体験

「しょく」=食、職、触。さまざまな情報を手に入れることがたやすくなった今の時代においても、生の体験、実際に自分の手で触れることを大事にしていきたい。1人でも、友人やお子さんとでも。「触れる」魅力を宝物に。

9月14日(土)~16日(月・祝)の3連休、JR岐阜駅、アクティブG、岐阜シティ・タワー43に全国から180以上の作家が集まる「18th GIFUクラフトフェア」が開催されます。
出店数の多さはもちろんのこと、多彩なジャンルの職人や作家の実演を見ることができたり、ものづくりが体験できるワークショップが豊富にあるのも魅力!
 
第18回となる2019年開催で注目したいのが、岐阜の伝統工芸が体験できるワークショップ。飛騨の木工、関の刃物、岐阜和傘、美濃和紙、美濃焼タイルの分野で活躍する職人から直々に伝統技術を教えてもらえるのが醍醐味です。
今回はその中から、「飛騨の森ククサ作り」を体験してきました。
 

 

北欧生まれの、幸せを運ぶマグカップ“ククサ”

 

ククサとは、フィンランドやスウェーデンなどの北部にあるラップランドで、白樺のこぶをくりぬいて作られていたもの。もともとは水汲みの道具だったものが、飾りとしてやマグカップとして、北欧以外にも広がりました。蜜ろうで仕上げるククサは使うごとに味わいが増すのも魅力のひとつ。“ククサを贈られた人は幸せになる”という言い伝えもあるそうです。

 

 

今回ククサ作りを教えてくれたのは、飛騨高山で北欧テイストのオーダー家具を手がける工房「山岳木工」代表の鈴木岳人さん。KOIVUでは、3年ほど前からククサを制作販売。職人によって素材や作り方は異なるそうで、鈴木さんは岐阜のヒメコマツを素材に使っています。ヒメコマツは硬くて丈夫なうえに削りやすく、ククサ作りに向いているそう。

 


↑山岳木工代表の鈴木さん。

 


↑取材に伺ったのは、岐阜県高山市にある工房。空気の清々しい、のどかな山あいに佇みます。

 

ナイフで削ったり、やすりで磨いたり。ククサ作りに挑戦!

 

鈴木さんに教えてもらいながら、ククサ作りに挑戦。ざっくりとした形までは鈴木さんが切り出してくれているので、そこからナイフで削ったり、やすりで磨いたりして、手にしっくり馴染むよう整えていきます。
 


↑ざっくりとした形状に、機械で切り出していきます。

 


↑左が整える前で、右が整えた後のもの。右のように滑らかになるよう、頑張ります!

 


↑スウェーデンの伝統的なナイフ「モーラナイフ」を使用して削ります。

 

角ばったところを、モーラナイフで削ります。向きによって、削りやすかったり、刃がスムーズに進まなかったり。「木目に沿うようにして削るといいですよ」と鈴木さん。
なるほど!木目を考えながら作業すると、格段に削りやすくなりました。削っていると無心になり、作業に没頭します。

 

 

モーラナイフを使うのは初めてでしたが、削る作業にも次第に慣れてきました。ナイフで削ったら、やすりで磨いて…の繰り返し。これが完成!という明確なゴールはありません。手に持ったときに、肌触りや形が自分の手にしっくり馴染むかどうか。自分でよし!と思えば、完成です。

 


↑使うときに1番手に触れることが多い持ち手部分は、とくに念入りに。

 


↑輪っかの部分は細かく削らなくてはいけなくて、最も苦労したところ!

 


↑渾身の力を込めて、やすり磨き。力のいる作業で額に汗がじわり。だいぶ滑らかに仕上がってきました!

 


↑底も滑らかにして、完成です。

 


↑完成したものを蜜ろうで仕上げしたものがこちら。ほんのり飴色になり、艶がでました!

 

初めはナイフが上手に使えるかどうか不安でしたが、慣れてくると作業に没頭し、もっともっと自分の手に馴染むように…と、いつまでも削ったり磨いたりしたくなる、ククサ作り。自分の手にしっくり馴染む形や肌触りに仕上げられるのは、細やかに形を整えられる木ならでは。仕上がりのほっこりとした雰囲気にも、愛着がわきます。
鈴木さんと一緒にオンリーワンのマグカップが作れるGIFUクラフトフェアへ、ぜひ足を運んでみて。

 

取材協力:山岳木工 鈴木岳人さん 

 
(写真:西澤智子 文:広瀬良子)

 
 

 
 
前回の記事はこちら→9月の3連休はGIFUクラフトフェアへ! 注目ワークショップ【岐阜和傘の糸かがり】を体験 

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