東海エリアの書店をリレー形式で巡り、書店員さんが愛読する本を綴ります。 名古屋新栄町


 
名古屋市中区新栄町駅すぐの「CENTRE(センター)」は、「もっと知りたい、もっと学びたい」をコンセプトに選書された書籍を楽しむことができるブックカフェ。書店員の愛書バトン連載5回目にも登場いただき、実用書から、ビジネス、経営書まで多彩な5冊をおすすめしてくれました!
 
書店員の愛書バトン。Vol.5『私の今に寄り添う本』5冊 記事はこちら
https://hiroba-magazine.com/2020/09/16/hondana-5/
 
今回は、中小企業診断士の資格を持ち、税理士法人や外食チェーンでの豊富な社会人経験をもつCENTRE代表の中村恭平さんに、新社会人に読んでほしいおすすめの5冊をコメントとともに紹介いただきました。新社会人はもちろん、すでに働いている人や学生にも大きな発見のある選書となっています。
 

『明日、会社に行くのが楽しみになる お仕事のコツ事典』
著:文響社編集部 (文響社)

 
前提としてお話させていただきますと、私は「仕事」というものは本質的にすごく楽しいものだと思います。生きる上での大部分の時間を使い、自分の身体と精神、知識と技能を注ぎ込むのに、楽しくないわけがありません。しかし、人間はさまざまなことに心が翻弄されやすいもの。“楽しい”と同時にストレスを伴うこともあります。
 
『明日、会社に行くのが楽しみになる お仕事のコツ事典』はストレスにまどわされてしまったときにぴったりの一冊です。朝の準備、通勤、仕事、退勤、帰宅を楽しくできれば良いのですが、その楽しさは自分で生みだすもの。本書は、どのページを開いてもすぐ使える、楽しむ「コツ」がたっぷり。仕事を楽しむための工夫を全力でやりましょう!
 
「『ただいま』は明日のはじまり!」という章がありますが、私はその意識がとても大切だと思います。帰宅後からの時間の過ごし方で、翌日のパフォーマンスが決まると言っても過言ではありません。その日の良かったこと、反省すべきことがたくさんフラッシュしますが、全部ひっくるめて必ず誰かの役に立っています。お疲れ様、おやすみなさい。明日「も」がんばりましょう!
 

『ガウディの伝言』 
著:外尾悦郎(光文社)

 
人は皆それぞれの個性を生かし、社会とつながっています。これから社会人となる皆さんも仕事で多くの人と出会い、刺激を受け、変わっていくことと思います。世界にはさまざまな仕事をしている人がいるので、視野が狭くなりそうになったとき、自分の知らない世界観で仕事をしている人の話を聞くのもひとつの刺激になるのではないでしょうか。
 
『ガウディの伝言』は、スペイン・バルセロナにある世界遺産「サクラダ・ファミリア」の主任彫刻家である外尾悦郎さんが、現場の職人とのコミュニケーション、自然との共生、ガウディへの想い、忘れてはならないこと、完成とは何なのかを優しい語り口で綴る本。「自分の意志だけではなく、自分以外のあらゆるものが今の私を成り立たせていることを感じる。」と語る外尾さんの人生観、仕事観は必読に値すると思います。
 
海外渡航が困難な現在、スペイン観光のお供にもなり得る情報量を誇る本書を読みながら「サクラダ・ファミリア」工事進行に思いを馳せ、異国の地での日々を想像するのもいいかもしれません。
 

『あの戦争は何だったのか 大人のための歴史教科書』
著:保阪正康(新潮社)

 
私たちは、「戦争」を知ることから決して逃げてはいけないと思います。感情論ではなく、善悪の分断ではなく。確かにあった出来事として、百人百様の戦争について知り、自分で考えることが必要ではないでしょうか。
 
戦後50年となる2005年に出版された『あの戦争は何だったのか 大人のための歴史教科書』。
「あの戦争にはどういう意味」があったか、何のために310万人もの日本人が亡くなったか、どのような情勢で何が起こったのかを整理し、確認することができます。
 
著者の保阪正康さんは、戦後日本の高度成長を成し遂げた「集中力」を、太平洋戦争に突入したときの勢いに重ね、目標に向かい猪突猛進するのが戦前戦後に共通する日本人の姿だと語っています。グローバル社会の中で私たちがどうあるべきか。あの戦争からにじみ出る国民性をしっかりと自認し、ひとりひとりが考え、行動していかなければいけないのかもしれません。
 

『稲盛和夫の実学―経営と会計』
著:稲盛和夫(日本経済新聞出版)

 
京セラ創業者であり日本航空の名誉会長である稲盛和夫さんの経営哲学と会計学を「思想と実践」で融合し、「経営のための会計」を見事に体系化した一冊です。
 
会計について何も知らなかったと語る稲盛さんが、経営のために会計を学び、理解し納得できるまで追求する様が描かれており、さらに後進のための整理が成されています。物事の本質を追求し、会計上としても人としても「原理原則を貫く姿勢」を、背筋を伸ばして学ぶことができます。
 
企業経営のかたちは時代とともに変化していきますが、「会計は経営のために存在している」ことは間違いありません。『稲盛和夫の実学―経営と会計』は経営者や経理担当者だけに向けられた話ではなく、事業部やプロジェクト、部署、ひいては会社員ひとりひとりの意識の中に「会計を無視して仕事ができるか」という意識を持たせることができる“熱量”がこもったマスターピースです。
 
「後進」となる私たち、稲盛さんの知見を得て大きく突き進みましょう。
 

『0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる学ぶ人と育てる人のための教科書』
著:落合陽一(小学館)

 
メディアアーティストの落合陽一さんによる、人生100年時代となるこれからの社会で生きるすべての人に向けたメッセージが書かれている『0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる学ぶ人と育てる人のための教科書』。
 
画一的な教育の時代が終わり、自ら考え、自ら学ぶことの大切さ、そして「学び続ける」人間であることの大切さがQ&A形式で描かれ、すらすらと読むことができます。「学び続ける」こと、それは多様な価値観を受け入れることでもあり、社会の課題を自ら発見し、解決を模索するために行動することでもあります。
 
新社会人の皆さんには、ぜひ「Q11:突出した才能がない人はどう生きればいい?」の項を読んでいただきたいです。自分の評価軸を給料の額で捉えず、それを超えた「やりがい」に価値を見出していただきたいと切に願います。
 
情報化社会の現代は、かつてに比べて圧倒的に効率よく情報を取得できる時代です。これからの人材は、情報をいかに咀嚼し、社会をよりよくするために新しい価値に置き換えて還元できるかが重要。年齢など関係なく、よりよい社会とそれぞれの人生のために、ともにがんばりましょう!
 
 

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