「ものづくり」の背景にあるストーリーを紹介。作り手の想いやこだわりに迫ります。 インタビュー伏見名古屋


寝る前にベッドや布団に寝転がって本を読むのが至福のひととき…そんな人もいるのではないでしょうか。そこで悩ましいのが、どんな姿勢で本を読むか。うつ伏せだと腰が痛くなるし、仰向けだと手が疲れる…。横向きでも頭や首が落ち着かなくて、何度も姿勢を変えるうちに億劫に…。そんな小さな葛藤が発端となって生み出されたのが、横向き寝姿勢での“寝ながら読書”をサポートする「読書枕HONTO(ホント)」。生みの親、名古屋市中区にあるクッションメーカー・ジスクリエーションを訪れ、商品の特徴や開発秘話などを伺いました。
 

▼もくじ
・横姿勢がしっくりくる形状の秘密
・高さと固さのベストバランスを
・使うほどにふんわりする風合い
 

横姿勢がしっくりくる形状の秘密

 

 
「読書枕HONTO(ホント)」は、いつも使っている枕の上に重ねるように乗せて使います。横から見てみるとわかりやすいのですが、高さが平行でないのも特徴のひとつ。首の後ろになる部分が最も分厚くなっていて、傾斜により首や頭をしっかりと支え、心地よい寝姿勢がキープできるように考えられているのです。
 

 
「横向きで寝ていると、下になっているほうの耳が圧迫されて痛くなる…」そんな悩みに応えるように、中央部分をくぼませているという工夫も。これにより耳がやさしく守られるうえ、「寝る前はコンタクトレンズを外し、メガネで読書する人が多い」ことから、メガネのフレームによる痛みも軽減!
 

 

高さと固さのベストバランスを

 
寝る前の読書をサポートしてくれる枕の開発ストーリーについて話してくれたのは、ジスクリエーション代表取締役の中濵淳さん。「まず最初に考えたのは、どの高さが一番心地いいか。そして、中材には何を使おう?ということ。固すぎても心地よくないし、やわらかすぎても頭が沈みこんでしまい、しっかりと支えられない。試作しながら、ベストなバランスを求めていきました」と話します。
 

↑ジスクリエーション代表取締役の中濵さん。寝る前に本を読む習慣があるという自身の経験も「読書枕HONTO(ホント)」開発のきっかけになっています。
 
開発の初段階では長方形だったという「読書枕HONTO(ホント)」。ところが長方形だと体がぐらつくため、首や頭をもっとしっかり支えられるものにできないか?と、後頭部になる方の端を少し広げて特殊な形状にしたのだそう。
 

↑クッションはファスナー開け、綿の量を自分好みに調整することもできます。
 

使うほどにふんわりする風合い

 
中に入っているのは、とうもろこしの茎や皮からつくられているというサスティナブルなわた。一般的なわたに比べて、糸が細くなめらかなうえ、小さなバネのような形状をしているため弾むように柔らかく、へたりにくいのも特徴。長く使って少しへたってきたな…と感じたら、乾燥機にかけて乾かせば、もとのふくらみに戻るのだとか!
 

 
カバーには愛知県蒲郡市で織られた三河木綿のトリプルガーゼを使用。3層になったガーゼは洗うことでよりふんわりと、やわらかい風合いに。その理由は織物工場での織り方の工夫によるもの。1層目、2層目、3層目で織る糸の密度を変え、糸の打ち込み本数が少ない層をつくることで、洗って乾かしたときに糸が空気を含んでふくらみ、やわらかい風合いが生まれるんだそう。
 


↑ガーゼ生地は読書枕HONTO(ホント)オリジナルデザイン。頭文字の「H」をはじめ本棚など読書をイメージした3柄(写真上)と、花や葉など自然をモチーフにした3柄(写真下)の計6タイプ。
 
理想は多くの人にとって、「寝る前の1時間程度、いろんなことを忘れて本に集中できるような枕」となること。製造には細部にわたってこだわりを詰め込んだ自信作ですが、「読書枕」という新しいジャンルだからこそ、「どんな場所で売るか?」など、商品をまず知ってもらうことに苦労したというエピソードも。後編では、そんな売り方の模索や、読書枕HONTO(ホント)以外にも魅力的なアイデア商品の数々について紹介します。
 
(写真:水野由佳 文:広瀬良子)
 

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