マイボトル、マイ箸、マイバッグに続いてマイカトラリーブームの時代です。とはいえ、まだ持ち歩いている人は少数派。そんないま、なにを伝えれば人の心を動かせるか。今回は、「マイカトラリーを持ちたくなるキャッチコピー」をHIROBAメンバーで考えてみました。
審査員はコピーライターの広瀬達也、西村友行、矢野裕子です。
グランプリ
匙は投げずに、持ち歩く。
マイカトラリーを携帯することを推し進めるために、認知度の高いことわざ「匙を投げる」をオマージュして、ストレートなコピーに。
コピー:柳井健太 デザイン:堀舞子
●匙を投げるという慣用句をフックにして言葉を目立たせることを意識しながら、「地球環境を諦めない」というメッセージもこめられていますね。(広瀬)
●エコロジー活動は継続できることも大切。その点も「匙を投げる」でカバーしています。(西村)
準グランプリ
シルバーを、持ち歩くキミは、ゴールドだ。
ナイフやフォーク、スプーンなどを総じてシルバーと呼ぶことから、それらを携帯している姿勢や取り組みはゴールド免許クラスだねと称えるコピー。川柳調にしてキャッチーに。
コピー:柳井健太
●カトラリーをシルバーをいうことを知らない人にとってはピンとこないため、フックに使う際は注意も必要。シルバーの由来(銀製)を考えると、マイカトラリーは少し離れてしまっています。(広瀬)
●マイカラトリ―を前向きに使いたくなる雰囲気があり、テーマを率直に捉えています。(西村)
●「いいことをしていること」をゴールドと表現した気づきは素晴らしいですね。ただ、マイカトラリーをシルバーと言うのがいいかどいうか…迷います。(矢野)
持ち帰るのは「食器」ですか、それとも「ゴミ」ですか。
その場でもらったスプーンなどは食後にゴミになってしまいます。ゴミがでる(増える)ことよりもマイカトラリーを持ち帰るほうが不快感がないことを訴求。
コピー:大久保孝啓
●カトラリーの印象を一変させるアイデアはよいですが、食器とカトラリーは異なるので、アイデア賞はあっても広告表現には至りません。(広瀬)
●使い捨てのカトラリーだと「持ち帰る」より「捨てる」ことが多いですね。コロナ禍でニーズが高まったテイクアウトと絡めると効果的です。(矢野)
100回の外食が、100回のエコになる。
外食の回数=エコになる、というわかりやすさで、気負うことなくやってみたくなるキャッチコピーに。
コピー:矢野裕子
●ほかのコピーとは異なり、全体を捉えています。視野を広げてみるという意味では、良い着想です。(広瀬)
キャッチコピーのポイント
マイカトラリーを持ち歩くということは、使い捨てのカトラリーをもらわないこと。「持ち歩く」ことに着目するのがキャッチコピーを考える第一歩ですが、「持ち帰るのは『食器』ですか、それとも『ゴミ』ですか。」や「100回の外食が、100回のエコになる。」がチャレンジしたように、目線を広げていくと、より多様な表現が見つかります。
そのほかのキャッチコピー
私らしく続ける、私のためのエコ活動
マイカトラリーを使い続けることが自分にとってどのような意味があるのか、考えました。
プラのスプーンじゃ、「いいね」が足りない。
使い捨てのスプーンでは、SNS映えしないことを訴求しました。