体験

「しょく」=食、職、触。さまざまな情報を手に入れることがたやすくなった今の時代においても、生の体験、実際に自分の手で触れることを大事にしていきたい。1人でも、友人やお子さんとでも。「触れる」魅力を宝物に。


「西尾の抹茶」として全国でも有数の抹茶産地として知られる愛知県西尾市。その歴史は1271年からと古く、当時は僧侶や貴族などが愛飲していました。その後、江戸時代初期からお茶の栽培が奨励され、さらに広がっていったそうです。
 
今回は、お茶の収穫シーズンに合わせて5月に開催される「一番茶茶摘み体験&工場見学ツアー」に潜入。若い女性からファミリー、高齢の方まで幅広い人たちが訪れるという人気のツアー。「西尾の抹茶」の特徴を聞きながらの茶摘み体験と、お茶の葉が私たちの知る抹茶になるまでの工程見学がセットになったツアーの見どころをご紹介します。
 

今日の集合場所は、西尾市にある「松鶴園」。集合場所は日によって違いますが、毎回抹茶が味わえて、工場見学ができる店がセレクトされています。名鉄西尾線「西尾」駅構内にある「西尾観光案内所」からほかの参加者とタクシーに相乗りで向かうこともできます。
さっそく「松鶴園」の工場見学へ出発!
 

ガイドさんの説明を受けながら、抹茶ができるまでの工程を見学。
抹茶の茶葉からは、緑茶の一種である「てん茶」と「抹茶」の両方ができます。摘んだ茶葉を蒸してから十分に乾燥させたのがてん茶、そのてん茶から茎などを取り除いて石臼で挽いたのが抹茶です。
写真は、室温20度・湿度40度のクリーンルームで、てん茶を粉末にしている工程。ひとつの臼で1時間あたり40~60gの抹茶が作られているそうです。
 

工場見学後は、抹茶とお茶菓子のセットを堪能。お茶菓子は店によって違うので、何をいただけるかは当日のお楽しみです。今回は抹茶を使ったお菓子三種盛り! 甘さが控えめな左から順に食べるのがおすすめ、とのこと。一番右は抹茶チョコ。渋みと甘みのバランスが絶妙でした。
 
それではさっそく茶畑へ。美しい緑の茶畑を想像していると…
 

目の前に広がるのは、真っ黒な光景。
その謎を解決すべく、話を伺ったのは、今回のツアーで一番茶茶摘み体験の茶畑を提供している「ヤマフジ製茶」3代目の稲垣宏紀さん。
 

「西尾の抹茶は、摘む時期の1ヶ月ほど前に黒い覆いを被せることで、茶葉が薄くやわらかいまま成長し、まろやかな味に仕上がります」と稲垣さん。
手間はかかりますが、それも品質向上のため。西尾の抹茶が高く評価されている理由のひとつを発見しました。
 

ツアー参加者が見学できるように、覆いを被せてない茶畑の様子も見せてくれました。明るい黄緑が鮮やかです!
 

茶摘み体験ができる茶葉は、西尾の高級抹茶に使用される「さみどり」という品種。自然仕立てという育て方で一年に一度しか収穫できないそう。先ほどの黒い覆いの中に「さみどり」の茶畑が広がっています。
 
それではさっそく、茶摘み体験スタート!
摘み方を教えてくれるのは、「西尾おもてなし隊」の皆さんです。メンバーは、茶摘み以外にも、西尾市の歴史や観光地に詳しい方々。ツアーに参加した後の、近隣のおすすめ立ち寄りスポットも教えてくれます。
 
茶摘みの詳しいコツについては体験当日「西尾おもてなし隊」に教えていただくとして…
今日のポイントをおさらい。
 

この春に芽吹いた、鮮やかな緑色をしたやわらかい新芽を利き手で持ち、
 

エイヤー!(とはいっても、軽くやさしく)と摘む。以上です。
まとめると簡単に思えますが、コツを掴むまで思った以上に時間がかかりました…
 

自分で摘んだ茶葉は持ち帰れるということで、袋いっぱいに!
ただし、茶葉をそのままお湯に浸してもお茶にはなりません。自宅でお茶に使える茶葉にする方法についても「西尾おもてなし隊」の皆さんが教えてくれます。
稲垣さんからは、茶葉の味をそのまま味わう料理法として「お茶の葉の天ぷら」がおすすめとの情報も。そのコツは…「西尾おもてなし隊」に伝授されたそうなので、現地で聞いてみてくださいね!
 
ツアーも終了…と思いきや、最後のメインイベントが待っていました!
 

西尾オリジナルの前掛けがついた「茶摘み娘」の衣装で写真が撮れるサービス。若い女性やファミリー、年配の方まで大人気なんだとか。ステキな笑顔です!
 
集合から最後のお楽しみまで、2時間半程の体験ツアーはこれにて終了。
話し声や笑い声が飛び交う、和気あいあいとした「一番茶茶摘み体験&工場見学ツアー」の開催は、5月27日(日)まで。「西尾の抹茶」の魅力に、ぜひ触れてみて。
 
(文:広瀬達也)
 
 

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