キャッチコピーデザイン

東日本大震災から今年の3月11日でちょうど10年を迎えます。未曾有の被害をもたらした震災を国内で経験した私たちは、今後、次の世代にどう伝えて、何を大切にしていったらいいのでしょうか。今回は、「東日本大震災を知らない世代に、震災での気づきを伝えるキャッチコピー」を、HIROBAメンバーで考えてみました。
 
キャッチコピーの審査員はコピーライターの広瀬達也、西村友行、矢野裕子です。

 
<今月のグランプリ>

 

 

「大丈夫」と笑ったのは、誰よりも泣きたいはずの人だった。

 
震災後に放送された被災地でのインタビュー。家を流されてしまった人が、瓦礫の前で「大丈夫。また建て直すよ」と笑顔を見せていたのが忘れられません。絶望してもおかしくない状況の中で、これまで、そして今この時も復興のために頑張っている人がいることを伝えていきたいです。
コピー:國分沙緒里
デザイン:永田裕二
 
●小学校高学年以上なら、このニュアンスを感じ取ってもらえると思いました。コピーの説明にもあるように、「絶望してもおかしくない状況のなかで復興に向けて頑張っている人がいる」ということが、前向きでもあり、でも悲しいできごとだったことを包含していると感じました。そこに、人間の素晴らしさがあると思います。(広瀬)
●「未来をつくったのは、たくさん涙を流した人たちだ」など、復興のためにつらい中で頑張った人がいるということに焦点を当てても良いかなと思います。(矢野)

 
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<準グランプリ>

まもる、にげる、いきる。

 
子どもに伝わりやすいよう、震災のときに「やるべきこと」をシンプルにひらがなで表現しました。「まもる、にげる、いきる」と意味を深く考えなくても口ずさみやすく、浸透しやすさも意識。最後にもってきた「いきる」は最大の目標であると考えています。
コピー:矢野裕子
 
●10年前には生まれていない子ども世代向けの啓発という意味では、とてもわかりやすく、切れもありました。逃げ遅れた人を助けにいった人もいるので、逃げることが必ずしも正解とは限りませんが、津波のことを考えると「にげる」ことも大事だと考えさせられた震災でした。(広瀬)

 
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<そのほかのキャッチコピーはこちら>

 

「まだ大丈夫」じゃ、おそいんだ
東日本大震災では津波が大きな被害のひとつでした。ちょっとの遅れが大きな差になる。まさにそれを実感する出来事だったと思います。それだけでなくとも、地震そのものに「大丈夫でしょ」と安心感を持たず、常に危機意識を持っていたいなと思いました。
 
●「まだ大丈夫」というと人によって「まだ」の捉え方が曖昧なので、もし子ども世代に伝えるなら「あと1分後」とか、具体的な表現にしてみても伝わりやすいかなと思います。(矢野)

 
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優しさって、強さだ。
自分が大変なときでも他人に優しくできる人は、強い人だと思います。東日本大震災で自分が被災しているにもかかわらず困っている人たちを助けようとする姿をテレビで見たときに日本人の強さを感じました。震災を知らない今の子どもたちにも、人間の真の強さを伝えたいです。
 
●震災を乗り越えるキーワードとしては「絆」をよく目にしますが、子どもたちが理解できる「優しさ」という言葉を使っているのが、シンプルながらもよいと思いました。日頃育んだ優しい心が、万が一を乗り切るカギになるということ、子どもたちの心に残るといいです。(西村)

 
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震災はやがて心災になる
震災はその場の被害はもちろんですが、その後何年にもわたって人々の心に傷を残します。風化させることなく、周囲の人たちで支え合って今日まで復興を目指してきたことを忘れてはいけません。
 
●実感の重みが伝わってくるような良いコピーだと思います。ただ、「東日本大震災を知らない世代」に対しては少し表現がむつかしいかも。磨き方次第ではさらによいコピーになるはずです。(西村)
 
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これからも引き続き、キャッチコピー企画を予定しています。
HIROBA公式ツイッター(https://twitter.com/hiroba_magazine?lang=ja)でも不定期でキャッチコピーをつぶやいていくので、皆さんお気に入りのコピーに「いいね!」してみてくださいね。

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