ダイニングテーブルに置いてもサマになる、無垢の木の温かみあるナイフ【morinoki(モリノキ)】前編

 

刃物のまちとして有名な岐阜県関市で、“ダイニングテーブルで素敵に使う”という視点から開発されたナイフ「morinoki(モリノキ)」。パン切りナイフ、万能ナイフ、ペティナイフ、チーズナイフ・ソフト、チーズナイフ・ハード、ピザカッターの6種。無垢の木を使ったスクエアハンドルが洗練された雰囲気を放っているのはもちろん、切れ味も抜群の実力派。手がけている志津刃物製作所に伺い、開発秘話に迫ります。

 


↑薄切りでもこの通り! 気持ちがいいほど滑らかに食パンがカットできます。

 

OEMだけでなく自社製品を! 継続がカタチに

 
もともとOEM(他社からの受注)製造が主流だったという志津刃物製作所が自社製品の開発を始めたのが約10年前。岐阜県には地場産業が8つあり、そのうちの1つが刃物。県の地場産業の支援プログラムの一環で、外部デザイナーとコラボして新たな商品づくりに取り組んだのがきっかけなのだとか。
「日本の“包丁離れ”をどう取り戻すか?をコンセプトに、さまざまな商品を開発しました。売れ行きの面から見たら結果は大失敗でしたが、次はどんな商品をつくろう?という積み重ねが、オリジナル商品をつくり続ける良い連鎖となったんです」とは、志津刃物製作所代表取締役の堀部久志さん。

 


↑自社オリジナル製品について、歴史と変遷を語ってくれた堀部さん

 

女性目線で“使うシーンを想定した”商品づくりがスタート

 

あるとき、営業企画の小田美香さんと外部の女性デザイナーが、“雑貨屋さんで売れるような包丁を”と発案。包丁づくりが盛んな関市ではすでに、キッチンで使う包丁は充実していたため、「みんなでワイワイパーティーをしたり、夕飯後にデザートを食べたりするときにもダイニングテーブルで気持ち良く使える包丁をつくりたい」と、「morinoki」開発がスタートしました。
まずこだわったのが、ハンドルの形状。握りやすい丸形のハンドルが多いなか、スタイリッシュな雰囲気を目指してスクエアに。サイドと底辺はカーブを描くようなラインに設計したところ、職人さんが作るのにとても苦労したのだとか。

 


↑もとは事務職として勤務していた小田さん。新商品開発に女性目線でアイデアを出すようになり、今は営業企画として開発の中心を担っています。

 

↑ハンドルに使われているのはケヤキ。木目の具合が商品のイメージに合っていることから素材に採用。

 

1つのパン切りナイフに異なる波刃を採用

 

「morinoki」の中でも最初に登場したのがパン切りナイフ。このパン切りナイフは、ブレードにも特徴が。よく見ると、2種の波刃が組み合わさっているんです。
「自社で製造していたパン切りナイフを全部持ってきて切り試しをしたところ、フランスパンと食パンとで切りやすい刃の形状が違うことがわかりました。一家にパン切りナイフは2つもいらない。そこで、先端の鋭い刃の部分でフランスパンを、ゆるやかな波の刃の部分で食パンを切れるようにしたいなと」とは堀部さん。今では2種、3種の波刃を合わせ持つパン切りナイフもありますが、当時はまだ珍しい存在だったそう。

 


↑食パンも耳の部分は先端の方を使うと、スムーズに切りやすいのだとか。切れ味がいいため、パンくずもほとんど出ません!

 


↑パッケージも、パン切りナイフの波刃とお揃いのモコモコデザインに。パン切りナイフ3,200円

 

テーブルで楽しめるカッティングボードも

 
パンやチーズ、フルーツなどをテーブルでカットして、そのまま食べるのにもちょうどいいカッティングボードも製作。「ケヤキは反りやすいので、ケヤキに木目が似ている楡(にれ)でつくっています。できるだけ安心安全な道具をつくりたいという思いのもと、無垢の木に、天然のくるみ油のみを塗って仕上げています」と小田さん。お皿として手に取りやすいよう、側面は斜めにカット。細やかなところにまで使う人への配慮がされています。

 


↑くるみ油は1枚1枚手作業で塗っています。

 

パン切りナイフ以外の「morinoki」シリーズのナイフにも、テーブルで使うということを考えた細やかな配慮が。後編では「morinoki」シリーズのバリエーションをはじめ、志津刃物製作所が手がける他の魅力ある商品を紹介。また、製造現場に潜入し、刃物と向き合う職人さんの真剣な眼差しを捉えてきました。後編記事は9月17日にアップ予定です。
 

(写真:西澤智子 文:広瀬良子)
 
後編はこちら

 
 
 

New Report

2026-07-08

TOPICS

金魚が優美に泳ぐ芸術空間「アートアクアリウム展 名古屋2026」7/24(金)~9/23(水・祝)

金魚と光・音・香が織りなす芸術空間「アートアクアリウム展 名古屋2026」が2026年7月24日(金)~9月23日(水・祝)、名古屋・栄にある中日ビルで開催されます。 江戸時代から続く...
桜山風鈴まつり,風鈴,2026,ライトアップ,高山

2026-07-04

TOPICS

カラフルな風鈴が夏を演出「桜山風鈴まつり」7/18(土)~8/29(土)

約2,000個のカラフルな風鈴が彩る飛騨高山の夏の風物詩「桜山風鈴まつり」が2026年7月18日(土)~8月29日(土)、岐阜県高山市の櫻山八幡宮で開催されます。 絵馬殿に風鈴が飾られ...

2026-07-01

HIROBAくんと行く

湖池屋初、中部エリアの工場が岐阜県海津市に誕生!工場見学やマイポテチ作りを体験

ポテトチップスをはじめとするスナック菓子でおなじみの湖池屋。2025年12月には中部エリア初となる中部工場が岐阜県海津市に誕生しました。全国2カ所目となる「湖池屋GOGO!ファクトリー」も併...

2026-06-30

TOPICS

楽曲と紐解く流星群の世界「流れ星を探して feat. BUMP OF CHICKEN」7/3(金)~

名古屋市西区のイオンモールNagoya Noritake Gardenにあるコニカミノルタプラネタリウム楽天NAGOYAでは、2026年7月3日(金)~、BUMP OF CHICKENの楽曲...

2026-06-27

TOPICS

驚きと不思議に満ちた虫の世界「養老孟司と小檜山賢二の虫展」7/11(土)~9/23(水・祝)

解剖学者で大の虫好きとしても知られる養老孟司さん。そして、対象物の全てにピントがあう深度合成技法を駆使し、昆虫写真の新たな可能性を切り拓いた小檜山賢二さん。長年の虫友だちである養老さんと小檜...

2026-06-25

TOPICS

モダンで美しい色使いが魅力「スウェーデン・テキスタイル」7/11(土)~9/6(日)

カラフルで心躍るスウェーデンのテキスタイルにスポットをあてた、日本でも初めての展覧会「スウェーデン・テキスタイル  暮らしと自然に息づく北欧デザイン」が2026年7月11日(土)~9月6日(...

2026-06-20

HIROBAくんと行く

ぴよりんファンの夢が詰まったJR名古屋駅構内のカフェ「ぴよりんvillage」発売15周年の歩みにも迫る

JR名古屋駅構内を歩くと、至るところで見かける“あのスイーツ”といえば……今や名古屋を代表するスイーツと言っても過言ではない「ぴよりん」です。 ぴよりんの世界観を存分に体感できるカフェ...

2026-06-18

TOPICS

モダン・デザインの源流に迫る「アーツ・アンド・クラフツとデザイン│そして民藝」6/20(土)~8/30(日)

19世紀後半のイギリスのアーツ・アンド・クラフツ運動は、産業革命以後の機会化された工場で作られる粗悪な量産品や商業主義を批判して、職人の手仕事による上質なものづくりを見直すとともに、生活と芸...

2026-06-17

シーズントリップ

【愛知・岐阜・三重の工場見学】大人も子どもも楽しく学び、人気商品のヒミツに迫る!

2026年7月から一般公開が開始される湖池屋をはじめ、ブラックサンダー、ヤクルト、キリンビールなど人気商品の製造シーンが見学できる愛知・岐阜・三重の工場見学スポットをまとめて紹介。 無...

2026-06-14

TOPICS

色と色が織りなす表現「JURI KATO exhibition “between color and color”」6/18(木)~29(月)

豊かな色彩表現を活かしたアート作品を制作する、名古屋在住の絵描き・加藤樹里さんによる個展「JURI KATO exhibition “between color and color”」が、2...

2026-06-09

東海ムーブメント仕掛け人

いきものクッキーアートで「可愛い」の先にある物語を届ける【kurimaro collection 杉浦芽愛さん】

三重県桑名市に本店を構える「kurimaro collection(クリマロコレクション)」は、ポップでありながら、細部までリアルに再現した生きものをモチーフとしたクッキーアートを手がける店...
pagetop
もくじ