東海道の宿場町であり、交通の要衝として栄えてきた三重県桑名市には、風情を感じる街並みや建築物、1953年から始まっている朝市「三八市」など、レトロな気分に浸れる場所が多くあります。桑名駅からてくてく歩きながら、のんびりとした時間の流れを感じるスポットをHIROBAくんと巡りました。
多くの人で賑わう名物朝市「三八市」
JR・近鉄桑名駅から東へ徒歩で約10分。八間通りをまっすぐ歩いていくと、寺町通りの入り口が見えてきます。ここは古くから親しまれる寺町通り商店街。200mほどのアーケードに、和菓子店や惣菜店、衣料品店などさまざまなお店が軒を連ねています。毎月、3と8のつく日に開催される「三八市」には、桑名市内外からやってくる農家の路面店や、この日だけのグルメも登場するのだそう。さっそく名物朝市へGO!
↑新鮮な野菜がずらり。値段もリーズナブルです。
↑近くの桑名別院本統寺などへの参拝客が多く、商店街として発展したそう。
↑焼きたてのみたらし団子が柔らかくてもっちもち!
三八市にはさまざまなジャンルのお店が50店舗ほど参加しています。野菜、魚介、惣菜、練り物、パン、スイーツ、切り花、雑貨類、団子やお好み焼などの食べ歩きグルメなどなど……、挙げ出したらキリがありません。見て回るだけでもなんだかウキウキ、お店の人との会話も楽しい!
↑商店街入り口付近にあるてらまち広場。その横には駐車場もあります。
商店街の隣にはトイレやベンチがある「てらまち広場」があり、商店街内で使用可能なショッピングカートも。のんびり、ゆったり歩きながら商店街での買い物を楽しむことができます。
和洋折衷の建物!? 国の重要文化財「六華苑」
寺町通り商店街から北へ向かって徒歩10分。国の重要文化財・六華苑へと向かいます。「桑名七里の渡し公園」を突っ切っていくと近道です。
↑六華苑の隣にある「桑名七里の渡し公園」。休憩所もあるので、三八市で買った甘味などをここで食べても。
六華苑の入り口をくぐって進むと、素敵な洋館が見えてきました。
ただの洋館ではありません。鹿鳴館の設計で有名なイギリス人建築家ジョサイア・コンドルが手がけた洋館に、和館がつながっている建築物なのです。
↑庭園から池を挟んで。国の名勝に指定されている庭園も手入れが行き届き、見事です。
建物に近寄ってみると、確かにパステルブルーの洋館に純和風建築がドッキングしています!なんだか不思議な心持ちに……。
↑実業家である二代諸戸清六の新居として作られた六華苑。初めから洋館と和館をくっつけて建てられたそうです。
↑数々の映画やドラマに登場した階段。
中へ入ると歴史を感じる空間が広がり、一気にタイムトリップしたような気持ちに。どこを切り取っても絵になるので、結婚式の前撮りなど記念撮影にも利用されるそうです。ドレスも映えそうだし、その気持ちわかる!
↑暖炉や一部の家具は二代諸戸清六が住んでいた当時のままになっています。
↑庭園を一望できる2階のサンルーム。
↑和館にある客間はさすがの風格です。
桑名が三重の玄関口と言われる理由
六華苑から少し南下すると、桑名七里の渡し場跡 伊勢国一の鳥居にたどり着きます。江戸時代、名古屋市熱田区の「宮宿」と桑名宿は海路で結ばれていましたが、海上七里であったことから「七里の渡し」と呼ばれていました。この渡し跡にある鳥居は、東国からの旅人にとって、伊勢国への玄関口。この鳥居は、伊勢神宮の式年遷宮ごとに建て替えられています。
周辺は公園として整備されており、のんびり散歩するのも気持ちがいい!
川沿いに建つ水門統合管理所は、かつて桑名城の隅櫓(すみやぐら)の一つでもある蟠龍櫓(ばんりゅうやぐら)を復元していて、2階は展望台になっています。
「宿場の茶店 一(ハジメ)」でほっと一息
一の鳥居のすぐそばにある「宿場の茶店 一(ハジメ)」は、ほっと一息つける小さな休憩処。伊勢茶や抹茶などのドリンク類や甘味が味わえます。
寒い日に人気のメニューは「あったか白玉とお飲み物セット(800円)」。
あったかもちもちの白玉を、ソースやあんこをつけていただきます。ソースは抹茶、黒蜜、キャラメル、きなこ、黒胡麻の中から3種類を選ぶことができるため、最後まで飽きが来ずにペロリ!
白玉を追加できる「追い白玉(3個100円、7個200円)」や、「追加バニラアイス(100円)」があるのもうれしいですね。
セットのドリンクは「抹茶ラテ」をオーダー。こちらは桑名のお茶屋さんから仕入れた本格抹茶を一から立て、泡立てたミルクとあわせるという本格的な作り。抹茶の苦みと香りが豊かで、抹茶好きにはたまらない一杯です。
もう一つ、ハジメで人気の甘味がどら焼きです。イートイン、テイクアウトともに可能で、ベーシックな「あんこ(180円)」のほか、「あんことマスカルポーネ(230円)」や「栗とクリームチーズ(230円)」などの変わり種も人気なのだそう。今後は新フレーバーも登場予定とのことで、こちらも楽しみです。
気分はすっかり江戸時代の旅人。桑名を満喫し、家路へとついたHIROBAくんなのでした。
(文:河合春奈)
住所 | 三重県桑名市寺町通り |
開催日時 | 毎月3・8のつく日の午前中 ※1/3はお休み |
問い合わせ | TEL 0594-21-5416(桑名市物産観光案内所) |
住所 | 三重県桑名市大字桑名663-5 |
開苑時間 | 9:00~17:00(入苑は16:00まで) |
定休日 | 月曜(月曜が祝日の場合は翌平日)、年末年始(12/29~1/3) |
入苑料 | 高校生以上460円、中学生150円(小学生以下は無料、ただし付き添いが必要) |
問い合わせ | TEL 0594-24-4466 |
住所 | 三重県桑名市川口町8 |
営業時間 | 11:00〜18:00 |
定休日 | 毎週月曜 |
駐車場 | 店舗横に2台 ※満車時は近隣(徒歩約2分)の無料駐車場をご利用ください。 |
問い合わせ | 080-8251-5056 |