人生の大切な時を飾る、ダイヤモンドリング。これまでは、ダイヤモンドをツメによってリングに留めるのが一般的でした。そんな概念を覆し、世界で初めてダイヤモンドの一点留めを実現したのが「ANOTHER DIAMOND(アナザーダイヤモンド)」。ツメをなくしたことで、すべての角度からダイヤモンドの輝きを楽しむことができます。
また、ダイヤモンドといえば、無色透明でブリリアントカットと呼ばれる多面体の形をしているのが定番。「ANOTHER DIAMOND」では、色も形もさまざまな個性を持ったダイヤモンドから世界にひとつだけの“運命の石”に出逢えます。
2019年2月に商品化され、早くも注目を集めるジュエリーブランドのショップを訪れました。
工業製品メーカー発、ダイヤモンドの新たな可能性
↑地下鉄上前津からほど近くにある、「ANOTHER DIAMOND」のショップ。
「ANOTHER DIAMOND」は、名古屋市中区に本社・工場を構える北川ダイヤモンド工業株式会社が立ち上げたオリジナルブランド。ダイヤモンドを用いた工業製品を製造し、長年ものづくりを支えてきたメーカーによる、新たな挑戦です。
創業65年、いわゆる老舗の町工場がジュエリーの開発に着手したのは、ふとした遊び心がきっかけ。ブランドマネーシャーの北川大輔さんにお話を伺いしました。
↑「ANOTHER DIAMOND」のブランドマネーシャーを務める北川大輔さん。
ダイヤモンドは世界で一番硬い鉱物。耐摩耗性や熱伝導性にも優れているという特徴から、世界中で採掘されるダイヤモンドの8割ほどは工業用に使用されています。
「天然ダイヤモンドは色とりどり。工業製品をつくる過程で研磨を担当する職人が、なんとなくジュエリー用のカットを施してみたところ、無色透明のダイヤモンドでなくとも想像以上に綺麗に仕上がったのです」。
工業用ダイヤモンドも、研磨すれば美しい輝きを放つ。そこに新たな可能性を見出し、ジュエリーの製作に挑むことに。
ダイヤモンド、リング、ダイヤモンドの位置までオーダーメイドで
↑「ANOTHER DIAMOND」という名前の通り、他のジュエリーショップではあまり見られない個性豊かなダイヤモンドを揃えます。
澄んだ色から、ブラウンやアンバーなど温かみのある色まで。サイズも大小、形も多彩。内包物があるのも個性のうち。北川さんは、「原石それぞれの持ち味を引き出し、ダイヤモンドの奥深さを伝えていきたいです」と話します。
↑「ANOTHER DIAMOND」の指輪は、すべてオーダーメイド。「ダイヤモンドとの対話を楽しんで、自分の目で選んでみてください」と北川さん。
たくさんのダイヤモンドから宝探しのようにお気に入りを選び、さらにリングのフォルムは4種類、色味はシルバーとゴールドの2種類からデザインを選ぶことができます。リング上のどこにダイヤモンドを取り付けるか、位置まで自分好みに。
↑実際にリングの上にダイヤモンドを重ねながら、コーディネートを楽しむように選んでみて。じっくり考える時間もワクワクします。
↑オーダー後、約45日間で指輪を製作。すべての原石をブリリアントカットで均等な形に整えるのではなく、本来の原石の形に沿って研磨していきます。
異業種の目線があったからこそ実現できた“一点留め”の技術
↑一点留めだからこそ、ダイヤモンドの個性を存分に活かすことができます。
いよいよ、ダイヤモンドの魅力を余すことなく感じられる“一点留め”の技術が登場。
リングにダイヤモンドを直接接着するだけでは、強度を保つことが難しいとされていました。その難関を、「ろう付け」という接着方法によって実現可能に。高温に熱した土台の金属に、接着剤となる「ろう」を溶かし、そこにダイヤモンドをのせて接着。工業製品の加工技術を応用して、従来のジュエリー業界とは違う視点から革新をもたらしたのです。
↑自分でカスタマイズした指輪は、ぐっと愛着が深まります。
2019年8月にはニューヨークでの展示会に出展。10月には、アムステルダムダイヤモンドミュージアムに日本のジュエリーとしては初めて常設展示されることになりました。今後は、ピアスやネックレスなど指輪以外のアクセサリーの販売も検討中。
北川さんは最後に、「ダイヤモンドを原石の状態から研磨し、ジュエリーを製作・販売している会社はほかにないのでは。ダイヤモンドの可能性を、日本のみならず世界中に伝えていきたいです」と語ってくれました。
「ANOTHER DIAMOND」では、自分で研磨したダイヤモンドをネックレスに仕上げてくれる「ダイヤモンド原石研磨体験」や、ダイヤモンドの魅力に触れられるワークショップなども随時開催。公式サイトから最新情報をチェックしてみてください。
(写真:西澤智子 文:齊藤美幸)
住所 | 愛知県名古屋市中区上前津1-6-1 |
営業時間 | 12:00~19:00 |
営業日 | 土曜日(変則)※他の曜日は完全予約制 |
問い合わせ | TEL 052-331-1021(電話対応は営業時間帯と平日9:00~17:00) |
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