体験

「しょく」=食、職、触。さまざまな情報を手に入れることがたやすくなった今の時代においても、生の体験、実際に自分の手で触れることを大事にしていきたい。1人でも、友人やお子さんとでも。「触れる」魅力を宝物に。

植物をガラス容器などで栽培する「テラリウム」。苔を用いたテラリウムを「苔テラリウム」といいます。インテリアとして手軽にグリーンを楽しむことができるため、近年じわじわとブームに。ガラス容器に広がる、オリジナルのミニチュア世界。早速、苔テラリウムを製作・販売するmossmile(モスマイル)で体験してきました!

 

 

普段は百貨店やカルチャースクールでワークショップを行っているmossmile。今回は特別に、豊田市のアトリエで体験をさせてもらうことに。アトリエに入ると、目に飛び込んできたのは、大小さまざまな苔テラリウム。mossmileの苔テラリウム作家・谷川豊英さんは数年前に自身が道端の苔に癒されたことがきっかけで苔テラリウムの製作を始めたのだといいます。mossmileの苔テラリウムは自然の一部を切り取ったような風景が魅力。谷川さんに教えてもらいながら、早速取り掛かります。

 

 

まずは苔の性質を教わります。苔は乾燥した状態だと葉が閉じています。霧吹きで水をかけると、一目瞭然。明るい緑色の葉が開きます。苔には根っこがないため、葉の表面から水を取り入れるのです。

 

 

容器は初心者なら口が広いものがおすすめ。気に入った形を選んだら、土を入れていきます。ここで注意するのは、苔、容器、ピンセットなど使用するものは全て事前によく洗っておくこと。特に苔に付いている余分な土は綺麗に落としておきます。
土は、焼赤玉土、富士砂、燻炭、バーミキュライトをオリジナルでブレンドしたもの。熱処理をしてあるものの方が、雑菌がわきにくいのだとか。

 

 

容器の1/3ほど入れたら、崩れるのを防ぐため土の半分ほどを霧吹きで湿らせます。

 

 

レイアウトで重要なのが、石の配置。使用するのは溶岩石。異なるサイズを左右にバランスよく置くと、自然な雰囲気になるのだとか。大きい石を背景に配置すると奥行きが出ます。石を決めたら土にぐりぐりとねじ込み、石の1/3ほどを埋めて固定。

 

 

いよいよ苔を入れ込む作業。今回使うのは4種類。背が高く深緑色の「ヒノキゴケ」、波打つような透明感のある葉の「ツルチョウチンゴケ」、淡い緑色の葉とまん丸な胞子体が特徴的な「タマゴケ」、動物の尻尾のような形をした「シッポゴケ」です。

 

 

石の裏側の「背景」から作りこむのがコツ。ヒノキゴケを根元から1本ずつばらし、石のシルエットに沿ってふんわりとアーチを描くようにピンセットで植えていきます。ガラス面から少し離すと、苔が窮屈にならないのだそう。

 

 

お箸を持つようにピンセットを持ち、苔の下の部分よりピンセットの先端が少し出るように苔をセット。そうすることにより、苔のやわらかい部分よりピンセットの硬い部分の方が先に土に入るので植え込みやすいのです。
ピンセットは土に入れたら一気に開かずに、少しだけ開いてそっと抜きます。油断すると苔がピンセットと一緒に抜けてしまうため、細心の注意が必要。苔を片手で抑えつつピンセットをゆっくりと抜く、根気のいる作業です。

 

 

苔を植えていると、いつしか夢中に。1本ずつの配置によってできあがりが変わるため、「どんな世界にしようかな?」とワクワクします。シッポゴケも配置し、少しずつ背景が完成してきました。

 

 

淡いグリーンが特徴のタマゴケは女性に人気。ふわふわとした葉がよく見えるよう、表面に配置します。

 

 

最後に、ツルチョウチンゴケを配置すると、小さな森ができました。石が岩のように見えるので、作品のテーマを「山」にすることに。さらにここから、よりリアルな「山」を表現すべく、構想します。

 

 

小さな石とカラーサンドで道をレイアウト。

 

 

最後に、ミニチュアフィギュアを配置します。どのフィギュアにするのかで世界観がガラリと変わるのがおもしろいところ。

 

 

家とヤギを選び、のどかな山のワンシーンができあがりました。じっくりと集中しながら作った苔テラリウムに愛着いっぱい。直射日光の当たらない明るく涼しい場所で育て、2~3週間に一度、霧吹きで苔を湿らせます。

 

 

mossmileのワークショップは、公式サイトやインスタグラムでチェックを。ぜひ皆さんも苔に癒されてみませんか?

 

 

(文:木村 望)

 
 

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