名鉄「犬山」駅西口から国宝・犬山城の城下町へ向かう道沿いに、ふんわり甘い香りが鼻をくすぐる「菓子屋shirushi(しるし)」という菓子屋があります。その2階に、「犬山観光やお菓子を買いに来る“ついで”に、気軽に立ち寄ってほしい」という思いでオープンしたのが本屋「本屋tsuide(ついで)」です。
本屋tsuideでは「食」にまつわるエッセイや小説、レシピ、絵本などさまざまなジャンルの新刊書籍や古本を扱っています。そこで、オーナーの黒部恵さんに「野菜と果物がもっと好きになるおすすめの本」を3冊教えていただきました。

野菜と果物がもっと好きになるおすすめの本
『フレーバー・マトリックス 風味の組み合わせから特別なひと皿を作る技法と科学』(SBクリエイティブ) 著:ジェイムズ・ブリシオーネ、ブルック・パーカースト 翻訳:目時能理子、中村雅子

世界最高レベルの料理学校で講師を務め、スーパーコンピューターとレシピ開発に取り組んだ経験をもつカリスマシェフが、食材を科学的特徴からまとめあげた1冊。
ある食材に他の食材を組み合わせたら、もっとおいしくなったり、あるいはおいしくなくなったり……およそ150の食材とさまざまな材料の意外な相性が、58の図表「フレーバー・マトリックス」によって紹介されています。それぞれのマトリックスから導き出されるレシピも掲載。新しい食のインスピレーションをもたらしてくれます。
『種から種へ 命つながるお野菜の一生』(雷鳥社) 著:鈴木 純

植物観察家・鈴木純が監修。日々、スーパーや八百屋に整然とならぶ野菜たちの一生を追いかけた1冊。私たちが目にしている野菜の姿は、どれも命の途中のほんのひとコマ。野菜を「食べ物」ではなく「生き物」として観察した6年間の記録を、マンガのようなコマ割りで楽しめます。子どもへの食育にもおすすめ。
『まるまる、フルーツ』(おいしい文藝)

春の苺、夏の西瓜、秋の梨、冬の林檎。そのほか桃、さくらんぼう、マンゴー、ネーブル、ラ・フランス、びわなど。名だたる42人の作家がフルーツを題材に書いたエッセイを“まるまる”収録した1冊。食べることは味の記憶だけでなく、一緒に食べた人や場所、すべてが思い出として残るもの。自身のフルーツとの思い出と重ねて楽しめます。
食をテーマに、生産者と来店者をつなぐ「本屋tsuide」

オーナーの黒部さんは、愛知県内の洋菓子店やカフェでパティシエとして20年以上勤め、2020年に菓子屋shirushiをオープン。翌年2021年に「ついでで終わらない出逢いの場を」というコンセプトのもと、本屋tsuideをオープンしました。

エッセイや小説、レシピ本、絵本など、どのジャンルにおいても、食べた人の物語や思い出が読める本を中心に選書されているとのこと。

並んでいる表紙を見ているだけでお腹が空くような気分になったり、まだ知らない食の世界が広がっているかもしれないと気づけたり、好奇心が刺激されます。

2年前に大きく体調を崩したことをきっかけに、以前より薬膳や養生に関する本も増やしたという黒部さん。「今は元気になりましたが、ずっと健康でいられるということはないんだと実感し、食べることへの向き合い方が変わりました」と話します。
本屋tsuideが提供したい3つの出逢い
本屋tsuideの役割として、黒部さんは3つの「出逢いの場をつくる本屋」であることを掲げています。1つ目は、“本との出逢い”。「最近はAIが自分の興味のあることばかりを集めておすすめしてくれますが、知らない世界に触れていくことも大切だと思います。自分の知らない世界があることに気づけ、広げていけるのが本屋の魅力」だと伝えます。

2つ目は“生産者との出逢い”。「お菓子になる食材が製造者である私たちのもとへ届くまでには、生産者の日々の仕事や苦労、抱える課題など、さまざまな背景があります」と、黒部さん。菓子屋shirushiをオープンして自ら生産者と関係を深めていく中で、そうした背景に目を向けるようになったと言います。

「菓子屋shirushiでは、農家さんから直接仕入れた旬の食材を使うことを大切に、良い食材を多くの方に知っていただきたいという思いでお菓子を作っています。本屋tsuideでは、食にまつわる本や生産者とのワークショップの開催などを通して、つくり手や食材の背景にも興味が広げられるきっかけを作っていきたい」と、黒部さん。

愛媛県大三島産レモンの手絞り果汁を使用した看板商品「朝焼きレモンケーキ」をはじめ、スコーンやシュークリームなど、季節の食材を使ったお菓子が並びます。
3つ目は“地域の素敵な人やお店との出逢い”。本屋tsuideでは、犬山のお店や食に関する取り組みをしている人とのイベントも開催。「犬山でお店を開いて、地域の素敵なお店や人とたくさんつながることができました。そういった方々と出逢いをつなぐ場としても発展させていきたい」と、黒部さんは意気込みを語ります。

“tsuide”の思い出を、犬山に訪れた“shirushi”に
ショップカードには、『ほんのしるし 感謝のしるし 季節のしるし』という2店舗のコンセプトが書かれています。“しるし=人の思い”を形にして届けたいという思いが込められています。犬山に訪れた“しるし”としても、ぜひ訪れてみて。

| 住所 | 愛知県犬山市東古券224-4 |
| 営業時間 | 11:00〜17:00 |
| 定休日 | 月曜、火曜 |
| 駐車場 | なし |
| アクセス | 名鉄「犬山」駅西口より徒歩7分 |
























