インタビュー・ひと

「こんなことしたらおもしろいかも!」を実現した人、また、東海エリアに新たな息を吹き込んだ立役者となる『仕掛け人』にインタビュー。仕掛け人の存在や想いを知ることで、イベントや場所がよりイキイキと目に映るはず!


自然豊かな公園や、学校、子育て支援などが充実し、住みよい街として知られる愛知県春日井市で、DIYの楽しさを広めようとさまざまな活動を行う「DIYクリエイター」のchikoさん。家具や雑貨をDIYでかっこよくリメイクするほか、社会問題になっている空き家のリノベーションにも携わっています。自宅をDIYしたことがきっかけで、DIYを仕事にして活躍するchikoさんに、お話しを伺いました。

 

― まずは、DIYを始めた経緯について教えてください。

 
chiko:もともとは、自宅の住み心地が悪かったことがきっかけでDIYを始めました。20年前に築10年の中古住宅を購入したんですが、いざ住み始めてみると部屋がとても寒かったんです。その理由は壁や床に断熱材が入っていなかったため。リフォーム代を浮かせるために“自分たちでやろう!”と。ホームセンターに断熱材を買いに行き、職人さんの手も借りながら床下へもぐってリフォームしました。
 

― それは大変な作業でしたね!まさにDIY。

 

chiko:知り合いの大工さんや左官さんに手伝ってもらいながら、壁を塗り直したり、フランス製のパイン材の床に貼り替えたりして、自分好みの家に仕上げていきました。その作業が意外と楽しくて。もしかしたら雑貨もつくれるんじゃない?という自信が湧いてきて、雑貨店やインテリアのDIYをするようになったんです。
 


↑もともとは和室だったアトリエ。

― 木材を利用した雑貨がたくさん並んでいますが、これもご自身でリメイクされたものですか?

 
chiko:雑貨店で見たアンティーク調のデザインを参考にして、安い木材を買って自分なりに再現して楽しんでいます。
 


↑100均のアイテムでつくられた、手づくりのクーラーボックス。
 


 
chiko:これは木のクーラーボックスがあったらかわいいなぁと思ってつくりました。箱は100均の桐でできた木材なので、とても軽くて持ち運ぶのに便利なんです。
 

― 「DIYクリエイター」としてはどのようなことをされているのですか?

 
chiko:DIYで雑貨をリメイクしてSNSで紹介したり、空き家をリノベーションしたり。DIYに絡んだ仕事は何でもやっています!100均アイテムを使ったDIYは、ただつくったものをSNSに投稿するのではなくて、つくり方も紹介。実践してもらって自分でつくる楽しさを知ってもらいたいです。雑貨のリメイクに限らず、空き家リノベーションの取り組みなど、DIYの可能性を広げていきたいです。
 

― 「wagon works」という社名なんですね。ロゴがかっこいいです。

 

chiko:DIYを職業としてスタートしたときに、手がけた雑貨やインテリアをSNSに投稿していたんです。投稿した自分の作品を客観的に見ると、ロゴが入っていたらかっこいいなと。無垢な木材と、無骨なデザインが好みなので、オールドアメリカンな車の荷台に家具をつめて、果てしない道を走っていくイメージでつくりました。

 


↑chikoさんのご自宅(リビング)

 
 

― 空き家DIYリノベーションの活動に取り組んでいるとお聞きしました。どんな活動をされているのでしょうか?

 
chiko:私がDIYでリノベーションをする活動を知った春日井市の職員の方からお話をいただいて、春日井市にある空き家の賃貸住宅をDIYでリノベーションしました。
DIYに興味がある人をブログやSNS、春日井市のHPなどで募集して、集まったのが20~40代の男女11人。毎週土日にワークショップを行い、部屋を丸ごと改装していきました。職人さんの手ほどきを受けながらみんなでつくっていくので、技術を身につけられるのもメリットのひとつだったと思います。
 


↑フレンチをテーマにDIYでリノベーションした春日井市の空き家。
 

― みんなでつくっていく楽しさも良いですね。反響もあったのではないでしょうか?

 
chiko:そうですね。春日井市で活動した空き家DIYを南知多の役場の方たちが見てくださって、お声掛けいただいたんです。“一戸建ての家を改装して、南知多の情報発信地となるようなレンタルスペースにしたい”とのことでした。ここでも、春日井市の空き家DIYリノベーションと同じ形式で、数名でワークショップを行ったんです。海に面した素敵なロケーションだったので、カリフォルニアスタイルのビーチをイメージした室内にしました。
 

― DIY好きが集まることで、仲良くなれそうですよね!

 

chiko:驚いたのが、68歳の人が参加してくれたこと。「南知多の離島でペンションを経営しているんだけど、建物が古くなってきたから自分たちで修理したい!」と話してくれて。自分たちでどうにかしたいという想いにとても感銘を受けました。
みんなDIYが好きで、一緒にいる時間が長いということもあって、とても仲良くなって帰っていくんです。あるときにはみんなで陶芸を楽しんだりも。DIYを起点にひとつのコミュニティが生まれてとても嬉しかったです。
 

 

↑南知多のコミュニティスペース「カドミナ」。
 
chiko:それまで100均のDIYリメイクにしか興味がなかった人も、空き家の活動を知って問題意識を持ってくれる人が増えてきて。それはすごく嬉しいなと思います。わたしのように取り組みたいという人が、各地でチームをつくって空き家DIYの活動に励んでいるという声も耳にして。DIYが、空き家問題の解決の糸口になれればいいなと思います。
 

↑高蔵寺の廃校になった椅子を使ってリメイクするワークショップも開くのだそう!
 

― chikoさんが思う、DIYの魅力とはどんなところでしょうか?

 

chiko:DIYは、自分で好きなように手を加えることによって、デザインが気に入らないものや古いものでも、かっこよく生まれ変わるところが面白いです。自分で修理しながら長く使っていると、次第に愛着が湧いていきますよね。わたしの子どもが小さいときにおもちゃ箱として使っていたものを、中学生くらいになったときに、教科書入れとしてつくり直したことも。モノも家も、一緒に成長していけるところにDIYの魅力を感じます。
 

 

― 最後に、chikoさんのこれからの活動について、お聞かせください。

 

chiko:DIYだけでなく、最近は新築のプロデュースもしています。2019年11月に、私が一からプロデュースした新築のオープンイベントをするのですが、近頃、わたしのように主婦からクリエイターになるような人が増えてきていると感じていて。家のリビングで作業すると、食事の時間に一度片づけないといけないですよね。そういうクリエイターのママたちのために、アトリエがある家を尾張旭につくりました。
ママに限らず、家具や雑貨を家族みんなでつくれるようなアトリエって素敵ですよね。

 

 

 
 
(文:壁谷 雪乃)

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