人間の多様性を考える第1歩!LGBTQ+をテーマにしたおすすめの本
人間の多様性を考える第1歩!LGBTQ+をテーマにしたおすすめの本

書店員の愛書バトン。Vol.23『人間の多様性を考える第1歩!LGBTQ+をテーマにしたおすすめの本』5冊

人間の多様性を考える第1歩!LGBTQ+をテーマにしたおすすめの本

「LGBTQ+」という言葉は知っていても、自分が関係すること以外の実情についてはよく知らない…とういう人もいるのではないでしょうか。今回はそんな人間の多様性について考えを深めることができるおすすめの5冊を紹介。2021年1月、金山駅近くの沢上商店街にオープンした書店「TOTEN BOOKSTORE(トウテンブックストア)」オーナーの古賀詩穂子さんに、おすすめの5冊とそれぞれの魅力について教えていただきました。

もくじ

LGBTヒストリーブック

著:ジェローム・ポーレン(サウザンブックス社)

LGBTヒストリーブック

子どもから大人まで学べるLGBTの権利の話。「LGBTって?」「プライドパレードって何?」「なんでレインボーの旗を掲げているの?」というところから、厚みを持って歴史を知ることができる素晴らしい本です。

著者であるジェローム・ポーレンさんが、――「LGBTの歴史」、その中でも「公民権運動の歴史」をひもとく子ども向けの本がないことに気がつき(「はじめに」より)――、2015年に刊行したとのこと。子ども向けというには情報量が多いですが、資料集のように写真や「アクティビティ」と称して考えるコーナーも随所に散りばめられていています。

1人ひとりの生き方やエピソードが描かれているため、歴史は人のもとに作り上げられていること、今の権利は過去の人たちが築いてきたものの延長にあることを感じます。

愛と差別と友情とLGBTQ+

著:北丸雄二(人々舎)

愛と差別と友情とLGBTQ+

ニューヨークで25年活動してきたジャーナリスト・北丸雄二さんの記録。本書では映画「ボヘミアン・ラプソディ」のメディアでの紹介において、物語で大事な部分であっても「ゲイ」や「エイズ」という言葉に触れらなかった例から話が展開していきます。

北丸さんは本書で、――私たちの「世間」では、人権に関して欧米では通じる話を下支えする、基本情報や基礎知識があまり共有できていないように思われます。(”欧米でだって五十歩百歩”な話はのちに出てきますが)――と言います。LGBTQ+について語ることはマイノリティのアイデンティティを獲得するための運動について述べること、話は女性運動やBLMにも広がります。

客観的・論理的でありながらも、ときにユーモアを交えながらの語り口がとにかく面白く読みやすいため、人権運動に関する疑問を情報や知識でぐっと近いものにしてくれるでしょう。

あいつゲイだって

著:松岡宗嗣(柏書房)

あいつゲイだって

カミングアウトのすぐ近くにあるのが、アウティングです。「あの人、○○らしいよ」。このタイトルのとおり、本人の性のあり方を同意なく第三者に暴露することを「アウティング」と言います。悪意なくとも言ってしまったと思い当たる点があるかもしれないし、これからも、思いもしないかたちでしてしまう可能性がないとは言えません。

アウティングが危険性のあることだと自覚する必要があるとともに、「絶対してはいけないこと」にすることの危うさ、シチュエーションや立場ごとの複雑さをさまざまなケースを用いて考えさせてくれる一冊。いつ自分がアウティングする可能性のある立場になるかわからないからこそ知識は必要。多様性をうたう社会において、ぜひ広く読まれてほしい本です。

キミのセナカ

著:野原くろ(サウザンブックス社)

キミのセナカ

日本と同じように性的マイノリティのカミングアウトが簡単でない韓国の出版社6699pressが、日本の漫画家・野原くろさんに依頼して発刊されたボーイ(ズ)ラブコミックです。

同級生たちは女性グラビアアイドルの話題に盛り上がり、家族からは「早く彼女くらい作りなさいよ」と言われる。どこにも居場所を見つけられずにいるタケルの前に転校生として現れたのが、地元の幼なじみの公太郎でした。

人を好きになっていく描写や一緒にいるだけでドキドキする感覚は学生時代を思い出して眩しい。異性愛の恋物語が多く描かれる中で、同性を好きになること、誰かを好きになったりならなかったりすること、さまざまな恋物語が増えていくことは良いことだと思います。装丁もすてきなのでぜひ手に取ってみてください。

IWAKAN

(Creative Studio REING)

IWAKAN

世の中の当たり前に違和感を問いかけるマガジン『IWAKAN』。第4号の特集は「多様性?」です。

例えば「女性の活躍推進」とうたっている企業に女性管理職がまったく見当たらないとき、その企業では女性が昇進できるのか、仮に妊娠しても働き続けられるのか……。言葉だけが打ち出され、実態が伴わないことへの違和感を覚える場面はそれぞれあるのではないでしょうか。

LGBTQ+やマイノリティがメディアで描かれることが増えてきたことで、自分のアイデンティティを知ることができ、孤立感から解放される人も少なくありません。多様性という言葉のプラスの部分とマイナスの部分。ときには希望となり、ときには加害性をもつ。

1人ひとりの声に耳を傾け、アートの力を発揮する『IWAKAN』第4号では表象制作現場における合意についてや中国での表象文化、「ふつうのOL」への違和感に「デキる男」像の呪縛、家族のかたちなどさまざまなアプローチから多様性の表象について考えています。

TOTEN BOOKSTORE(トウテンブックストア)
住所愛知県名古屋市熱田区沢上1-6-9
営業時間8:30~18:00、金曜~21:00、土曜・祝日10:00~18:00
定休日日曜
駐車場なし
アクセス「金山総合駅」より徒歩7分

https://touten-bookstore.net/

TOTEN BOOKSTORE(トウテンブックストア)

本屋に行きたくなるフリーマガジン「読点magazine、(とうてんマガジン)」の編集・発行を行う古賀詩穂子さんが2021年1月に開いた書店。だれにも会いたくないけど家にいたくないとき、思考の幅を広げたいときなど、生活のなかの「読点」になれるような場所が「TOTEN BOOKSTORE(トウテンブックストア)」です。小さいながらも、とても居心地のいい空間!カフェスペースもあり、コーヒーやジュース、ビールが楽しめます。

TOTEN BOOKSTORE(トウテンブックストア)

↑左:1階奥には絵本コーナーも!右:2階にカフェスペースがあります。

New Report

ミッフィー,展覧会,多治見,2026,ワークショップ

2026-08-15

TOPICS

毎年人気!夏の企画展「ミッフィーとこどものじかん」8/1(土)~11/23(月・祝)

ミッフィーの生みの親であり、オランダを代表する絵本作家でグラフィックデザイナーのディック・ブルーナは、生涯を通して多くの絵本を創作してきました。岐阜県多治見市のこども陶器博物館では、企画展「...

2026-08-11

HIROBAくんと行く

名古屋・栄の新たなシンボルタワー、ザ・ランドマーク名古屋栄にコンラッド名古屋が開業

2026年6月に商業施設「HAERA(ハエラ)」、映画館「TOHOシネマズ」がオープンしたザ・ランドマーク名古屋栄の10・11階、31階~40階に7月、コンラッド名古屋が開業。全170室の客室はすべ...

2026-08-06

HIROBAくんと行く

遊び方は無限大!屋内施設「カラダうごかす森 Harappa(はらっぱ)」があいち健康の森公園にオープン

愛知県大府市の大型公園「あいち健康の森公園」に2026年7月、「カラダうごかす森 Harappa(はらっぱ)」が誕生!暑い日も雨の日も、天候を気にせず楽しめる屋内施設です。木の遊具がふんだんに配置さ...

2026-08-04

HIROBAくんと行く

鳥羽湾クルーズでイルカ島へ!イルカのあそび時間や絶景を満喫する夏旅

「近場でも非日常感が味わえる体験をしたい」そんな夏休みのお出かけにぴったりなのが、鳥羽湾を巡るクルーズとイルカ島観光が楽しめる船旅です。 遊覧船に揺られながら鳥羽湾の美しい景色を眺め、...
妖怪,イベント,もののけ宝箱,岡崎,2026

2026-08-01

TOPICS

妖怪が大集結!「開け!もののけ宝箱」8/1(土)~10/12(月・祝)

妖怪の歴史と魅力いっぱいの展覧会「開け!もののけ宝箱 ~コワイもカワイイも⁉三次&岡崎から妖怪大集結!~」が2026月8月1日(土)~10月12日(月・祝)に岡崎城・三河武士の...

2026-07-31

TOPICS

愛岐トンネル群を特別公開「森のビアホール」8/1(土)~30(日)

登録有形文化財の愛岐トンネル群でビールやグルメを楽しめる「森のビアホール」が2026年8月1日(土)~30日(日)に開催。春・秋の特別公開を除き、トンネル内に入れる唯一の機会です。 入...

2026-07-29

東海ムーブメント仕掛け人

街角演奏で人や街とつながり、名古屋の魅力を伝える【名古屋の人間観光地・サックス侍】

浪人笠をかぶり、名古屋市内の街角に現れてサックスを吹く「サックス侍」。その活動がSNSやテレビで話題を呼び、「サックス侍に会いたい」「あの音をまた聴きたい」と名古屋を訪れる人が増えているとか...

2026-07-28

しょく育

冷たい飲み物を注ぐと色が変わる!多治見市の「壱LABO」でサンドブラスト体験

17℃以下の飲み物を注ぐと、グラスの中で鮮やかな花火が打ち上がる。 そんな夏にぴったりの仕掛けが施された「冷感グラス」を知っていますか? 多治見市の老舗食器製造販売「丸モ高木陶器」が手...
安城七夕まつり,七夕まつり,安城,2026,愛知

2026-07-25

TOPICS

“願いごと、日本一。”の七夕まつり「安城七夕まつり」8/7(金)~9(日)

竹飾りのストリートが日本一長いことで知られる「安城七夕まつり」が、2026年8月7日(金)~9日(日)にJR安城駅周辺市街地一帯で開催されます。 安城市民だけでなく周辺地域からも多くの...

2026-07-23

TOPICS

愛知の食文化を楽しく学ぶ!「酢づくりが今も昔も酢っごい展」7/25(土)~8/30(日)

愛知県半田市にある食文化の体験型博物館「ミツカンミュージアム」では、通常の見学ゾーンとは別のMIMホールにて、イベント「酢づくりが今も昔も酢っごい展」を2026年7月25日(土)~8月30日...

2026-07-22

ノスタルジックさんぽ

国の登録有形文化財に新スポットがオープン!さくらももこが愛した「郡上八幡さんぽ」

岐阜県郡上市にある国の登録有形文化財である郡上八幡 町屋敷越前屋に2026年7月4日、さくらももこさんが愛した郡上八幡の魅力を伝えるスポット「さくらももこと郡上八幡」がオープン。 漫画...
pagetop
もくじ