インタビュー・モノ

今、新たな鼓動をもって展開している「東海のものづくり」にスポットを当てて、作り手の想いやこだわりに迫ります。ものづくりの宝庫ともいえる、東海エリア。有名どころから知られざる逸品まで、掘り起こします。

前編はこちら
 
三重県多気郡大台町にある宮川森林組合が中心となって手がけた、森林の恵みを生かしたプロダクト「Odai(オオダイ)」。
前編では「Odai」開発のきっかけともなった、大台町の森林づくりへの想いや活動について触れましたが、後編では製造現場へ。宮川森林組合とともに開発・製造を進めている“森のスペシャリスト”にもお会いしてきました!

 

↑商品に使う枝葉を森で採取しているのは、宮川森林組合の中須真史さん。さまざまな種類の木から、必要な品種の木をすぐに見極められるのがさすが!
 

森林に入り、原料となる枝葉を採取

 
エッセンシャルオイルやリードディフューザーなど、「Odai」商品の原料として使う枝葉は、中須さんをはじめ、宮川森林組合のスタッフたちが自ら森に入り、採取してきます。
中でも大台町の森に詳しいのが、40年もの長い月日を大台町の森とともに過ごしてきたという森正裕さん。「森さんと一緒に森を歩くと、すごく楽しいんです。例えばタムシバの葉っぱをちぎって『ちょっと匂いを嗅いでみ? 昔は歯を磨くのに使っていたんだよ』と教えてくれたり。いつも驚きと発見の連続です」と中須さん。
 

↑「枝葉は、根本から1m30cmくらいの位置で切るんです。なぜかというと、そこから若い芽がでたときに、低い位置だとシカに食べられてしまうから。ほら、この枝先の切れているのは、シカが食べたからなんです」。中須さんのちょっとした話も、私たち取材陣にとっては興味津々!
 

↑森さんの仕事道具。森林で使う道具には、松竹梅など昔から縁起のいいモチーフが刻印されることが多いのだそう。
 

森林の麓で、精油を製造

 
「Odai」製造は、“森のスペシャリスト”森さんが一手に引き受けています。
製造現場は、大台町の森林の麓。まずは採取してきた枝葉を水とともに専用の容器に入れて煮沸して蒸気にし、それを冷却して水と油(精油)に分けていきます。そして、できあがった精油を容器とパッケージに入れて製品として完成させるのも森さんの仕事。すべてこの部屋の中で行われています。
 

↑枝葉は適度な大きさにカットして、専用の容器へ。
 

↑煮沸した後に冷却し、数時間かけて1滴1滴精油を抽出していきます。
 

↑できあがった精油は容器に移し、丁寧に梱包。
 

食の分野にも可能性広がる天然香料

 
「私たちは、循環型の森林づくりを目標に、“適地適木”を掲げて120~130種類の苗木を育て、植林する活動をしていますが(前編でも紹介)、森林を守っていくためには木を生かして利益を生み出すことも考えていかないといけません」と中須さん。
そんな使命もあって開発された「Odai」ですが、最近はエッセンシャルオイルやリードディフューザー、消臭スプレーなど生活に使えるアイテム以外に、食の分野へも新商品開発の幅を広げています。
 

↑大台町のクロモジ、ヒノキ、ユズから抽出したオイル100%の天然香料。料理や飲み物、お菓子などに3種類の樹木の香りづけができます。(5ml)3,500円~。
 

↑2017年のバレンタイン時期に販売された、ヒノキ、クロモジの天然香料を使ったチョコレート1,836円(直営店価格)※季節限定。
 

“自然界が教えてくれること”を伝えたい

 
「自然界が教えてくれることって、すごく多いんです。植物やそこで生息している生き物・動物、気温、それから水。景色には心癒される。『大杉渓谷』は岩と水が織りなす渓谷が素晴らしい! 美しい大台町の森林を、たくさんの人に体感してほしい」と森さん。宮川森林組合では、プロダクトの開発だけでなく、森林で楽しめるイベントも開催しています。
プロダクトを通して、また森林に足を踏み入れてみて。未来の森林について思いを馳せるきっかけとなりそうですね!
 

↑左より、宮川森林組合の中須さん、森さん、岡本宏之さん、大台町の森林づくりをサポートしている「NPO法人森林再生支援センター」の高田研一さん。
 
(写真:西澤智子 文:広瀬良子)
 
 
 

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