インタビュー・モノ

今、新たな鼓動をもって展開している「東海のものづくり」にスポットを当てて、作り手の想いやこだわりに迫ります。ものづくりの宝庫ともいえる、東海エリア。有名どころから知られざる逸品まで、掘り起こします。


 
朝起きた時、仕事や家事の合間、夜のリラックスタイムなどに味わう、淹れたてのコーヒーは格別ですよね。ふわりと漂う心地よい香りに包まれるだけで、ホッと癒される人も多いのでは。そんな一杯をたった5秒で手軽に楽しめるのが「INIC coffee(イニックコーヒー)」。インスタントコーヒーのようにお湯や水で溶かすだけで、まるでドリップ仕立てのような深い味わいに仕上がるドリップド・コーヒーパウダーです。
 

↑ かわいらしい女の子のデザインが目を引くおしゃれなパッケージ。容量たっぷりの瓶タイプも。
 

コーヒー本来の芳醇な香りと深い味わいを叶える独自の製法

 
「INIC coffee」を手がけるのは、名古屋市名東区にある「パウダーフーズフォレスト」。日々の暮らしに安心や安全、おいしさを届けたいという想いから、粉末食品や焼き菓子の企画・製造、販売などを行っています。
「ライフスタイルが変化し、今ではカフェだけでなくコンビニでもおいしいコーヒーが楽しめるようになりました。その一方で、自宅や職場で飲むインスタントコーヒーの味に満足できず、インスタントコーヒーをあまり飲まなくなったという声を聞くようになったんです。そこで、作り方はインスタントコーヒーのように簡単だけど、ドリップコーヒーのような本格的な味わいが堪能できる商品ができないかと考えたのが開発のきっかけです」と語るのは、同社で営業を担当する中西さん。
 

↑ 中西さんは北海道から沖縄まで全国各地に足を運び、販売店に「INIC coffee」の魅力を伝えています。
 
インスタントコーヒーは、焙煎した豆を粉砕し、コーヒー液を抽出した後乾燥させることで完成します。しかし、インスタントコーヒーが発売され始めた約40年前は、今と比べて豆が高価だったそう。そんな中消費者に手頃な値段で提供するために生み出されたのが、豆を高熱にさらす製造方法でした。
「ただ、高熱にさらすことでコーヒーの魅力のひとつでもある香りが飛んでしまうだけでなく、苦味やえぐみが出てしまうんです。そこで本格的なハンドドリップと同じ淹れ方で抽出し、霧状にした抽出液を低温でじっくり乾燥させ、高い品質を保ったまま水分だけを取り除いて粉末状にする製法を独自に開発しました」。この製法により、豊かな香りと深い味わいの1杯が手軽に楽しめる「INIC coffee」が完成したのです。
 

↑ 独自の技術で生まれたサラサラの粉末パウダーは、お湯だけでなく水にもサッと溶けるので、アイスコーヒーも手軽に楽しめます。
 

豆の特性を生かした絶妙な配合を繰り返し、おいしさを追求

 
豆は主に、コロンビアとキリマンジャロ産を使用。「豆にもコクが強いものや香りが良いものなどさまざまな特徴があります。それらを1番生かせるよう焙煎し、配分を変えて混ぜ合わせ試飲するという作業を繰り返し行いました。コーヒーを何杯も飲むので眠くならず、気づいたら朝だったという創業エピソードがありますが、開発工程においては今も当時も変わっていません」。
また非常に細かい粉末のため流動性が悪く、スティックへの梱包が難しいとほとんどの工場に断られてしまったのだそう。それでも全国各地を飛び回り、なんとか引き受けてくれる工場を見つけ、完成品が手元に届いたのは発売日の1ヶ月前。「最後は気合と根性で乗り切れたんだと思います(笑)」と中西さんは苦笑いしながら話します。
 

↑ コーヒーパウダーの研究や試飲は社内で行い、社員みんなで意見を出し合います。
 

↑ 検品や梱包も丁寧に手作業で行われ、全国各地のお客さんの元へと届けられます。
 

好みやシーンに合わせて選べる豊富なラインナップ

 
「INIC coffee」は、豊富な品揃えも魅力。「はじめに誕生したのが『スムースアロマ』。厳選されたアラビカ種のコーヒー豆を100%使用した、すっきりとした味わいの定番商品です。また朝にカフェオレを飲む女性が多いことを聞き、ミルクで溶かして飲むカフェオレ専用の『モーニングアロマ』を発売するなど、お客様のニーズに合わせて新商品を次々と開発していきました」。
ほかにもコーヒーと豆乳のパウダーを混ぜ合わせてソイラテが楽しめる「シルキーソイラテ」やコロンビアのオーガニック豆だけを使用した「オーガニックアロマ」、就寝前やマタニティ・授乳期でも気軽に飲めるよう、カフェインを99.85%除去した「ナイトアロマ」などさまざまな味わいが楽しめます。
 

↑「モーニングアロマ」は、ミルクの旨みとコーヒーの香りが爽やかな朝にぴったり。
 

↑ そのほかアイスコーヒー専用の「デイタイムアイスアロマ」や上質なチョコレートを使用したデザートコーヒー「リュクスアロマ」も人気。
 

ライフスタイルショップや優雅なホテルに販路を開拓し、海外にも進出

 
「INIC coffee」の開発を進める中で、もうひとつこだわったのが販路。「『INIC coffee』は高い品質やクオリティが魅力。1杯あたり2~3円ほどの商品がずらりと並ぶスーパーとは一線を画すため、ライフスタイルショップに販路を作りました」。
主婦層を中心に手にとってもらえるようになり、最近ではSNSでも注目を集める存在に。「また全国のリゾートホテルなど、非日常的の空間でおいしい1杯を楽しんでもらうという提案も行っています。そこでしか購入できない地域限定の商品も開発しました」。2018年1月にはフランスにも進出。「日本国内だけでなく、海外でも愛される商品を目指したい」と中西さんは話します。
 

↑ 沖縄限定の「INIC 黒糖コーヒー」。波照間島産の黒糖を使用し、程よい甘さと苦みが絶妙で、また飲みたくなる1品です。
 

↑ 北欧ブランド「kippis」とコラボした「北欧コーヒー」。「スカンジナビアンディライト」のすっきりとした浅煎りテイストは北欧ならでは。パッケージもおしゃれで、贈り物にもおすすめです。
 
「パッケージや販路などにもこだわっていますが、私たちの1番のこだわりはやはりおいしさ。いつでも気取ることなく飲みたい時にサッと溶かし、おいしいと満足してもらえることが、私たちが発売当初から変わらず掲げている目標です。新商品の開発はもちろん、今ある商品もよりおいしいと感じてもらえるよう、社員一丸となって日々研究に励んでいきます!」。
 
「INIC coffee」以外にも、日本国内から厳選された国産果汁にこだわった無添加100%のジュース「JUICY Co.」やコーヒーに合うスイーツが揃う「FACTORY758」などさまざまなブランドを展開している「パウダーフーズフォレスト」。今後も食を通して、私たちに安心や安全、癒やしのひとときを届けてくれることでしょう。
 

↑ 住宅地の中に佇む「パウダーフーズフォレスト株式会社」。
 

↑ 最後に和気あいあいとした雰囲気が印象的な社員のみなさんと。今後の商品展開にも期待が高まります!
 
(写真:西澤智子 文:松本翔子)
 
 

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