インタビュー・モノ

今、新たな鼓動をもって展開している「東海のものづくり」にスポットを当てて、作り手の想いやこだわりに迫ります。ものづくりの宝庫ともいえる、東海エリア。有名どころから知られざる逸品まで、掘り起こします。

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つくり手は、木・加工技術を熟知した匠

 
東濃地方で採れた木を使用し、ウェーブ状の模様がシンボルとなっている木工製品ブランド「tonono(トノノ)」。後編では「tonono」を手がける内木木工所の工房を訪れ、バスマットの製造工程を紹介します。内木木工所で「tonono」製品の製造を担当しているのは、代表取締役の内木盛良さんと奥さんの喜代美さんのお二人。様々な加工技術を知り尽くした木工職人が特徴的なデザインを手がけています。

 

↑ 内木木工所の本社兼工房。田んぼとなだらかな山がのどかな雰囲気を演出します。
 
「tonono」の製品をつくるうえでまず行うのは、仕入れた木材の乾燥。内木木工所では、大きな乾燥室の中に原木から切り出した木の板を入れて、木工製品の素材として最適な水分量に達するまで乾燥させます。この乾燥作業は、木工製品のひび割れの原因となる木材の膨張・収縮を最小限に抑えるために欠かせない工程。内木さんは木材の状態をチェックしながら、理想とする木材へと仕上げていきます。
 

↑ 「tonono」に使用される木材の水分量は、木材水分計を用いて細かく管理されています。
 

滑かなさわり心地は、丹精込めた手仕事の証

 
乾燥工程を終えた木材は、NCルーターという加工機械でウェーブ状にくり抜かれます。現在のウェーブの形は、県の試験機関で行われる強度試験と試作を繰り返したどり着いた、美しさと頑丈さを両立する理想形。ゆるやかな曲線には、暮らしを末永く彩るうえでの大事な機能が詰め込まれているんですね。
 

↑ 木材同士をすき間なく貼り合わせるため、ミリ単位の精密さにこだわりウェーブ状の板はつくられています。
 

「tonono」のバスマットの魅力である、肌触りのよさ。そのつやつやとした滑らかな質感を生み出しているのは、3段階にわたる磨き工程です。はじめにバスマット全体を削り、次にトリマーと呼ばれる機具でふちに丸みを与えます。そして最後に手作業でやすりがけが行うことで、バスマットの隅々まで滑らかに! 地域で育まれた木材に愛情を注ぐかのように、内木さんはバスマットを丁寧に磨きます。

 

↑バスマットの触り心地をこまめに確認しながらやすりをかける内木さん。
 

中津川の魅力を、見て、触れて感じてほしい

 

内木木工所では地域の宝といえる森林資源・木工文化の魅力をさらに広めるために、新製品づくりにも積極的に挑戦しています。なかでも注目を集めているのが、ウェーブの立体感が表現されたお重「oju-」です。鮮やかな朱色は内木木工所の主力事業である木工塗装の技術を活用しています。高度な木工技術と塗装技術をもつ内木木工所だからこそつくれる逸品です!
 

↑ 行楽シーズンにぴったりの「oju-」。周囲の注目を集めそうな上品でありながら、かわいらしいデザインです。
 

『tonono』の製品は見るだけでなく、触れてもらうことで魅力が十二分に伝わると思います。取扱店や催事・イベントでこのウェーブデザインを見かけた際には、ぜひその手で確かめてほしいですね。『すごくなめらか!』『軽い!』といった驚きがきっとありますよ」と内木さんは自信に満ちた笑顔を見せてくれました。家具、インテリア、食器など、やわらかな曲線に彩られた「tonono」の製品。伝統ある林業のまちで興った新たな取り組みは、どこまでも広がる大海原の波のように、未来に向かって着実に進んでいくことでしょう。
 

↑ 中津川の大自然をバックに笑顔を見せる内木さん夫婦。「tonono」は中津川の人、自然の魅力の結晶なんです!
 
(撮影:西澤智子 文:西村友行)
 
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