インタビュー・モノ

今、新たな鼓動をもって展開している「東海のものづくり」にスポットを当てて、作り手の想いやこだわりに迫ります。ものづくりの宝庫ともいえる、東海エリア。有名どころから知られざる逸品まで、掘り起こします。

前編はこちら
 

 

消防服に感謝の思いをもって、丁寧に接する

 
前編で紹介した消防服をはじめ、フローリングやシートベルトなど、製造上の規格外廃棄物や使用済みの廃棄物を再利用してバッグ制作を行う「MODECO(モデコ)」。他のバッグにはない質感や風合いをもった同ブランドの製品はどのようにつくられているのでしょうか。後編では使用済みの消防服を素材とした、同ブランドで高い人気を誇るコレクション「FIREMAN」の製造工程に迫ります。
 

↑ 左が名古屋市の消防服。背面につけられたロゴがポイントです。
 
「FIREMAN」の素材となる消防服は火災現場で使用されたことでさまざまな汚れがついているため、下準備として洗浄作業を行います。工場に持ち込まれる消防服は、単なる廃棄物ではなく人々の暮らしを守ってきた存在。だからこそ、「MODECO」では消防服に対して感謝の気持ちを込めて丹念に洗っていきます。
 

↑ 洗浄した消防服を、手作業で裁断していきます。(提供写真)
 

パーツを吟味してオリジナリティあふれるバッグに

 
バッグパックやトートバッグ、ボストンバッグなど、「FIREMAN」で展開する多彩なバッグは、消防服を裁断し切り出したパーツを縫い合わせてつくられます。バッグに仕上げるために気をつけることは、消防服のサイズ。サイズが異なればポケットや反射板などの大きさも異なるため、どのバッグに適したパーツか見極めながら切り分け、一点物の製品へと縫製していきます。
 

↑ バッグ全体の斬新なデザインに注目しがちですが、細部に職人の縫製技術が光ります。(提供写真)
 
洗浄から縫製を経てできあがる「FIREMAN」のバッグ。消防士の相棒として活躍してきた消防服の力強さを引き出したデザインに行き着くまでには、フォルムだけでなく細部の装飾にも作り手の試行錯誤の軌跡があります。
『FIREMAN』のアクセントともいえる反射板をどこに施すか。消防服そのものがシックな色合いのため、反射板のもつワイルドさが主張しすぎないアクセントとなるよう、また親しみやすさも感じてもらえるようデザインしています」と水野さんは振り返ります。
 

↑ 幅広いファッションに馴染むデザインは、水野さんの工夫の賜物なんです!
 

大須から始まった挑戦は、海外へ

 
廃棄物それぞれにしか醸し出せない世界感を求め、素材と向き合いバッグをつくり上げる「MODECO」。今後の目標について水野さんに聞くと「海外の廃棄物を再利用した製品づくりを構想しています。現在はカンボジアをはじめとした海外視察の真っ最中。どのようなものが生まれるのか、今からワクワクしています」との答えが! 目を輝かせながら「MODECO」の未来を思い描く水野さんの姿が印象的です。
 

↑ 自動車産業の廃棄物であるシートベルトとタイヤチューブを再利用したコレクション「BlackLeague」は大人の雰囲気!
 
日本のみならず、地球規模の課題となっている環境問題、そして廃棄物のあり方。現代社会に「バッグへの再利用」という取り組みを提示する「MODECO」は、消費者のモノへの考え方に少しずつ変化をもたらしています。
「環境問題が顕著になっている現代社会に生まれた者としてできることは何か。考えた末に辿り着いたのが『MODECO』でした。多くの廃棄物を生み出している大量消費社会において、モノの大切さを再認識させる存在として後世に語り継がれるようこれからも頑張ります」と水野さんは話します。
 

↑ 国内に留まらない「MODECO」のさらなる可能性を追求し続ける水野さん。
 
 
(撮影:西澤智子 文:西村友行)
 
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