
モザイクタイルの色彩が美しい「イスラームのドーム天井」や、光を反射するほどピカピカに仕上がる「光るどろだんごづくり」が人気の、愛知県常滑市のINAXライブミュージアム。6つの施設からなり、他にも見どころはたくさんありそう!ということでHIROBAくんと出かけてきました。2025年4月にはトイレをテーマにした施設「トイレの文化館」も新たに登場予定。オープンに先がけ、その見どころも少し紹介します!

まずは総合受付「窯のある広場・資料館」へ
INAXライブミュージアムには、「世界のタイル博物館」、「窯のある広場・資料館」、「建築陶器のはじまり館」、「土・どろんこ館」、「陶楽工房」、「やきもの工房」の6つの施設があります。体験のみの人も、有料展示施設を見学する人も、まずは「窯のある広場・資料館」で受付します。
「窯のある広場・資料館」では、常滑で盛んな土管づくりの歴史を辿る展示を見ることができます。

1960年代の全盛期には、全国の土管の多くが常滑市でつくられていたそう。原料となる土が豊富にあったことに加え、高温で焼き締めるため丈夫で品質が良いこと、海が近く運搬するのに便利な場所であることも、その理由だそうです。

土管やタイルを焼くときの燃え上がる炎を実際に使われていた窯に入って体感できる「窯プロジェクション」。炎に包み込まれるような感覚で臨場感たっぷり!
プロジェクションマッピングの映像の合間には、窯の内部をよく見てみて。飴色の光沢をまとった箇所がありますが、これは土管を焼くときに塩釉(えんゆう)という手法で塩を窯に投入していたことの名残。ナトリウムと土の成分が化学反応することにより、土管の表面をコーティングし、水を染み出しにくくしていたそうです。
続いて、写真映えスポットとしても人気の「世界のタイル博物館」へ。
タイルの色彩に魅了!「世界のタイル博物館」

イスラームを象徴するターコイズブルーのエントランスアーチが印象的な「世界のタイル博物館」。紀元前から近代まで7000点を超える装飾タイルが収蔵されているとのこと。さっそく中に入ります!

入ってすぐの場所の壁は「クレイペグ」というタイルで装飾されています。

細長い形状のタイルを壁に積み上げていく珍しいスタイル! この形状だからこそ、カーブを描く壁にも装飾しやすいのだそうです。

イスラーム建築のドーム天井を再現した「イスラームのドーム天井」。12種類5万ピースのモザイクタイルを使い、幾何学模様が彩られています。青を基調とした鮮やかな色彩は、ずっと見ていたくなる美しさ!砂漠地帯が多い中近東エリアにおいて、青は、海や水、そして空や宇宙を連想させる色として神聖な存在なのだそうです。

イギリスのヴィクトリアンタイルは、色合いやツヤ感が素敵!国やエリアによって色や雰囲気が異なるので見ごたえがあり、タイルの世界にどっぷりと浸れました。
隣接するミュージアムショップにも、かわいいアイテムがたくさん並んでいますよ♪


ユニークなやきものに出会える「テラコッタパーク」
休憩スペースにもなっている「テラコッタパーク」には、かつて近代日本のビルを飾ったやきものを見ることができます。

日本を代表する建築家・村野藤吾さんの代表的な建築物の一つで、丸栄百貨店本館の外壁のモザイク画の一部を展示。

そのほか、有名な建築物のテラコッタの数々は、趣たっぷり!

大阪ビル1号館(東京)の鬼面のテラコッタ。一つひとつ顔が異なるので、見ていて飽きません。
ものづくり体験やレストランも!
「土・どろんこ館」では、壁にも土をふんだんに使った建築が特徴。土の特性により夏は涼しく、冬は暖かく保たれ、何より土のほっこりした温かみのある空間が魅力です。

ここでは「光るどろだんごづくり」が体験できます。最初はざらざらな土なのに、磨いていくにつれて光を反射してピカピカになるのが不思議!

また、この建物に来たら行っておきたいのがトイレ。壁全面が色鮮やかなモザイクタイルで彩られています。

隣にある「陶楽工房(とうがくこうぼう)」では、カラフルなモザイクタイルを使ったアート作品づくりも楽しめます。


見学や体験でお腹が空いたら、レストラン「ピッツェリア ラ・フォリナーチェ」もチェック! 薪窯で焼き上げたピッツァと自家製ドルチェが自慢です。


日本のトイレ文化を発信する「トイレの文化館」
INAXライブミュージアムでは新たに7つめの館として、日本のトイレ文化を発信する展示館「トイレの文化館」が2025年4月17日にオープン予定。

木製便器の時代から、華やかに装飾された陶磁器製便器、水洗化を経てさらなる進化を遂げている現代のトイレに至るまで約50点の実物が展示されます。

トイレの進化に目を見張るだけでなく、その背景にある清浄性や清らかさをトイレに求めた日本の精神が感じることができるはず!
美しいタイルや貴重なやきものの装飾、そして、ものづくりの体験プログラムも充実するINAXライブミュージアムに足を運んでみて。
住所 | 愛知県常滑市奥栄町1-130 |
営業時間 | 10:00~17:00(最終入館は16:30) |
休館日 | 水曜(祝日の場合は開館)、年末年始 |
入館料 | 一般700円、高・大学生500円、小・中学生250円 |
駐車場 | あり |
アクセス | 名鉄「常滑」駅より知多バス「知多半田駅行き」に乗車し、「INAXライブミュージアム前」停より徒歩2分 セントレアライン「常滑」ICより車で約7分 知多半島道路「半田」ICより車で約15分 |
TEL | 0569-34-8282 |
(文:広瀬良子)