インタビュー・モノ

今、新たな鼓動をもって展開している「東海のものづくり」にスポットを当てて、作り手の想いやこだわりに迫ります。ものづくりの宝庫ともいえる、東海エリア。有名どころから知られざる逸品まで、掘り起こします。

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“いちょうの木”のまな板、“山桜”のカッティングボード、“ケヤキ”のトレー、“ひのき”の洗濯板――。木工業が盛んな岐阜県で工房を構える「woodpecker」が手がける商品には、必ず木の名前が入っています。「なんでまな板がいちょう?カッティングボードは山桜?」そう思った方も多いのでは?実は、名前についているのは、使っている木の種類。「木には、それぞれ性質があるんです。柔らかい、硬い。油分が多いとか少ないとか。木そのものが持つ特徴が最も生きるものづくりを心がけているんです」と語るのは、woodpecker代表・福井賢治さん。誕生のきっかけから今後の未来まで、じっくりお話を伺ってきました!
 

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おしゃれな帽子がトレードマークの福井さん。ナチュラルな雰囲気が作り出す作品と重なります。

 
きっかけは「まな板がほしい」という妻の一言
 
もともと祖父の代から神仏具や神輿を作る木地職人の家に生まれ、木を身近に感じながら育ってきた福井さん。木工の職業訓練校に通ったあと、無垢の木を使った家具を扱う会社や父のもとで修業を重ねていましたが、「何か自分の手で、自分らしいものづくりがしたい」という思いを抱くように――。修業を重ねながらも、将来について悩んでいたある日、妻から「家で使うまな板を作ってほしい」と頼まれ、作ってみることに。それが後に、福井さんの転機となったのです。
 

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これが実際に作ったまな板。5年間、奥さまは大切にメンテナンスして使ってくれたそうです。

 
材木屋に相談すると、勧められたのは「いちょうの木」。当初、まな板といえば“ひのき”がいいと思っていた福井さん。思いもしなかった答えに理由を聞くと「柔らかい素材だから包丁にやさしいし、使っていても表面がへこまない。油分も多いから、水はけもいい」。理由を聞いて納得した福井さんは、早速いちょうの木を譲ってもらい、まな板を作ります。作ったまな板を奥さまに渡すと、「使いやすくて、料理をするのが楽しい!」と、とっても喜んでくれたそう。このことがきっかけで、福井さんは商品として、いちょうの木のまな板を作っていこうと決心します!
 

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こちらは持ち手がついた可愛らしいフォルム。家族の人数や、用途によって大・中・小からサイズが選べます。

 
いちょうの木の良さを、多くの人に伝えたい
 
いちょうの木のまな板を手に、まず向かったのは岐阜県で行われていたクラフトマーケット。「はじめは市場で受け入れられるかなと緊張していましたが、思ったよりもお客さんの反応は良く、用意していた数がなくなってしまうほどでした」。この結果が福井さんの制作意欲に拍車をかけます。丸みのあるフォルムや柄のついたものなど、さまざまな形や大きさを作り、今度は東京のイベントに出店。「はじめは、『なんでいちょうの木なの?』と声をかけてくれるお客さんに、いちょうの木の良さを一生懸命伝えていきました。すると、何ヶ所も回るうちに『いちょうの木っていいんですよね』と言われるように。このまな板の存在が広まってきていることを実感しました」。東京への進出を機に、2007年、「woodpecker」が誕生するのです。
 

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お客さんの声にも耳を傾け、商品づくりに生かしている福井さん。「そこから新しい商品が生まれることも多々あります」。

 
一生使い続けてほしいから、愛着のある形に
 
「材木屋さんから聞いて知ったんですが、昔から板前さんなどプロの料理人はいちょうの木のまな板を使っているんだそうです。長く愛されているのは、いちょうという素材の特徴を熟知しているからこそ。そこを多くの人に伝えていきたかった」と語る福井さん。また、長く愛用してもらえるようにフォルムにもこだわったそう。「まな板って、角ばった長方形のものが多いけれど、木そのものの形を生かしたいなと。あえてアシンメトリーにしました。手なじみが良くて、愛着を持ってもらえるかなと思ったんです」。黒ずんできたら、削り直しもしてくれるwoodpecker。丁寧にメンテナンスをして、一生使い続けていきたいですね。
 

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左が使用前、右が5年間愛用したもの。削り直せば、使用前の白くきれいな色が出てくるんだそう!

 

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長く愛用してもらうために、お手入れグッズも販売しています。たわしは、ぬめりを取って、溝に入った汚れもかき出してくれる優れもの。木のまな板には欠かせません。

 
いちょうの木のまな板と同様、木の性質を生かして作ったものに、山桜のカッティングボード、ケヤキのトレー、ひのきの洗濯板があります。山桜はナイフで切ってもえぐられない頑丈な素材、ケヤキは丈夫で水に強く木目が美しい。ひのきは木目が均一で硬すぎないため、洗濯をした時に生地が痛みにくいなど、それぞれの特徴を生かした商品が並びます。「木の種類と用途をマッチングしてお客さんに説明すると、面白いと興味を持ってくれる。木の適材適所っていうのかな。でも、これは祖父や親父たちがもともとやってきたことなんです。湿気に強いから神仏具の土台にひのきを使っていたり。そういった“木の性質を生かしたものづくり”という伝統を継ぎながら、新しい商品を生み出していけたらいいと思っています。」
 

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木の目がキレイに見えるケヤキのトレーや、山桜のカッティングボードもずらり。

 
こどもたちに、もっと木に触れてほしい
 
現在では、こども用のまな板やおもちゃなども展開している福井さん。食材を均等に切れるようつけられた目盛りは、こどもが楽しんで料理のお手伝いができるようにと福井さんの思いが込められています。目盛りを点線にすることで包丁が引っかからないよう工夫も。「こどもシリーズはこれからも増やす予定です。商品を通して、こどもたちにも木を身近に感じてほしい。あとは、インテリア小物や家具なども作って、家の中に木の存在が増えていったらいいなと思っていて。自分が伝えていくことで、多くの人が木に興味を持ってもらえたら嬉しいですね」。
 

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CHIE’S KITCHEN代表の廣瀬チエさんとイラストレーターの松尾ミユキさんとコラボレーションした「いちょうの木のこどもまな板」。

 
使う側の私たちも、なぜその木を使っているのか理解することで、お手入れの仕方や使い方が変わり、愛着が湧くてくるもの。使うたびに、ほっと心を癒やしてくれる木の台所道具、皆さんも暮らしの中に取り入れてみませんか。
 
 
今後も東海エリアで開催される数々のイベントに出店されるそうです!出店情報は下記URLからご確認ください。
http://www.hello-woodpecker.com/news/index.html

 
●「woodpecker」は全国のショップ、またオンラインストアで販売されています。
お取り扱い店舗はホームページからご確認ください。
 
・woodpeckerお取り扱い店舗(http://www.hello-woodpecker.com/shop/index.html
・woodpeckerオンラインストア(http://store.hello-woodpecker.com/
 

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