暮らしにそっと寄り添う、木の名前がついた台所道具【woodpecker(ウッドペッカー)】

product_04_1
 
“いちょうの木”のまな板、“山桜”のカッティングボード、“ケヤキ”のトレー、“ひのき”の洗濯板――。木工業が盛んな岐阜県で工房を構える「woodpecker」が手がける商品には、必ず木の名前が入っています。「なんでまな板がいちょう?カッティングボードは山桜?」そう思った方も多いのでは?実は、名前についているのは、使っている木の種類。「木には、それぞれ性質があるんです。柔らかい、硬い。油分が多いとか少ないとか。木そのものが持つ特徴が最も生きるものづくりを心がけているんです」と語るのは、woodpecker代表・福井賢治さん。誕生のきっかけから今後の未来まで、じっくりお話を伺ってきました!
 

product_04_2
おしゃれな帽子がトレードマークの福井さん。ナチュラルな雰囲気が作り出す作品と重なります。

 
きっかけは「まな板がほしい」という妻の一言
 
もともと祖父の代から神仏具や神輿を作る木地職人の家に生まれ、木を身近に感じながら育ってきた福井さん。木工の職業訓練校に通ったあと、無垢の木を使った家具を扱う会社や父のもとで修業を重ねていましたが、「何か自分の手で、自分らしいものづくりがしたい」という思いを抱くように――。修業を重ねながらも、将来について悩んでいたある日、妻から「家で使うまな板を作ってほしい」と頼まれ、作ってみることに。それが後に、福井さんの転機となったのです。
 

product_04_3
これが実際に作ったまな板。5年間、奥さまは大切にメンテナンスして使ってくれたそうです。

 
材木屋に相談すると、勧められたのは「いちょうの木」。当初、まな板といえば“ひのき”がいいと思っていた福井さん。思いもしなかった答えに理由を聞くと「柔らかい素材だから包丁にやさしいし、使っていても表面がへこまない。油分も多いから、水はけもいい」。理由を聞いて納得した福井さんは、早速いちょうの木を譲ってもらい、まな板を作ります。作ったまな板を奥さまに渡すと、「使いやすくて、料理をするのが楽しい!」と、とっても喜んでくれたそう。このことがきっかけで、福井さんは商品として、いちょうの木のまな板を作っていこうと決心します!
 

product_04_4
こちらは持ち手がついた可愛らしいフォルム。家族の人数や、用途によって大・中・小からサイズが選べます。

 
いちょうの木の良さを、多くの人に伝えたい
 
いちょうの木のまな板を手に、まず向かったのは岐阜県で行われていたクラフトマーケット。「はじめは市場で受け入れられるかなと緊張していましたが、思ったよりもお客さんの反応は良く、用意していた数がなくなってしまうほどでした」。この結果が福井さんの制作意欲に拍車をかけます。丸みのあるフォルムや柄のついたものなど、さまざまな形や大きさを作り、今度は東京のイベントに出店。「はじめは、『なんでいちょうの木なの?』と声をかけてくれるお客さんに、いちょうの木の良さを一生懸命伝えていきました。すると、何ヶ所も回るうちに『いちょうの木っていいんですよね』と言われるように。このまな板の存在が広まってきていることを実感しました」。東京への進出を機に、2007年、「woodpecker」が誕生するのです。
 

product_04_5
お客さんの声にも耳を傾け、商品づくりに生かしている福井さん。「そこから新しい商品が生まれることも多々あります」。

 
一生使い続けてほしいから、愛着のある形に
 
「材木屋さんから聞いて知ったんですが、昔から板前さんなどプロの料理人はいちょうの木のまな板を使っているんだそうです。長く愛されているのは、いちょうという素材の特徴を熟知しているからこそ。そこを多くの人に伝えていきたかった」と語る福井さん。また、長く愛用してもらえるようにフォルムにもこだわったそう。「まな板って、角ばった長方形のものが多いけれど、木そのものの形を生かしたいなと。あえてアシンメトリーにしました。手なじみが良くて、愛着を持ってもらえるかなと思ったんです」。黒ずんできたら、削り直しもしてくれるwoodpecker。丁寧にメンテナンスをして、一生使い続けていきたいですね。
 

product_04_6
左が使用前、右が5年間愛用したもの。削り直せば、使用前の白くきれいな色が出てくるんだそう!

 

product_04_7
長く愛用してもらうために、お手入れグッズも販売しています。たわしは、ぬめりを取って、溝に入った汚れもかき出してくれる優れもの。木のまな板には欠かせません。

 
いちょうの木のまな板と同様、木の性質を生かして作ったものに、山桜のカッティングボード、ケヤキのトレー、ひのきの洗濯板があります。山桜はナイフで切ってもえぐられない頑丈な素材、ケヤキは丈夫で水に強く木目が美しい。ひのきは木目が均一で硬すぎないため、洗濯をした時に生地が痛みにくいなど、それぞれの特徴を生かした商品が並びます。「木の種類と用途をマッチングしてお客さんに説明すると、面白いと興味を持ってくれる。木の適材適所っていうのかな。でも、これは祖父や親父たちがもともとやってきたことなんです。湿気に強いから神仏具の土台にひのきを使っていたり。そういった“木の性質を生かしたものづくり”という伝統を継ぎながら、新しい商品を生み出していけたらいいと思っています。」
 

product_04_8
木の目がキレイに見えるケヤキのトレーや、山桜のカッティングボードもずらり。

 
こどもたちに、もっと木に触れてほしい
 
現在では、こども用のまな板やおもちゃなども展開している福井さん。食材を均等に切れるようつけられた目盛りは、こどもが楽しんで料理のお手伝いができるようにと福井さんの思いが込められています。目盛りを点線にすることで包丁が引っかからないよう工夫も。「こどもシリーズはこれからも増やす予定です。商品を通して、こどもたちにも木を身近に感じてほしい。あとは、インテリア小物や家具なども作って、家の中に木の存在が増えていったらいいなと思っていて。自分が伝えていくことで、多くの人が木に興味を持ってもらえたら嬉しいですね」。
 

product_04_9
CHIE’S KITCHEN代表の廣瀬チエさんとイラストレーターの松尾ミユキさんとコラボレーションした「いちょうの木のこどもまな板」。

 
使う側の私たちも、なぜその木を使っているのか理解することで、お手入れの仕方や使い方が変わり、愛着が湧くてくるもの。使うたびに、ほっと心を癒やしてくれる木の台所道具、皆さんも暮らしの中に取り入れてみませんか。
 
 
今後も東海エリアで開催される数々のイベントに出店されるそうです!出店情報は下記URLからご確認ください。
http://www.hello-woodpecker.com/news/index.html

 
●「woodpecker」は全国のショップ、またオンラインストアで販売されています。
お取り扱い店舗はホームページからご確認ください。
 
・woodpeckerお取り扱い店舗(http://www.hello-woodpecker.com/shop/index.html
・woodpeckerオンラインストア(http://store.hello-woodpecker.com/
 

New Report

2026-01-24

書店員の本棚

謎解き好き必見、おすすめの本3冊:体験型ミステリー専門書店「謎解き生活」(愛知県名古屋市)

名古屋・大須に2025年10月23日に誕生したミステリー専門書店「謎解き生活」は、全国でも類を見ない個性派書店として注目を集めています。東海エリア最大級の専門書店として、話題の新刊から貴重な...
三浦太郎,展覧会,刈谷市美術館,絵本,イベント

2026-01-22

TOPICS

「三浦太郎展 絵本とタブロー」1/31(土)~3/22(日)

2004年にヨーロッパで絵本作家としてデビューし、日本国内でも『くっついた』『ちいさなおうさま』などを発表してきた三浦太郎さん。優れたデザイン感覚やアイデアあふれる展開で読者を魅了する絵本は...

2026-01-18

シーズントリップ

愛知・岐阜・三重のおすすめ!冬のフォトジェニックスポット2026

イルミネーションや雪景色など、冬を満喫する愛知・岐阜・三重のフォトジェニックスポットを紹介! 湧水広場の氷瀑/愛知県豊田市 昼も夜も美しい!自然が織りなす氷のアート 豊田市...

2026-01-05

しょく育

器に自然の風景を表現!名古屋市千種区「雑貨と植物の店Kitowa」で盆栽作り体験

近年、世界的なブームとなっている盆栽。少し渋めな趣味というイメージが強かった盆栽も、いまでは若い世代にとっても身近な存在に。とはいえ、「盆栽って何を楽しむもの?」「どんなところに魅力があるの...

2026-01-02

HIROBAくんと行く

たくさんの猫がお出迎え!春日井市「玉野御嶽神社」で自然と猫に癒される参拝を

愛知県春日井市に“猫神社”と呼ばれる神社があるのを知っていますか?呼び名の通り、たくさんの猫たちがお迎えしてくれる神社なのです。 山奥の自然に囲まれ、神聖な空気感と愛くるしい猫たちとの...

2025-12-30

東海ムーブメント仕掛け人

竹あかりイベントでまちや人をつなぐ“循環”を生み出す!燈和・廣濱修平さんの挑戦

竹にさまざまな形の穴を空け、その中に入れたろうそくやライトがやさしく光る竹あかり。無数の竹あかりが集まり、生み出される空間は幻想的で、日本の和を尊ぶ心が呼び起こされます。 そんな竹あか...

2025-12-20

TOPICS

名古屋の夜を彩る「天空のSTAR ILLUMINATION」12/1(月)~2/28(土)

名古屋市中区の中部電力MIRAI TOWERにて、冬季イルミネーション「NAKED 天空のSTAR ILLUMINATION」が2025年12月1日(月)~2026年2月28日(土)に開催。...
竹灯り,犬山, 善師野,ライトアップ,イベント,2025

2025-12-04

TOPICS

竹あかりのナイトウォーキング「INUYAMA YOI NO MICHI」12/5(金)~1/31(土)

犬山市で、竹のライトアップで幻想的な時間を楽しむイベント「INUYAMA YOI NO MICHI」が2025年12月5日(金)~2026年1月31日(水)に開催されます。 期間中は、...

2025-11-29

TOPICS

廃線路と紅葉の絶景「愛岐トンネル群 秋の特別公開」11/29(土)~12/7(日)

庄内川渓谷に沿って1900年の開通当時のまま残されている愛岐トンネル群。普段は立ち入り区域となっているこの場所が、春と秋に一般公開されています。 秋は紅葉スポットとしても人気!「愛岐ト...

2025-11-27

TOPICS

tupera tuperaとのコラボ「十二支飾り・午」12/10(水)~

愛知県瀬戸市で招き猫や干支置物などを手がける中外陶園から、クリエイティブ・ユニットtupera tupera(ツペラ ツペラ)とコラボレーションした「十二支飾り・午(うま)」が2025年12...

2025-11-22

FEATURE

【中山道太田宿さんぽ】江戸時代に栄えた宿場情緒を楽しみながらお気に入り店を巡る

江戸時代に京都と江戸を行き来するために内陸に整備された中山道。街道の数km(数里)ごとに設置された69の宿場のうち、51番目にあたるのが太田宿です。岐阜県美濃加茂市にあり、JR「美濃太田」駅...
pagetop
もくじ