体験

「しょく」=食、職、触。触れることの魅力を伝える、編集メンバーの体験記事。

春(=お財布が張る)ということで、歴の上での春(12~3月頃)に財布を新調することを“春財布”と呼び、金運アップにつながるといわれています。
 
寒さが身に染みるようになってきた今日この頃。少し気が早いですが、来年使う財布を作るべく向かった先は、犬山でレザークラフト教室や革製品の販売を行う「犬山革工房」。
好きな色の革や縫い糸を選び、ミニ財布を手づくりしてきました。
 

犬山城下町にあるおしゃれな店構えの「犬山革工房」。店内にはオリジナルのレザーバッグや革小物が並び、温かい雰囲気です。今回ミニ財布づくりを教えてくれたのは、オーナーの岩佐昌幸さん。「レザークラフトを体験して革の良さを感じて欲しい」との言葉に、期待が高まります。
 

↑「犬山革工房」オーナーの岩佐昌幸さん

どんな色にしようかな…悩むのも楽しい素材選び

 

表地の革は私の好きな茶色を選びました。中張りは何色にしようかな…。仕上がりをイメージしながら好きな組み合せを選びます。
 

革を縫うのに使う糸の色も重要!ステッチを目立たせるか、革と同色にして落ち着いた雰囲気にするか、自分に似合うのはどっちかな?素材選びが終わったら、革を裁断してもらいます。
 

一枚の革から複数のパーツが切り出されていきます。
 

特別に見せていただいたストックヤードには、大きな革がたくさん。工房だからこその、色や種類のバリエーションの豊富さに心おどります。「犬山革工房」では、国内外の有名タンナー(製革業者)の革を使っているそう。良い革だからこそ、エイジングが楽しめそうで嬉しい!
 

綺麗な仕上がりのために。たくさんの工程に驚き!

 

まずは表地と裏地を貼り合わせるために接着剤を塗ります。縫うだけでは、糸が通っていない部分が浮いてしまい、見た目の悪さだけでなく、強度も弱くなってしまうとのこと。接着剤を薄く均等に塗ることが、見た目もよく丈夫な財布に仕上げるコツです。
 

表地と裏地を貼り合わせたら、裏地を貼らない部分をガラス板でなでて革の裏をツルツルに。
 

革の側面は薬剤を塗って目の粗い布で磨き、滑らかに整えます。どこからみてもキレイに整ったパーツをさっそく組み立てていきます。
 

パーツ同士もまずは接着剤でくっつけます。この時、端と端がぴったりと合うように貼り合わせることが重要とのこと。少しでもズレてしまうと綺麗に仕上がらないそうです。緊張する作業です。
 
縫い始めるまでの工程の多さに驚くと共に、革製品ってこんなに手間のかかるものなんだと実感しました。
 

いよいよ縫い合わせ。分厚いけど大丈夫かな…

 

糸で縫い合わせるため、まずは針を通す場所に穴をあけていきます。デザインの段階で、穴の個数をすでに決めているそう。決められた場所に正確に穴をあけていきます。失敗が許されないこの作業、道具をまっすぐに持ってしっかりと狙いを定めます。
 

あけた穴に糸を通して縫っていきます。布とは違い、玉結びを作らない、波縫いはできないといった革を縫うための特有のルールが。力を入れすぎると表面がたわんでしまうし、力が弱すぎると締まりのない縫い目になってしまう…奥の深い作業です。
 

難しいのはカーブの部分や、革が重なった部分。自分の体の正面に縫う場所がくるように角度を変えながら縫い進めていきます。作業に没頭すること約2時間。ようやくすべてのパーツを縫い合すことができました。
 

仕上げに革の端をブラッシュアップ

 

手触りを良くするには端の処理がポイントに。ガタついている部分を専用の工具で削りとっていきます。「へりおとし」と呼ばれるこの作業は、工具を革に当てる角度の調整が難しいそう。ここは難しいのでヘルプしてもらいました。少しガタついていた端がスーッとキレイになる様子は、まるで木材にカンナがけしているみたい。あっという間にキレイになる技に目が釘付けです。
 

最後に革を磨いて完成です。
 

自分で作ったからこそ、より革の温かさを感じます。世界にひとつだけの手作り財布。
 

来年は金銭面でも、もっと豊かになるとうれしいな!そんな思いを込めて、内側は金運アップカラーの黄色です。
 
今回は約3時間でミニ財布として使えるコインケースを作りましたが、「犬山革工房」ではキーホルダーやポーチなどさまざまなレザークラフト体験ができます。今後は、クラフト素材の販売会も計画中とのことで、オリジナルのこだわりをカタチにする楽しみが広がりますね。
 
 
(文:黒柳 愛香)
 
 

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