「ものづくり」の背景にあるストーリーを紹介。作り手の想いやこだわりに迫ります。 インタビュー岐阜揖斐川町

約400年前、ポルトガル宣教師の教えによって織田信長が伊吹山に開拓したという薬草園。その地、旧春日村(現在は揖斐川町)に根付く“薬草文化”を守り、地域の魅力を発信するため、岐阜県出身の1991年生まれ3人組でつくりあげたのが、クラフトコーラ「ぎふコーラ」です。
 
“新しくもどこか懐かしい”、注目の新感覚ドリンク「ぎふコーラ」について、3人の背景や故郷・岐阜への思いとともに紹介します。

 

▼もくじ
・風味豊かで後味すっきり!「ぎふコーラ」
・揖斐川町で地域の健康を守ってきた「薬草文化」
・故郷への思い同じく運命的に出会った3人
 

風味豊かで後味すっきり!「ぎふコーラ」

 

↑実はさまざまな薬草を使い、体に優しい飲み物であるコーラ。
 
岐阜県出身の同い年3人組が、“薬草の宝庫”である岐阜県揖斐川町の旧春日村地域で採れる薬草を使用してつくるクラフトコーラ「ぎふコーラ」。
 
そもそもコーラとは、語源である「コラの実」やスパイスなどを使い、アメリカの薬剤師によってつくられた栄養ドリンクが始まりと言われているのだとか。

 


↑薬草やスパイスの粒も、目に見えるほどたっぷり!

 

「ぎふコーラ」はヨモギ、ドクダミ、カキドオシ、ヤブニッケイという4種の薬草と、季節ごとに採れる数種の薬草を使った健康的なドリンク。そこへ数種のスパイスと柑橘類、砂糖などを配合。風味豊かに仕上げながらも薬草特有のクセはなく、すっきりとした後味が特徴です。
 
使用している薬草の生産をはじめ、揖斐川町をPRする活動にも承諾し協力してくれている旧春日村地域の人々も、初めは「クラフトコーラって何?」と不思議がっていたそうですが、口にすると「なんだか懐かしい」「飲みやすい」と笑顔になるほど親しみやすい味わい。

 


↑約20杯分楽しめる720mlボトルと約6杯分の200mlボトルの2種類。
 
現在販売している「ぎふコーラ」は原液のため基本は炭酸水や水で割って飲みますが、ミルクやウイスキー、ジンで割ったりと、いろいろな組み合わせが楽しめるのだそう!また、ドレッシング代わりにしたりお肉を漬け込んだり、お菓子作りに使ったりと、万能調味料としての可能性も無限大です。
 

地域の健康を守ってきた「薬草文化」

 

画像提供:ぎふコーラ

↑さまざまな薬草が入り混じって生い茂る薬草園。
 
旧春日村地域である揖斐川町は、伊吹山のふもとにある自然豊かで穏やかな空気が流れる地。織田信長はこの地に約280種類もの薬草が育つ薬草園を開拓。昼夜の寒暖差が大きいことや地質が石灰であることから質のいい薬草が自生しやすく、生業としても盛んになっていったのだそう。
 

画像提供:ぎふコーラ

↑ 薬草を暮らしに取り入れていた地域の人々。そのおかげが病気知らずで健康的な人が多く、かつて村内に診療所や病院がなくても不便を感じなかったとか。

 

 
そんな歴史深い揖斐川町の薬草文化ですが、岐阜県内でさえあまり広くは知られていないといいます。
 
「ぎふコーラ」には、岐阜の宝の1つである薬草文化をもっと知ってもらい、岐阜の魅力発信のきっかけにしたいという思いが詰まっているのです。

 

故郷への思い同じく運命的に出会った3人

 

↑とっても仲睦まじく、笑顔が素敵な3人。

 

「ぎふコーラ」を手掛けているのは、岐阜県揖斐川町の薬草料理店「kitchen marco(キッチンマルコ)~五感で楽しむ伊吹薬草~」店長の四井智教さん(写真左)、揖斐川町地域おこし協力隊の泉野かおりさん(中央)、岐阜市内でオーガニック料理専門店「to U(トゥー ユー)」を営む片山治さん(右)の3人。
 
昔からの仲なのかと思いきや、実は出身地も経歴もバラバラの3人。故郷のために何かしたいという思いや薬草が共通点となり、運命的に出会ったといいます。

 

 

発端は、岐阜市出身の片山さんのふとした思い。「大学卒業後に上京して飲食店に勤め、岐阜に戻ってきました。地元を離れたときに、『自分が自慢できる名産品が地元にない』と気づいたんです」。

 

 
片山さんは、なにか岐阜の特徴を生かせるものがないか?と模索しているときに、当時働いていたお店で取り扱っていたクラフトコーラ「ともコーラ」に目を付けたそう。クラフトコーラを名産品としている地域をあまり耳にしたことがなかったのと、コーラがスパイスを使った飲み物であることから、“薬草のまち”揖斐川町にぴったりだ!と、ピースが当てはまりました。
 

 

片山さんが薬草について詳しい人を探しているときに出会ったのが四井さん。ご家族が薬草農家であり、自身も薬草について勉強していた揖斐川町出身の四井さんとは偶然にも同い年ということもあって意気投合したそう。
 
「揖斐川町にはせっかく薬草という“宝”が豊かにあるのに、知られていないのがもったいないと感じていたんです」と四井さん。薬草料理店で働きながら薬草や植物について知識を深め、その良さを発信することにも意欲的です。
 

 
コーヒー豆やチョコレート関係の仕事をしていた泉野さんは大垣市出身。「自己紹介で出身地が岐阜であることを話しても、それ以上会話が広がらないことに悔しい思いをしていました」と語ります。
 
仕事でベトナムに滞在していた泉野さんは、そんな思いを胸に帰国後は岐阜県に戻り、ワークショップやイベントに参加して魅力発掘を模索していたのだとか。そんな時に、揖斐川町のワークショップで薬草文化に触れて感動し、そこで出会った四井さんに仲間入りをアプローチ!
 

 
「薬草はベトナムでもお茶として飲んだり、食事を食べた後の口直しにそのまま食べたりと、日常の暮らしに身近なものでした。なので揖斐川町の薬草文化を知ったときに、『もしかしてここは日本のベトナム?!』なんて思って、運命的なつながりを感じました」。
 
そんな偶然と必然の出会いが重なり、ともに「ぎふコーラ」開発へと歩みはじめた同い年の3人。ここから「ぎふコーラ」は、どのように現在の形までできあがってきたのでしょうか。
 
後編では、「ぎふコーラ」をきっかけに薬草文化を多くの人に伝えるイベントやワークショップなどの活動について、また一般発売への意気込みなどを紹介します。
 
(写真:岩瀬有奈 文:佐藤奈央)

 

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