みなさん知ってのとおり、カンガルーの赤ちゃんは育児嚢(いくじのう)と呼ばれるお腹のポケットで育ちます。1gにも満たない非常に小さな体で生まれてくるカンガルーの赤ちゃんは、生後すぐに自力でお母さんのお腹を這い上がり、ポケットの中にすっぽりと入ってしまいます。そのため、目視で赤ちゃんの誕生を確認することが難しく、動物園によって誕生日をどの日とするか決め方が違うのだそう。「ポケットから顔を出した日」や「全身がポケットから出た日」など各園で独自に定めています。
東山動植物園では、「全身がポケットから出た日」が誕生日。アカカンガルーの場合では、生後5か月くらいになるとポケットからひょっこりと顔を出し、生後8か月までには袋から出て生活するようになります。
ちなみに、カンガルーと同様に育児嚢で子どもを育てる育袋類(ゆうたいるい)の動物には、ほかにコアラやウォンバットなどもいます。
その他の特徴:カンガルーは基本的に前方にしか移動しません。カンガルーの生息地として知られるオーストラリアでは、この特性を「前進しかしない」というポジティブな意味にとらえて、国家の繁栄を期して国章にその姿が描かれています。