インタビュー・モノ

今、新たな鼓動をもって展開している「東海のものづくり」にスポットを当てて、作り手の想いやこだわりに迫ります。ものづくりの宝庫ともいえる、東海エリア。有名どころから知られざる逸品まで、掘り起こします。

紀伊半島、三重県南西部に位置する多気郡大台町。豊かな生態系や生物多様性を守りながら文化的・経済的・社会的に持続可能な発展を目指しているとして、「ユネスコエコパーク」の認定地域となっているこの場所で、森林の恵みを存分に楽しめるプロダクトが開発されています。森林で採取した枝葉から抽出したエッセンシャルオイルをはじめとする「Odai(オオダイ)」。開発の中心を担っているのは宮川森林組合。大台町の森林への想いや活動、プロダクト開発について迫ります。
 

↑ 商品の中心にある「Odai」ロゴマークは、山と川と太陽で大台町の自然を表現。さらにOdaiの文字となるよう作られています。
 

森林を循環させていくため、“適地適木”を

 
宮川森林組合がプロダクト開発をおこなう背景には、“大台町の森林を守り、循環させていく”という想いがあります。
「日本の林業はスギやヒノキで生計をたててきました。しかし、外国産の材木や虫害の影響などで木材の価格が低下するなか、『お金にならないなら、木を植えなくてもいい』という森林オーナーも。それでは森林が維持できない。林業のあり方を見直す必要があるんじゃないかなと思ったときに、“適地適木(てきちてきぼく)”に思い至ったんです」とは、宮川森林組合の中須真史さん。
“適地適木”とは、ひとつの森林内でも場所の特徴にあった多種の木を植えるという考え。そんな森林本来の生態系を大切にする取り組みを、10年程前からスタートしました。
 

↑ 宮川森林組合の中須さん。穏やかな笑顔と語り口で、「Odai」開発について話を聞かせてくれました。
 

↑ 大台町の森林は、標高1,695mある最高峰の「日出ヶ岳」もあれば、標高25mほどの場所もあり、三重県内では最も森林の標高差がある地域。気温差も大きいうえ、湿った土の場所もあれば、岩場、石だらけの場所があったりと、多種多様な木や植物が生息しやすい環境なのだそう。
 

4種のエッセンシャルオイルをはじめ、オリジナルブレンドも

 
“適地適木”のために、まず苗木づくりからスタート。苗木はなんと、約120~130種類! そんな、将来の森林を支える苗木づくりとともに、林業を維持していくために着手したのが「Odai」のプロダクトです。
「木の特徴を最も生かすことのできる商品は何か?と考えたときに、天然成分100%で作れる“エッセンシャルオイル”に至りました」と中須さん。また、“エッセンシャルオイル”だけだと用途や興味を持つ人が限られてしまうので、リードディフューザーや消臭スプレーなど、日常のライフスタイルで気軽に使える商品も開発していきました。
 

↑「エッセンシャルオイル」(5ml)は、クロモジ(7,700円)・タムシバ(8,700円)・ヒノキ(2,700円)・オリジナルブレンド(7,550円)の4種類。樹木の種類ごとに効能や香りが異なり、好みで選べます。
 
「エッセンシャルオイル」は4種類ありますが、そのほかの商品はオリジナルブレンド1種類のみ。これにも、“買う人にとってわかりやすく、クロモジ・タムシバ・ヒノキ・カナクギノキをバランスよく配合することで、大台町の森林を丸ごと感じてもらいたい”という中須さんたちの想いが込められています。
 

↑「リードディフューザー」(300ml)5,550円。リードとして大台町の樹木の枝がセットに。ナチュラルな雰囲気がオシャレ!
 

↑ 左より、「リフレッシュスプレー」(100ml)2,400円、革や木製品のお手入れ用クリーム「レザー&ウッドトリートメント」(20g)1,800円、「消臭スプレー」(300ml)1,750円。
 
大台町の森林維持を支える“希望”ともなる「Odai」。その開発・製造には、宮川森林組合だけでなく、その想いに共感した多くの専門家が関わっています。そのうちの1人が、“大台町の森林についての知識では、右に出る者がいない”と言われる、森正裕さん。
後編記事では、製造現場に密着。宮川森林組合や森さんの仕事ぶりや、「Odai」の新商品、今後の展望などについて紹介します。後編記事は7月18日頃、公開予定です。
 
(写真:西澤智子 文:広瀬良子)
 
後編はこちら
 
 

SHARE

  • Facebook
  • Twitter
pagetop