とある店で目にした、組子で作られたコースターと鍋敷き。一目見て、「なんて美しい模様だろう!」と胸が高鳴りました。組子ってなんだろう?と調べてみると、釘を使わずに、木を組み付けて意匠(模様)を作り出していく伝統技術(詳しくはトーカイ・プロダクト・ストーリーでも紹介しています)。手がけているのは、三重県三重郡菰野町にある指勘建具工芸。しかも、指勘建具工芸では、毎月第3土曜に組子体験を開催しているとのこと! さっそく組子制作を体験しに伺いました。
意外にも、難しい模様を選んでしまった編集部2人…!
体験できるのは、組子の鍋敷き制作。まずはデザインを5種から選びます。私、編集部の広瀬良子は写真中心上の桜亀甲を、一緒に行った永田はその下の弁天亀甲を選びました。「2人とも、難易度の高い模様を選びましたね!」と指勘建具工芸・三代目の黒田裕次さん。そうなんですか…! 編集部2人、少し不安を覚えつつも、やはり最初に気に入った柄で制作を進めることに。
ベースとなるのがこの材料。切り込みに木片をはめていき、土台となる六角形を作っていきます。単純なようでいて、どう組み合わせたら六角形になるのか構造を把握するのが難しい。理系の頭脳が必要なのでしょうか…(汗)。お手本を見ながら、教えてもらった順に1つひとつはめていきます。ピタッと隙間なくはまるので、はめるごとに達成感が得られます!
次に登場したのが、とても小さな木片。これを18個使います。
次に小さくて薄い木片も18個集めて、材料がすべて揃いました。
神経のすべてを指先に集中して――、細やかな作業!
ここからが細やかな作業! 小さな木片を切り込みにはめて指で押さえながら…、最後の1つをはめて、1つの三角形内の模様が完成。各木片が切り込みに対して真っ直ぐに入っていないと最後の1つがうまくはまらないし、指で押さえているうちに木片がずれてしまうし…で、小さな木片と格闘すること数分。ピタッとはまったときは思わず「できた~!」と喜びの声がでました。
こちらは永田の制作。3つの木片で三角形を作り(糊は使っていないので、バランスをとってこの形を維持しています!)、この形のまま枠内の切り込みにはめていくという至難の業…! 慣れてくると、だんだん作業がスムーズに。もう、完成間近です。
木片がピタッとはまるごとに感動!の組子体験
組子の鍋敷きが完成~! 指先に神経を集中させながらの細やかな作業は大変でしたが、木片ひとつひとつが隙間なくピタッとはまり、美しい模様ができあがる様子を目の当たりにするのは、感動の連続でした。そして、どうはめていけばこの模様ができあがるのか、まるでパズルを解いていくかのように考えながら。ワクワクと刺激にあふれた体験のひとときでした。指勘建具工芸では、毎月第3土曜に、組子の建具が見ごたえある自宅公開と、組子の鍋敷き体験を実施。興味を持った人はぜひ、足を運んでみてください!