愛知県では犬山城(犬山市)、金蓮寺(幡豆郡)、岐阜県では永保寺(多治見市)、安国寺(吉城郡)などが建造物として国宝に指定されていますが、2017年11月に三重県で初めて国宝(建造物)に指定されたスポットがあります。
津市の「高田本山専修寺(せんじゅじ)」にある、御影堂(みえいどう)と如来堂(にょらいどう)の2棟。なんでもその、“高度な建築技術と装飾技術の価値”が認められたとのこと。すばらしい建造物の魅力を体感しに、HIROBAくんと一緒に津市へ足を運びました!
山門をくぐると、目の前に立ちはだかるのが「御影堂」。
「高田本山専修寺」は、親鸞聖人の教えを受け継ぐ浄土真宗の十派のひとつであり、全国に600余りある寺院の総本山。敷地は約3万坪(東京ドームの約2倍)を有し、境内には国宝に指定された2棟のほか、国指定の重要文化財が11棟あります。
HIROBAくん:「敷地がすごく広いし、建物の大きさに圧倒される…!」
御影堂の中に足を踏み入れると――
780畳もの広々とした空間に、金襴(きんらん)巻きの柱や極彩色の天井画などが華やかな雰囲気。浄土真宗は寺院をお参りに来た人が親鸞聖人の教えを聞く聞法(もんぽう)の場所としているため、1人でも多くの人が入れるように広くしてあるとのこと、また極楽浄土がきらびやかな場所であることをイメージしての、装飾なのだそう。
ここには木造の親鸞聖人を中心に、歴代の上人の御影が安置されています。
通天橋(つうてんきょう)を渡ると、如来堂へ。
阿弥陀如来を祀る「如来堂」は、欄間の彫刻に注目。
立体的で迫力のある彫刻は、よく見るとさまざまな楽器や美しい鳥たち。これも極楽浄土の華やかなイメージを表してのこと。豪華で細やかな装飾に圧倒されます!
HIROBAくん:「天井を見上げてみて、ビックリ!」
天井が高くとられているのは、美しい細工を存分にするため。こちらも見事な装飾の蟇股(かえるまた)が、天井の荷重を支えています。蟇股とは、カエルが足を開いたような形から、その名がつけられたそうですよ!
軒裏にも装飾がいっぱい! よく見ると、リュウやゾウ、バクの顔が突き出ているので注目を。なお、屋根の上の方に彫刻の鶴が見えますが、金網に覆われています。これは夜になると池の水を飲みに行ってしまうといわれる鶴を、どこかに飛んでいかないように…と張られた金網なのだそうです。
境内には135鉢の蓮が6~8月頃に美しい花を咲かせます。現在は、蓮のオーナー募集もしているそうで、この先“蓮の寺”として、ますます多彩な蓮が美しく咲き乱れることでしょう。
御影堂・如来堂の裏手には、庭園が広がっています。
「高田本山専修寺」がある一身田町の辺りは、もともと掘をめぐらせた環濠(かんごう)集落だったそう。境内にも掘が通っています。庭園を散策するのも、清々しい気持ち!
境内をはじめ、御影堂・如来堂ともに参拝料は無料ですが、時間があれば事前予約のガイド(1人につき500円)を頼むのもおすすめ。見どころや法話を聞くことができます。
1月9日(火)~16日(火)は“お七夜さん”と親しまれる、一大法要の「お七夜報恩講」を開催。門前の寺内町(じないちょう)に露店が並ぶほか、23:00から法要が始まる15日(月)は、美しくライトアップされる通天橋がとても幻想的です!
それでは、周辺も歩いてみましょう♪
HIROBAくん:「お腹空いたな~」
「高田本山専修寺」の最寄駅となるJR紀勢本線「一身田」駅のすぐ前に、地元で人気のカフェがあると聞き、早速行ってみました。
「喫茶 tayu-tau」。洋食やフランスの田舎料理、季節の野菜を使った料理やデザートなどが楽しめます。おすすめメニューの「ハンバーグ」(1,350円)がこちら。
日本やフランスのアンティークを集め、足りないところはDIYしてコーディネートされた店内。静かな雰囲気で、1人でもゆったりと過ごせます。
津市といえば、「ぐりとぐらのカステラ」が話題のカフェも。ここから車で6分ほどの場所です。「HIROBAくん、カステラ食べに行ってみよう!」
「te-te」に到着。ほっこり温かな雰囲気の店内。女性客や親子で賑わっています。
「ぐりとぐらのカステラ」は注文が入ってから、粉ふるいから始めるとのこと。焼き上がるまでには少し時間がかかるので、温かい飲み物を先にもらってのんびり待ちます。
「HIROBAくん、『ぐりとぐら』の絵本って読んだことある?」
HIROBAくん:「あるある、大好きだもん~! 森で大きな卵を見つけたところから、カステラ作りが始まるんだよね♪」
……絵本の世界に浸っているうちに、カステラがきました!
「ぐりとぐらのカステラ」(918円)
HIROBAくん:「ほんのり甘くて、卵のいい香り~!」
スキレットに入った、まさに絵本から飛び出てきたかのような「ぐりとぐらのカステラ」。絵本と同じ、卵、牛乳、小麦粉、砂糖(きび砂糖)のみのシンプルな材料で作られている、素朴でやさしい味わいです。すぐに食べるとふわふわ食感が楽しめますが、少しおいて粗熱がとれるとさらに甘みが増すそうです。
美しい建築装飾の国宝を有する「高田本山専修寺」と周辺カフェを巡る、今回のプチトリップ。お腹も心も満たされるおでかけに、皆さんも出かけてみませんか。
(文:広瀬良子)
今回巡ったスポットはこちら
津市の「高田本山専修寺(せんじゅじ)」にある、御影堂(みえいどう)と如来堂(にょらいどう)の2棟。なんでもその、“高度な建築技術と装飾技術の価値”が認められたとのこと。すばらしい建造物の魅力を体感しに、HIROBAくんと一緒に津市へ足を運びました!
山門をくぐると、目の前に立ちはだかるのが「御影堂」。
「高田本山専修寺」は、親鸞聖人の教えを受け継ぐ浄土真宗の十派のひとつであり、全国に600余りある寺院の総本山。敷地は約3万坪(東京ドームの約2倍)を有し、境内には国宝に指定された2棟のほか、国指定の重要文化財が11棟あります。
HIROBAくん:「敷地がすごく広いし、建物の大きさに圧倒される…!」
御影堂の中に足を踏み入れると――
780畳もの広々とした空間に、金襴(きんらん)巻きの柱や極彩色の天井画などが華やかな雰囲気。浄土真宗は寺院をお参りに来た人が親鸞聖人の教えを聞く聞法(もんぽう)の場所としているため、1人でも多くの人が入れるように広くしてあるとのこと、また極楽浄土がきらびやかな場所であることをイメージしての、装飾なのだそう。
ここには木造の親鸞聖人を中心に、歴代の上人の御影が安置されています。
通天橋(つうてんきょう)を渡ると、如来堂へ。
阿弥陀如来を祀る「如来堂」は、欄間の彫刻に注目。
立体的で迫力のある彫刻は、よく見るとさまざまな楽器や美しい鳥たち。これも極楽浄土の華やかなイメージを表してのこと。豪華で細やかな装飾に圧倒されます!
HIROBAくん:「天井を見上げてみて、ビックリ!」
天井が高くとられているのは、美しい細工を存分にするため。こちらも見事な装飾の蟇股(かえるまた)が、天井の荷重を支えています。蟇股とは、カエルが足を開いたような形から、その名がつけられたそうですよ!
軒裏にも装飾がいっぱい! よく見ると、リュウやゾウ、バクの顔が突き出ているので注目を。なお、屋根の上の方に彫刻の鶴が見えますが、金網に覆われています。これは夜になると池の水を飲みに行ってしまうといわれる鶴を、どこかに飛んでいかないように…と張られた金網なのだそうです。
境内には135鉢の蓮が6~8月頃に美しい花を咲かせます。現在は、蓮のオーナー募集もしているそうで、この先“蓮の寺”として、ますます多彩な蓮が美しく咲き乱れることでしょう。
御影堂・如来堂の裏手には、庭園が広がっています。
「高田本山専修寺」がある一身田町の辺りは、もともと掘をめぐらせた環濠(かんごう)集落だったそう。境内にも掘が通っています。庭園を散策するのも、清々しい気持ち!
境内をはじめ、御影堂・如来堂ともに参拝料は無料ですが、時間があれば事前予約のガイド(1人につき500円)を頼むのもおすすめ。見どころや法話を聞くことができます。
1月9日(火)~16日(火)は“お七夜さん”と親しまれる、一大法要の「お七夜報恩講」を開催。門前の寺内町(じないちょう)に露店が並ぶほか、23:00から法要が始まる15日(月)は、美しくライトアップされる通天橋がとても幻想的です!
それでは、周辺も歩いてみましょう♪
HIROBAくん:「お腹空いたな~」
「高田本山専修寺」の最寄駅となるJR紀勢本線「一身田」駅のすぐ前に、地元で人気のカフェがあると聞き、早速行ってみました。
「喫茶 tayu-tau」。洋食やフランスの田舎料理、季節の野菜を使った料理やデザートなどが楽しめます。おすすめメニューの「ハンバーグ」(1,350円)がこちら。
日本やフランスのアンティークを集め、足りないところはDIYしてコーディネートされた店内。静かな雰囲気で、1人でもゆったりと過ごせます。
津市といえば、「ぐりとぐらのカステラ」が話題のカフェも。ここから車で6分ほどの場所です。「HIROBAくん、カステラ食べに行ってみよう!」
「te-te」に到着。ほっこり温かな雰囲気の店内。女性客や親子で賑わっています。
「ぐりとぐらのカステラ」は注文が入ってから、粉ふるいから始めるとのこと。焼き上がるまでには少し時間がかかるので、温かい飲み物を先にもらってのんびり待ちます。
「HIROBAくん、『ぐりとぐら』の絵本って読んだことある?」
HIROBAくん:「あるある、大好きだもん~! 森で大きな卵を見つけたところから、カステラ作りが始まるんだよね♪」
……絵本の世界に浸っているうちに、カステラがきました!
「ぐりとぐらのカステラ」(918円)
HIROBAくん:「ほんのり甘くて、卵のいい香り~!」
スキレットに入った、まさに絵本から飛び出てきたかのような「ぐりとぐらのカステラ」。絵本と同じ、卵、牛乳、小麦粉、砂糖(きび砂糖)のみのシンプルな材料で作られている、素朴でやさしい味わいです。すぐに食べるとふわふわ食感が楽しめますが、少しおいて粗熱がとれるとさらに甘みが増すそうです。
美しい建築装飾の国宝を有する「高田本山専修寺」と周辺カフェを巡る、今回のプチトリップ。お腹も心も満たされるおでかけに、皆さんも出かけてみませんか。
(文:広瀬良子)
今回巡ったスポットはこちら