書店員の愛書バトン。Vol.13『親子で一緒に楽しめる、いま話題の絵本』5冊


 
三重県四日市市にあるイオンタウン四日市泊内の「BOOK PARK miyokka ⁉(ブックパークミヨッカ)イオンタウン四日市泊店」は、“家族のためのまちの本屋”を掲げる大型書店。親子で楽しめる絵本から、子どもたちに人気の児童書、多彩な文芸書はもちろん趣味のための実用書まで豊富なラインナップ。家族みんなで楽しめる場所です。
 
書店員の愛書バトン連載13回目となる今回は、ブックパークミヨッカのえほん児童書担当永井理恵さんが、いま話題の絵本5冊をおすすめしてくれました。
 

もくじ

『おおきなかぶ』著:A.トルストイ、翻訳:内田莉莎子(福音館書店)

私の子どもたちがまだ小さかった頃、何度もこの本の読み聞かせをしました。ある日読み終わった後に、子どもたちが「あー疲れた!」と言ったんです。「聞いていただけなのに疲れた?」と不思議に思っていたのですが、どうやら違うよう。子どもたちは私の話を聞きながら、絵本の世界に入り込み、おじいさんたちと一緒に「うんとこしょ、どっこいしょ」と、かぶを引っ張っていたのです。
 
子どもたちは絵本を通してさまざまな体験をします。仲間と一緒に鬼退治に行ったり、ジャングルへ冒険の旅に出たり、あおむしになっておいしいものをお腹いっぱい食べたり。そして『おおきなかぶ』のように、みんなで協力して大きなかぶを抜いたり…。絵本の持つ力の凄さを改めて感じた、思い出深い一冊です。
 

『もうぬげない』著:ヨシタケシンスケ(ブロンズ新社)

「もうぬげない」はタイトルの通り、服を脱ぎたいのに全然脱げない話。「このままぬげなかったら…。」と、男の子が想像をふくらませていきます。そのどこまでも広がっていく想像の世界に、読みながらニヤニヤがとまりません。
 
ヨシタケシンスケさんの描く絵本は、写真には残らないような、きっとすぐ忘れてしまう子どもとの些細な出来事を、独特な世界観で見せてくれます。子どもたちの限りなく自由な発想、幼いながらのこだわり、密かに抱いている大人への不満。
 
「あ~私も小さい頃そうだったなぁ…」、「私も昔は子どもだったんだなぁ」という、当たり前だけど普段忘れがちな大切なことを思い出させてくれる一冊です。
 

『パンどろぼう』著:柴田ケイコ(KADOKAWA)

パンの絵本は、なぜこんなにもほっこりと幸せな気持ちにさせてくれるのでしょうか。見ているだけで、なんだかおいしそうな甘い匂いまでしてくる気がして、お腹もすいてきます。
 
第11回リブロ絵本大賞を受賞した「パンどろぼう」は、大どろぼうである食パンが、「パン」を盗むというシュールな設定。このパンどろぼうがとってもお茶目で最高に愛らしいのです。話の途中で、その思わぬ正体が明かされて、驚きと同時に大笑いしてしまいます!
 
続編の「パンどろぼうVSにせパンどろぼう」では、ロールパンに扮した「にせパンどろぼう」が登場します。果たしてそのかわいすぎるパンたちの正体とは…!?癒しと笑いをくれる大好きなシリーズです。
 

『怪物園』著:junaida(福音館書店)

ため息が出るほど美しく、画集のようなjunaida(ジュナイダ)さんの絵本。すぐに引き込まれていくストーリーも魅力的ですが、見るたびに新しい発見がある精緻な絵は、部屋に飾っていつまでも眺めていたくなるほど素敵です。
 
遠くから眺めるとお城のようにも見え、でも目玉や毛むくじゃらの手、長い足のついた怪物園は、たくさんの怪物たちをのせて長い旅を続けていました。ある夜、外の世界へ抜け出した怪物たちが街の通りを行進しはじめ、人々は家の外に出られなくなります。子どもたちは家の中で、空想の世界へ旅することに。やがて、怪物たちのいる現実と子どもたちの空想の世界が、少しずつ少しずつ近づいていって…。最後には素敵なラストが待っています。
 
怪物が外にいることで家から出られない人々の姿に、なんだか今のコロナ禍の情勢が重なります。しかしどんな世の中でも、子どもは空想で豊かに遊び続けることができるのです。子どもの空想力は素晴らしいです。
 

『どう解く?』著:やまざきひろし(ポプラ社)

「ついていい嘘と、ついちゃいけない嘘ってどう違うんだろう?」「人数が多い意見のほうが正しいって、どうして言えるんだろう?」。大人でもどう答えたら良いのか難しい問題を、子どもから大人までみんなで考えてみようという本「どう解く?」。
 
読み進めていくうちに、答えを出すことが大切なのではなく、世の中にはいろいろな考えがあって、そんな価値観の違いを認め合うことが大切なのだと気づかされます。
 
後半には、話し合う際のヒントや、有識者の方々からの「私はこう考える」といったコメントが載せられています。「どうしてお母さんは、ボクの嫌いな勉強をおしつけてくるんだろう?」という質問に対する、将棋棋士の羽生善治さんの解答がとっても素敵。そんな風に「自分の考え」を言葉でしっかり伝えられる人でありたいと思いました。
 

 
◎ブックパークミヨッカ内には、「ほんにふれる ―ヨム・カク・ウゴク―」をコンセプトにしたインドアプレイグラウンド(PLAY PARK)も。レシピ本を読みながらおままごとをしたり、図鑑を読みながらお絵描きをしたりと、子どもたちが遊びながら「ほんにふれる」ことができます。

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