インタビュー・ひと

「こんなことしたらおもしろいかも!」を実現した人、また、東海エリアに新たな息を吹き込んだ立役者となる『仕掛け人』にインタビュー。仕掛け人の存在や想いを知ることで、イベントや場所がよりイキイキと目に映るはず!


 
静かな波のリズムを感じると、自然と、心も穏やかになる。愛知県西尾市寺部町にある静かな波のリズムを感じると、自然と、心も穏やかになる。愛知県西尾市寺部町にある寺部海水浴場は、「旧幡豆郡」(旧一色町、旧吉良町、旧幡豆町)のシンボルのひとつです。周囲には田畑が多く、また漁師町ならではの「魚直売」の軽トラックが走ったりと、時間がゆったり流れていくまち。ここで、最近「ハズフォルニア」というムーブメントが生まれています。「酒の席でワイワイやりながら」名付け、活動を始めたのは鈴木達朗さん、松澤聡さん、牧一心さんなど、30代の幡豆LOVERたち。イベントで一時的に盛り上げるだけでなく、長い目で見て旧幡豆郡エリアを「来て楽しい、暮らして楽しいまち」にするための、彼ら目線のまちづくりを取材しました。
 

 

― 「ハズフォルニア」というネーミングは、「幡豆」と「カリフォルニア」をかけ合わせたものなんですよね?お酒の席のノリで?

 
鈴木:この名前は、憧れのカリフォルニアに行かずとも、「ハズフォルニア」で満足できるだろっていうジョークから生まれています。ハズフォルニアの活動は、自分たちがまずは楽しめることをベースに決まっていきます(笑)。でも、どの活動にも共通しているのは「このまちをもっと遊べ」という思いです。僕は愛知県岡崎市の出身で、高校卒業後、北米やヨーロッパの農園の手伝いや、大工仕事をして過ごしてきました。自然の中でのびのび生きることに魅力を感じていたんです。帰国後もその想いはずっとあって、21歳の時に移住したのがこの旧幡豆郡エリアでした。
 
松澤: タツロー(鈴木さん)は、帰国後すぐに幡豆郡一色町にあるサーフショップ「アイランドサーフ」で、三河湾シーカヤック無人島ツアーのガイドをやってたよね。全身真っ黒に日焼けしてた。
 
牧:「アイランドサーフ」は後に寺部海水浴場にカフェを出すことになったんです。僕とタツロー君は、そのカフェ「オーシャン」で知り合い、一緒に働いてきました。
 

↑ イベント・ツアーの企画、研修、民泊事業などを手掛ける鈴木さんの会社「株式会社WABISABI」のオフィスで取材スタート。古民家を改修した落ち着く空間で、リラックスムードで会話が進みます。左から鈴木さん、牧さん。
 

― ハズフォルニアは、どんなメンバーで、どのような活動をされてきたのでしょう?

 
鈴木:イッシン(牧さん)は「石窯Pizzeria Ocean」でピザ職人として腕を振るっています。僕はオーシャンの立ち上げに関わったことで、寺部海水浴場に人を呼ぼうと、イベントの企画をするようになりました。ここの波は穏やかなので、シーカヤックやSUP(スダンドアップパドルボート)に向いているんです。
 
松澤:大々的にやろう!って盛り上がって、SUPの世界大会もやったよな。思い立ったらすごいスピードでかたちにしていきます。僕は大阪出身なんですが、イスラエルを旅した後、この場所に移り住んできました。今は映像を撮っています。そのひとつ「Hazufornia TV」では旧幡豆郡エリアの「今」を僕ら目線で紹介しています。イッシンとつくった「HAZU MAP」の回では旧幡豆郡エリアを自転車でまわりました。全部で9時間!海だけでなく山もあるまちで、未知の魅力が詰まっています。
 

↑ ハズフォルニアメンバーのひとりで「Hazufornia TV」を制作する松澤聡さん。
映像クリエーションチャンネル「Hazufornia TV」はYouTubeで公開中。
 
牧:「オーシャン」はトレーラー1台でのカフェサービスから始まったから、そう思うと本当にいろんな方向に活動が広がっているよね。僕は父が日本人、母がアメリカ人で、生まれはカリフォルニア、育ちは西尾市。海外の影響も日本の影響も受けながら育ったけど、周囲から影響を受けることで人はいろんな可能性を持つことができる。ハズフォルニアの活動はとても刺激的だし、田舎に暮らしながらも変化を大切にしていきたいと思ってる。
 

― 自分たちの視点を貫きながら、未来に向かって変化していくんですね。ハズフォルニアの活動で大変だったことはありますか?

 
鈴木:このまちに昔から住んでいる方たちは、僕たちが新しいことをやろうとすると「やりん、やりん」と言って応援してくれます。本当にあたたかいまちです。それでも、カヤックツアーを始めた時は、僕自身、田舎暮らしのことを何も分かっていなかったので、近所の方々の理解を得るのが大変でした。その時から、挨拶まわりをしたり、僕たちができることは率先して動くように心がけています。とにかくまちに住む方々の協力がなかったら、どんなことも成り立ちません。
 
牧:タツローはいろんな壁を超えてコミュニケーションをとるのがうまいと思う。自分たちと違う考えや立場の人たちにハズフォルニアをもっと知ってほしいよね、松澤君と僕は西尾市の中村健市長に2カ月に1回インタビューをして、ボランティアで動画配信しているよね。
 
松澤:そう、僕らが市長の広報になるのではなくて、市民の代表として、このまちのことをもっと知りたいし、「左派か右派か」以前に、まちの「今」を知って、自分なりの考えを持って、このまちに暮らすことってすごく大事だと思う。この動画ボランティアがいつか僕らの考えるまちづくりに結び付いたらいいと思います。
 

― 旧幡豆郡エリアの魅力を多くの人に知ってもらい、周遊してもらうために、これからチャレンジしたいことはありますか?

 
鈴木:2017年2月から「ハズフォルニアベイコテージ」という民泊事業を始めましたが、それがゴールではなく、ちゃんとここで美味しい食事や大自然を体感して、遊びつくしてほしいと思っています。そこで、これまで手掛けてきた野外イベントや松澤君中心に行っている映像配信を続けながらも、新たに「HAZUFORNIA暮らしデザイン部」を発足します。2018年6月から3回にわたって「西尾・幡豆の未来を考えるワークショップ」を行う予定です。各地域でいろんな暮らし方、働き方をしている人を講師としてお招きします。4回目に、参加者とグループワークを行い、実際にこのまちでできることを考え、行動することを目的としています。」
 

 

 
松澤:インターネット上に出ていないおもしろい情報が、ローカルにはごろごろ転がってる。もったいないですよね。人と人とが出会う場って、持てそうで持てないから、これを機にハズフォルニアとして交流の場づくりをしていきたいです。
 
牧:個人ができる範囲は限られているかもしれないけれど、逆に大きな組織では成し得ない、個性が際立つことをドンドンやりたい。単純に“幡豆が好き”な僕たちだからこそできることを、これからも続けていきたいですね。
 

 
 

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