芸術、食、スポーツ…「○○の秋」という言葉がたくさんありますが、今回スポットを当てるのは「読書の秋」。本を開いて物思いにふけってみたくなる季節がやってきました。「本」とひとくちに言っても、その楽しみ方はさまざま。古本・古書には、新書にはない思わぬ出会いや発見があります。
読書好きはもちろん、普段は大型書店に立ち寄るくらい…という人にもおすすめしたい、東海エリアの古本屋・古書店、古本カフェを紹介。各店の店主による、魅力たっぷりのコメントも必見です!
<愛知県>
本好きとアブサン好きが集まる覚王山のカフェ&バー
●cesta(名古屋市千種区)

お酒やコーヒーを飲みながら、国内外の古本を楽しめる古本カフェ&バー「cesta(ツェスタ)」。cestaはチェコ語で「旅」を意味する言葉。チェコをはじめとした海外の絵本や「旅」を感じる本など独自のセレクトによる古本を読んだり購入したりできます。

チェコビールのほか、ゴッホなど芸術家たちを熱狂させた魅惑のお酒「アブサン」が味わえます。特に、アブサンは名古屋随一の品揃え。近隣だけでなく、全国の本好きやアブサン好きが立ち寄るお店です。
【店主に聞いた、古本カフェならではの魅力】
――世界中のファンを魅了しているチェコの絵本。新刊と古い時代の本とでは印刷や装丁などの質感が全く違い、古本絵本ならではの味わい深さがあります。ほかにも多種多様な古本を扱っていますが、常連のお客様から寄せられた本など自然と世界観の近いものが集まるようになりました。
店内の本だけでなく、ご自身で持ち込んだ本を読むのもOK。お酒とともに、コーヒーとともに、思い思いの時間を過ごしてください。
「覚王山アパート」にある、異国に迷い込んだような古本カフェ
●古本カフェ 甘露(名古屋市千種区)

古い木造アパートを改装した「覚王山アパート」は、アーティストやクリエイターのショップ・ギャラリーが集まる場所。玄関を入ってすぐにある「古本カフェ 甘露(アムリタ)」では、スパイスを活かした味わい深いカレーや、店主自慢の本格派チャイともに古本が楽しめます。

店内には天井近くまである棚に古本が並び、ほっこり居心地が良く不思議と落ち着ける空間。店主の好みを中心にさまざまなジャンルが揃う古本は、店内で読むのはもちろん購入することもできます。
店主に聞いた、古本カフェならではの魅力
――昔のレコードを“ジャケ買い”するように、古本を実際に手に取ってインスピレーションで選ぶのも楽しみのひとつ。お気に入りを探してみては。
アーティストたちが集う「キワマリ荘」1階の個性派古書店
●古書 五っ葉文庫(愛知県犬山市)

犬山城下町にある築100年以上の建物を、ギャラリー&アーティストショップ&古本屋として再生させた「キワマリ荘」。2階建ての建物の1階にある「古書 五っ葉文庫」には、アート、サブカルチャー、文学、漫画、絵本など思わず手に取りたくなるユニークな本が揃っています。

「できるかぎり変なもの、ちょっとずれた面白いものをセレクトしています。2階にギャラリーを併設していてアーティストや作家の方々もお客様として来店されるため、創作活動のスパイスになる本を置けたらと、いつも考えています」と店主の古沢さん。新たな好奇心の扉を開いてくれるような古本に出会えそうです。
【店主に聞いた、古本屋・古書店ならではの魅力】
――古本屋でのいちばんの楽しみは、“未知との出会い”。元々古本が好きで、暇さえあれば古本屋めぐりをしていた自分のモチベーションは、やはり「自分の知らないものに出会えるかもしれない」というワクワク感でした。古本の世界に入り込んでから20年ほどが経ちますが、今なお“未知との出会い”があふれています。古本とは一生遊んで暮らせそうです。
訪れる人と本を引き合わせてくれる、古書店ならではのカフェ
●old book cafe BookCup(愛知県豊川市)

おいしいコーヒーとともにじっくり本の世界に浸れる「old book cafe BookCup」。壁一面を埋め尽くす本は、ネット販売など無店舗形態で営業している数店舗の在庫で構成されています。サブカル・思想系、歴史や芸術など各書店の特色ある選書による、新刊書店とはひと味違う魅力的なラインナップ。BookCup店主の加藤さんによる古書店「梁山書林」の本も並んでいます。

コーヒー片手に店内で読むのも、購入して自宅で楽しむのもOKです。
【店主に聞いた、古書の魅力】
――古書は、新刊書籍にない「時間」という厚みをまとっています。その時代の空気感を、活字や装丁、ときには当時の持ち主による書き込み、本に挟み込まれた栞や紙切れが物語ります。
近頃は、状態の良い古本を良しとする傾向もあります。しかし私は、ちょっと“イワク”のあるユニークな本に対して、どこか愛おしさを感じずにはいられません。当店の書棚には私の愛する“イワクツキ”がこっそりと潜ませてあります。傷物と見るかユニークな逸品と見るかはみなさん次第ですが、その“イワク”にくすりと笑みがこぼれたら、ぜひ手元に置いてあげてください。そして、その本を育ててあげて下さい。そうして、また新たな時間をまとっていくはず。その時間も含めて、本と人との仲介をしたいと考えています。
ゴミとして捨てるのは容易いことですが、それではもう誰も本として手に取ることができません。ぜひ、捨ててしまう前にご相談を。
<岐阜県>
大自然のロケーションと温かい空気感を堪能!
●庭文庫(岐阜県恵那市)

2016年、東京から恵那市へ移住してきた百瀬夫妻が営む古書店。出張古本屋として一年活動したのち、築100年以上の古民家を自分たちの手で修繕し実店舗をオープン。現在は絵本や人文書、哲学書、写真集など約3000冊の本が並んでいます。古本だけではなく、新刊本も扱っています。
【店主に聞いた、「庭文庫」の魅力】
毎日、おすすめの本の一節を黒板に記しています。昔ながらのタンスを本棚に使用したり、机や椅子なども100年前の面影を残すものばかり。古民家の雰囲気の中で珈琲を飲みながら本が読める空間。縁側から見える恵那の美しい山や木曽川の風景が日常を忘れさせてくれます。

<三重県>
町家を改装した、伊勢市の勢田川沿いにある小さな古書店
●古本屋ぽらん(三重県伊勢市)

築200年以上の町家をリノベーションした田舎の小さな古本屋。住居としても使用していて、かわいらしい猫に囲まれながらご家族で古本屋を営んでいます。「残さなければならない本と、そうでない本を分けることも仕事のひとつ」と語るのは店主の奥村薫さん。

古本のみならず、レコードも取り扱う店内。木造のあたたかい雰囲気の中で、手に馴染む一冊を見つけてみてはいかがでしょう。
【店主に聞いた、「古本屋ぽらん」の魅力】
――店の空間づくりなどを考えたこともありませんが、従来の古本屋のような均一本や全集を積み上げることはしたくないと考えています。絶滅危惧職の古本屋ではありますが、いつか逆襲したいです。
伊賀市の山里に、ぽつんと佇む一軒家の一角を古書店に
古本 三歩書店(三重県伊賀市)

約8畳の自宅の一角を改装して古本屋としてオープンさせた「三歩書店」。吉住さん夫妻が週末だけ開業している人里離れた古書店です。店主の吉住さんが手づくりしたという本棚には、旅行や芸術、小説、絵本など約3,000冊が並びます。夫妻こだわりの本の数々を眺めにきてみてはいかが。

やわらかい文字の看板が目印。1つのテーマに絞って本を紹介することもあるんだそう!
【店主に聞いた、「古本 三歩書店」の魅力】
――古本屋めぐりの楽しみは思わぬものとの出会いです。読みたくなる本、読んで暮らしが豊かになる本。眺めていたい本、積んでおきたい本。あぶない本、気持ちの良い本。そんな本たちを、人から人へと手渡すお手伝いができれば良いなと思っています。
まずは山里を目指してみてください。
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