2025年に初開催された、名東区の西山商店街を中心としたアートイベント「なごや裏山芸術祭」。今年は「より街の人々や場所、子どもたちに向けた芸術祭」をコンセプトに、地域に根差した芸術祭が予定されています。実行委員の植村康平さんに、イベント開催の思いについて話を伺いました。
植村 康平さん
植村康平建築設計事務所を主宰。東海エリアを中心に店舗やオフィス、住宅などを設計し、2019年9月、名古屋市名東区の西山商店街に空き店舗を改修した複合施設「ニシヤマナガヤ」を手がけ、運営に携わる。5人の実行委員で共同して「なごや裏山芸術祭2025」を昨年開催。今年第2回開催を予定している。

初開催の昨年は、どんな思いでイベントを立ち上げたのですか?
植村(以下、敬称略):ニシヤマナガヤのオープンをきっかけに地域の方をはじめいろんな方と交流が広がった中で、何かみんなで企画してみようという話が持ち上がりました。発端は、ニシヤマナガヤに未完美術館というのがあり、そこをリニューアルしようという話から。予算がない中、クリエイティブ・リンク・ナゴヤの活動助成に採択していただくことができ、開催に向けて始動しました。
「裏山」という響きが良いですね!
植村:この辺りだと、皆さん星ヶ丘駅周辺か東山動植物園どまり。だけど、少し坂を超えた西山商店街周辺にも良いお店や魅力的な場所があるんだと知ってもらいたいな、と。「なごや裏山」とネーミングしました。

どんなアートイベントなんですか?
植村:昨年は初めての試みだったので、まずは実行委員会の知り合い経由でアーティストさんにお声がけし、作品を展示したり、音楽ライブを開催したりしました。昨年のテーマは「こえる」。裏山まで越えて足を運んでほしい、アートというと少しハードルを感じる人もいるかもしれませんが、そういったハードルを超えて楽しんでほしい、またアーティストさんには己の限界を超えるような出展をしてほしい、そんな願いを込めました。

昨年の手応えは?
植村:この界隈だけでなく、多くの人が足を運んでくださったのですが、自分たちが思っていた以上にアート好きな人に偏ったという印象もありました。昨年はパスポート制で実施し、地域の人も通りがかったりする際に興味を示してくれるのですが、パスポートを購入して空間の中に入るまでには至らなかったり……。そこで今年はより街の人や場所、子どもたちに向けた芸術祭となるよう、展示は無料で鑑賞でき、ワークショップで材料が必要なものなどの参加を有料にするという試みをしています。
今年は「めぐる」がテーマなのですね
植村:協力してくださる企業や機関が増え、今年は「西山商店街界隈」「星ヶ丘界隈」「虹ヶ丘界隈」と会場を広げることができました。もともとやりたかった「街をめぐる」というコンセプトが体現できそうだなというところで、思考をめぐらせるなど、いろんな意味も込めて「めぐる」にしました。

より街の魅力が感じられるイベントになりそうですね
植村:地域に愛されている小さなお店があったり、今年のパンフレットの表紙でも撮影した、変わったモニュメントのある公園があったり。街をめぐって、いろんな発見をしていただけたらうれしいです。

他に今年のイベントの特徴はありますか?
植村:昨年、展示も楽しんでいただいたのですが、来場者参加型のワークショップのような体験が好評だったので、今年は体験を多く取り入れています。たとえば「空想キメラ動物園」では、木材の端材を使ってみんなで数百体の動物を造り、インスタレーションとして展開します。他にも切り絵作家さんが自身の作品を展示する以外に壁画を作成し、来場者が色を足していけるような企画や、もともとフットサル場だった屋外広場で、予約して集まった20人ぐらいが当日セリフや振り付けを先生と考えてミュージカルを発表するという企画も予定しています。


見るだけでなく、体験もできる芸術祭、ワクワクしますね! 今後の構想はありますか?
植村:やはり自分たちでイベントをやってみて、お金の面はとても勉強になりました。来場者の垣根をなくすには無料でふらっと入れたほうがいいし、昨年のパスポート制でも、正直な話、パスポートの入場料だけでは賄えないというのも実感して。助成があるとはいえ、地域の企業に応援してもらえるようなイベントにして、協賛していただくことが必要だなと。クリエイティブ・リンク・ナゴヤの助成が3年目枠まであるので、その期間のうちにいろいろチャレンジして、土台を固め、「なごや裏山芸術祭」が地域の魅力のひとつとして成長させていけるといいですね。

| 日程 | 2026年10月31日(土)~11月8日(日) |
| 時間 | 10:00~17:00 |
| 場所 | 西山商店街界隈、星ヶ丘界隈、虹ヶ丘界隈(名古屋市名東区) インフォメーションはコトづくり研究所(西山商店街内)、HGARAGE(星ヶ丘) ※当日の会場マップと裏山スタンプラリースタンプシートはインフォメーションで配布または公式サイトにて公開 |
| 入場料 | 無料 |























