサイクルステーションがあり、レンタルと返却ともに可能だそうです。
 
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ピピッとロックを開けます。
WEBで事前予約をしていたので、予約をした番号のシティサイクルを探します。暗証番号を入力するだけでスタート!当日申し込みの場合は各サイクルステーションの窓口で受付をします。
 
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ハンドル左手側のパネルでバッテリー残量を確認できます。電動アシストのパワーは3段階から選択でき、ライトボタンもここに。右手側にはギアチェンジグリップがあります。
 
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ハンドル中央にはスマホを固定できるスマホホルダー。記事末にあるマップのルートをチェックできます。
 
 
さぁ、ポタリングに出発!
 
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揖斐駅を出て住宅街を抜けると、道の左右に田畑が広がります。
 
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途中で「まきどうぞ」と薪で書かれた無人の薪販売所を発見。薪の販売って、私は初めて見ました!
 
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左右が開けていて、開放感がすごい。爽快です!遠くには池田山の尾根が連なります。
 
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しばらく走ると「願成寺古墳群2.5km」と書かれた看板が。ここからは登りの山道ですが、電動アシストのおかげで楽々~。森の中はひんやりと涼しくて、鳥の声と虫の音が心地いいです。森林の香りを胸いっぱいに吸い込むと、日頃の疲れもすーっとリフレッシュ!
 
 
渓谷のせせらぎと景観が楽しめる「大津谷公園」
 
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渓谷を取り囲むようにある「大津谷公園」に到着。自転車を降りて散策してみましょう。
 
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渓谷に流れる水の音が心地よく、とっても癒されます。キャンプ場もあり、水場や飯ごう炊飯施設、トイレも完備。キャンプやバーベキューにも来てみたいですね。
 
 
眼下に広がる、揖斐茶畑の鮮やかな緑
 
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しばらく進むと、そこは見渡す限りの茶畑が。なぜなら岐阜県揖斐郡は「美濃いび茶」の生産地。
 
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揖斐川の気候やきれいな水など、恵まれた環境のおかげで香りと旨味が豊かな銘茶をつくりだします。
 
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若葉は瑞々しく、つやつや。10月頃から茶の木には白い花が咲くそうで、柔らかな甘い香りで茶畑がいっぱいになるとか。
 
 
大津谷公園を出てしばらく茶畑の中を走っていると、「いび茶」の看板が。その左下にあったのは――!?
 
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古墳の中にも入れる「願成寺西墳之越古墳群」
 
願成寺西墳之越古墳群に到着しました。見渡して古墳を探すと、看板の左奥に小さな山が。よく見ると、茶畑内の地面が盛り上がっています。
 
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好奇心から覗くと、中は人がかろうじて入れる洞穴。ひんやりとして土の香りがします。ここ一帯は6~7世紀に造られた、県内唯一の群集墳だそう。周囲200mほどの範囲には円墳が111ヶ所あり、最大で直径20m×高さ3.7mのドーム状のものも!一部の古墳は石室に入って見学できます。岐阜県の指定遺跡で、現在も発掘調査が続いているそうです。
 

 
 
 
 
 
コースもそろそろ中盤に
 
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南に向かって走行。パノラマの眺望を眺めながら、大きく曲がりくねった道を走ります。
 
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山の斜面に茶畑が続きます。収穫のために刈られた形が整然としていて、手入れした庭木のよう。
 
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桜の名所で有名な霞間ヶ渓の入り口付近には鐘楼堂が。向かいに建つ霞渓寺の鐘だそうです。
 
 
ラベンダー畑を望む、香る雑貨屋「ふぁいぶえ~(5a)」
 
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大きなカマボコ状の形をした、池田町総合体育館が見えてきました。そのすぐ左手にラベンダーファームあまおかの看板が。雑貨屋さんがあるので、覗いてみましょう。
 
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中は優しいラベンダーの香りでいっぱい!ふんわりと甘く、同時にすっきりした香りに、疲れが抜けていきます。店内にはショップ店主の奥様がつくる、クラフト品やハンドメイド雑貨、ドンゴロスバッグやエッセンシャルオイル、マルセイユ石鹸やアクセサリーなどが並びます。ラベンダーファームのオーナーが経営しているそう。
 
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小さなお弁当箱の中にアロマボールがぎっしり入った「香り玉手箱」。ラベンダーなどアロマオイルの香りがふんわり漂います。蓋を閉められるので旅行などにも重宝しそう。
 
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紅茶のポットを保温するカバー、ティーコゼです。カラフルな布地が楽しいオリジナルハンドメイド品。ほっこりしたティータイムが過ごせそうです。
 
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畑で収穫されたラベンダーのドライフラワー。濃い紫色の「濃紫早咲」と香りの強い「おかむらさき」の2品種のラベンダーを栽培。「おかむらさき」は香りが強く、布袋に入れポプリにしたり、茶葉に混ぜてラベンダーティーを楽しむのにぴったり。安眠効果やイライラ対策にもなります。「濃紫早咲」は美しい鮮やかな花の色を活かして、フラワーアレンジメントなど、観賞用におすすめだそう。手ひねりの「ハーブ石鹸」作りやリボンを巻いてつくる「ラベンダースティック」作りなど、クラフト体験も行えます。
 
 
…おや?入口の足もとに小さなドアが…。マットの猫が狙っています。ということは…
 
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パカッ
 
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ドアに手作りの仕掛けが!
キジ?聞くと昨年はねずみで、今年はキジなんだそうです。
 
 
ラベンダーを愛する、仲良しオーナー夫婦
 
ショップ店主の奥様はラベンダーの花や香りが大好きで、自宅前で夢を実現しようと、ご夫婦でラベンダーの栽培をはじめたそうです。開花時期である5月下旬~6月中旬までがおすすめ。シーズン中はラベンダーの摘み取り体験も楽しめます。レモングラスやオレガノ、ローズマリーやセージなどが育つハーブ畑も見どころ。
 
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店から出ると、かわいい看板犬がお出迎え
 
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ふんふんふん…。と鼻先でご挨拶。こちらで飼われている美濃柴犬の蘭さんです。ちょっと怖がりながらも興味を持ってくれて嬉しい!
 
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美濃柴犬は岐阜県原産の柴犬。絶滅の危険性から保存活動が行われている犬種です。天岡さんの家にご縁があって迎えられたそう。特徴的な毛の色は「緋赤」と呼ばれるほどの鮮やかさ。
 
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お腹まで全身赤一色…と思ったら腕の根本中央に白いチャームポイントが。蘭さんは、ご主人への忠誠心を感じる、大人しくてとってもいい子でした~。
 

 
 
 
 
 
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さて、山のすそ野の道に戻ります。これまで上った分、下りの坂道に。風を受けながらスイスイ~!
 
 
道の駅で名物グルメと足湯を満喫!
 
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道の駅「池田温泉」に到着。足湯ののれんが見えます。疲れた足を休めるのにうってつけですね。
 
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ほっと一息。無色透明でほどよい熱さです。温泉はぬめりが強い泉質で、足はツルツルすべすべ!全国的に珍しい、美人の湯「純重曹泉」。出た後はポカポカです。
 
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独立したテナントが集合した道の駅。池田町産のいび茶や岐阜の地酒、近隣で採れた農産物直売所など、地元の良さがギュッと詰まっています。
 
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まずは「甘味処 池田茶屋 とり沢」で「奥美濃古地鶏 鶏ちゃんラーメン」をいただきます!鶏ちゃんは岐阜県の郷土料理。塩ラーメンに肉とモツの赤みそ味がからみ、味わい深いおいしさです。
 
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お次は「粉もん屋 たこちゅう」の「大垣 赤みそ」。道の駅池田温泉店限定です!木戸屋醸造の赤みそと醤油のしっかりした味が印象的。注文後に焼き始めるので、アツアツです。
 
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「瑞草園」のアイスクリームをダブルで。池田産高級抹茶を使用した「抹茶プリンス」に「黒ほうじ茶」を乗せていただきまーす。黒ほうじ茶アイスには茶葉の粉末が錬り込んであり、濃厚な香ばしさ。和風カフェオレみたいで美味しい。抹茶も鮮烈な味わい!
 
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農産物直売所には、とれたて野菜や加工品がたくさん並んでいます。池田町産の梅干しは無添加でしっかりした果肉が特徴だとか。
 
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中には珍しい野菜がいっぱいです。左手前からアワビのような食感の「ヒマラヤ茸」、タケノコのような「マコモダケ」、「岐阜県産アスパラガス」、2色の「オクラ」、「空芯菜」。どれも新鮮そのもので、この地域ならでは!
 

 
 
 
 
 
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道の駅を出て散策していると橋の欄干に変わった魚のイラストが。個性的な模様…背びれもとがってます。
 
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川べりの道に降りることができるようです。
 
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川の水、透明ですごくきれいです。奥は行き止まりになっています。
 
 
池田町が守る、中川水郷公園のハリヨ繁殖地
 
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建物の向こう側に池があります。世界的にも岐阜県西濃地方と滋賀県東部にだけ生息する絶滅危惧種「ハリヨ」という魚が、この湧水地で保護されているそう。
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透明な水の中にはハリヨだけではなく、さまざまな淡水魚が見えました。
 
 
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大通りを超えると住宅地に。歴史と趣を感じる門とお屋敷がカッコいい!
 
 
100年以上続く棚橋牧場が手がける「THE MILK SHOP」
 
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住宅街の中に、素敵な庭の民家を発見。どうやら1階がお店のよう。
 
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シンプルでスタイリッシュな店内にはミルクを使用したドリンクメニューや素材にこだわった素朴なお菓子が並んでいます。のどが渇いてきていたのでこれ幸い!
 
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ケース内にはポップな牛柄の牛乳瓶が。100年以上続く老舗の牛乳屋さんがこんなにかわいいデザインって素敵です。牛乳を使ったドリンクがいろいろ。迷います…。
 
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ドリンクを購入し、カフェスペースへ。木の質感が落ち着くナチュラルでおしゃれな空間です!THE MILK SHOPは2016年5月末にオープン。床や机などの内装は、オーナー自らが手がけたそうです。元々はマルシェで牛柄の瓶に入った牛乳を販売。現在は季節に合わせてさまざまな味のドリンクをこちらで楽しめます。棚橋牧場の牛乳は、毎日鮮度の高い近隣の牛乳を80度で15分加熱。手間暇をかけた低温殺菌牛乳は、本来の甘みと香り、しっかりとしたコクの、地元で長く愛されている味わいです。
 
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「抹茶ミルク」と「カフェオレ」を注文。抹茶ミルクは上質ないび茶の抹茶とミルクのハーモニーが楽しめ、カフェオレはたっぷりのミルクにコーヒーが香ります。
 
 
2階は雑貨屋「コモレビデザイン舎」
 
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雑貨屋さんがあると聞き2階へ。中央に大きな机があり、革製品や衣服、お弁当箱やフェアトレード商品、郡上割り箸や郡上踊り下駄など、岐阜で作られた品が並びます。
 
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店長はデザイナーでもあり、この店の庭も設計しています。
 

 
 
 
 
 
池田町中央公民館で、レンタサイクルを返却
 
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池田町中央公民館に到着しました。サイクルステーションは、入口近くに発見。
 
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1日楽しみましたが、バッテリー残量はまだ半分ほど。後輪のリング錠で鍵をかけ、自転車操作パネルの「ENTER」ボタンを押して、返却完了です!
 
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池田町中央公民館から徒歩3分程で養老鉄道の「北池野駅に」。駅から近くて楽ちんです。
今回のポタリングはこれで終了です。
 
揖斐駅からスタートした、岐阜県揖斐郡池田町のポタリングはいかがでしたでしょう。茶畑とパノラマ景観、おいしいグルメや温泉、さまざまな生き物に出合えてとても楽しい時間でした。走行距離は約14km。カーブと高低差のある山裾の道は、電動アシスト自転車がぴったり。皆さんもぜひ、自然景観を楽しむポタリングにお出かけしてみてください。
 
次回は、番外編としてサイクリストの聖地「しまなみ海道」へ行った様子をお送りします。お楽しみに~!
 
 

 
 

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