インタビュー・モノ

今、新たな鼓動をもって展開している「東海のものづくり」にスポットを当てて、作り手の想いやこだわりに迫ります。ものづくりの宝庫ともいえる、東海エリア。有名どころから知られざる逸品まで、掘り起こします。

前編はこちら
 


アウトドアはもちろん、室内でも大活躍する折りたたみチェア「PATATTO(パタット)」。前編ではバッグに入るほどコンパクトに折りたためるのに頑丈な設計の秘密について紹介。後編では岐阜県関市にある製造現場に潜入。「PATATTO」が完成するその瞬間を見学させていただきました!
 

↑新型「PATATTO」。定番人気のネイビー、ブラック、レッドに加え、インテリアにも馴染む新色オリーブとテラコッタが仲間入り。
 

仕上がりの印象を左右する金属の質感

 
「PATATTO」を製造しているイケックス工業の関工場では、中国で加工され板の状態で届く発泡ポリプロピレン(PP材)を組み立てて仕上げる工程を行っています。中央のスナップボタンや、サイドを止める金具(リベット)は「PATATTO」のこだわりの1つ。
 
「リベットには強度を出すためにスチールを使用しています。PP材で作ることもできますが、あえて金属の部品にすることで、お客様に品質と強度への安心感を持ってもらえたら」と話してくれたのは関工場の工場長も兼務されている、技術開発部部長の濁川(にごりかわ)保さん。
 

↑スチールを用いることで、デザインのアクセントにも。

 

温もりあふれる手づくりの作業場

 
さっそく関工場の中を案内していただくと、木材で作られた機械や棚が並び、どことなく温かい雰囲気。全自動の機械で量産する製造工場とは印象が違います。「以前はすべて手作業で行っていましたが、今は力のいる作業工程を補助できる機械を活用しています」。機械は濁川さんが設計したのだそう!

 


↑この商品を保管している棚もイケックス工業の社員が設計し、組み立てたのだそう。
 

↑「PATATTO」を製造している作業員のみなさん。1列目中央が濁川さん、2列目左から2人目が広報チームの碇子英理奈さん。アットホームな雰囲気が伝わってきます。

 

安全性への配慮と、生産効率アップを両立

 
「機械設計をする上で安全性にはとことんこだわるようにしています」と濁川さん。例えば、「PATATTO」の製作に使用する機械では、起動に両サイドに設置されたボタンの同時押しが必要。0.5秒のズレでも作動しません。エコに配慮し、電気を一切使わず空気の力だけで動く仕組みにも驚きです。
 
機械を導入したことで、1日100個ほどだった生産数が最大800個まで拡大したそう。
 

↑スナップボタンを取り付ける機械。
 

↑1つひとつ手作業で付けていたリベットも、すべて同時に取り付けられるようになり効率アップ。
 


↑金具を取り付け終わったら本体を開閉し、不備がないかを確認。この作業をすることで使用時に開きやすくなります。
 

見て触れて体感する機会をもっと

 
名古屋市千種区にはイケックス工業の自社ブランド「SOLCION」の直営店「SOLCION SHOP」があります。直営店では「PATATTO」シリーズを試したり、カラーバリエーションを実際に見たりすることができます。マッサージ器具の「ツノマル」や「タングルクロック」など「SOLCION」が手がけるその他の商品も試せるほか、デコパージュやアート体験のワークショップも開催。
 

 
折りたたんでバッグに入れることができ、持ち運びがラクチンな「PATATTO」。春から秋にかけてのアウトドアシーンをもっと楽しく快適に過ごすためのマストアイテムになりそうです。
 


 

(写真:西澤智子 文:堀絢恵)
 
 

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